Tableau のリレーションシップ機能 ~プロローグ~
数回、いや数十回に渡ってシリーズで Tableauのリレーションシップ機能について書いていきたいと思います。今回はプロローグとして、なぜ書くに至ったか?をお話ししておきます。
データベースのクラウド化が進み、データの世界は大きな変革を迎えています。お伝えしたいことは、それに伴って BIシステムを使いデータを利用する人も大きく変革しなくてはいけない! そのためには Tableau のリレーションシップ機能は不可欠だ! ということです。
私は仕事柄、自分自身の会社や、様々なお客様と Tableauによるデータ活用に携わってきました。そんな私がずーーーっと思っていたことがあります。「データマートいらないんじゃない?」「データマートなくせないか?」
Excelのカオスを是正しようと BIを導入してみたら、ダッシュボードのカオスになり、ダッシュボードのカオスを是正しようと思ったらデータマートのカオスになり、、、データの根源は一つのはずなのに、なんでいつまでも解決しないんじゃい!と。常にどこかでカオスが起こってきました。
データベースをクラウド化する会社が増えてきています。セキュリティーの観点で踏み切れない会社もまだ多いですが、それはそれで解決策があるので、そんな会社様は速攻クラウド化を考えるべきです。データ活用の観点から、あらゆる矛盾、不合理が消え去ります(あくまで私見ではありますが)。データベースをクラウド化したら全て上手くいくでしょうか? そんなことはありません。同時にそれに合わせたデータ活用、BI構築をしなければなりません。現実は、それが出来なくて沼にハマっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
クラウド型データベースをそのまま Tableauで利用する。「それは危険すぎる!」「莫大な費用がかかる!」そんな定説も変わりつつあるのではないか?と思っています。また、技術的、費用的に解決出来たとしても「BIを利用するビジネスユーザーがついて来れない!」
ならBIユーザーが成長すればいいじゃないですか? それにはデータモデリングを理解する必要あるし、それぞれのBIの特徴を活かした使い方に転換する必要もある。
Tableauを学び始めたユーザーは必ずと言ってよいほど "サンプルスーパーストア" からスタートします。Tableauの機能を学習するためのサンプルデータです。このデータは、分析に必要な全てのデータ項目が一つに統合されたフラットなデータ形式、いわゆる大福帳型のデータソースです。「ディメンションやメジャーを行や列に配置するだけで簡単に分析出来ます!」そりゃそうです。しかし、そこで学んだユーザーが実践の場に出ると「使えるデータがない」というおかしな事態に直面します。なら、自分の会社のスーパーストアをデータマートとして作ればいいじゃん、、、と。データが少なければそれでも構いません。データ量(行数)が億単位だったら?数十億単位だったら?...もうお手上げです。現実的にはそのほうが多いです。「目的 (タスク) は何ですか?」 タスク別のデータマート作成が始まり、データマートのカオスに。「私どれ使えばいいんですか?」「これとこれは何が違うんですか?」「データカタログ作らなきゃ!」 楽になるはずの分析が違うところで苦労し始める。
分析に最初から決まったタスクはありません。分析によって紐解けたことを分析対象を変えて繰り返し実験する必要があります。アナリティクスサイクルが一巡し、あるいは一巡する前に次の分析が必要なことも多々あります。次の分析をしようと思ったらデータがない...そんなことを私は1万回くらい経験してきました。それじゃあ分析は進まないですよ。
ここでお話ししていく内容は、全ての Tableauユーザーが理解する必要はありません。ある程度 Tableauに習熟した方向けです。そういう方は、BIの枠から飛び出しましょう!(どんな人? Tableauのオフィシャルトレーニング中級以上) サンプルスーパーストアから卒業しましょう! それには Tableau のリレーションシップ機能を正しく理解しましょう! 少しづづですが、新しい旅を初めていきたいと思います。
仕事の合間に書いていきますのでマイペースでやらせて下さい。ただ宣言しないと、いつまでもやらないので、先ずは宣言でした。
「リレーションシップのここが解らない」「なんか上手くいかない」そんな方がいらっしゃったらコメント、質問をして頂いて構いません。私も全てのことが解ってるわけではありません。一緒に Tableauのリレーションシップを勉強していきましょう。