足し算は抽象的、引き算は具体的
皆さん、こんにちは。
皆さんには、普段はあまり気にならないけど、時々「あれって結局何なんだろう」と頭をよぎる謎というか悩みみたいなものありますか。
例えば、「虹の端っこって、どうなっているんだろう」みたいなアレです。
ちなみに虹の端っこはこんな感じらしいです。
ネットで適当に拾った画像なので、真否のほどはわかりません笑
僕がときどき頭をよぎるものはズバリ(何がズバリか分かりませんが)『四則演算』です。そうです、足し算とか引き算とかのアレです。
一応、大人なのでもちろん計算はできます、電卓使えば一瞬でできます。
で、何を悩んでいるかというと、多分皆さんも一度は「ムムム」と思ったはずのポイントです。よくあるアレです。
どうでもいいですが、今日は指示語が多いですね。歳をとると言葉が出なくなるものです。
仕方ないですね、昨日一つ年をとってしまったので。そうです、昨日誕生日だったんです、パチパチパチ
はい、本題に戻します。
よく例題で出される、こんな問題。
リンゴ6個を3人で分けると一人いくつもらえるでしょうか
式で表すと、6÷3で答えは2です。これは僕でも解けます。
でも、ここで少し意地悪すると、こうなります。
リンゴ6個を3.5人で分けると一人いくつもらえるでしょうか
はい、でました。0.5人という意味不明な状況。
この人は果たして上半身なのか、右半身なのか、いったいどんな状況なんだと(冗談のようですが、結構重要なポイントなんです、本当に)。
割り算を例にしましたが、足し算でも引き算でも同じ現象は起こります。
皆さん、悩みませんでしたか?
他にも足し算と掛け算の違いはどこにあるとかとか。
そもそも足し算って何なのとか。
僕は大人になってもイマイチ理解しきれずに、ときどき考え込んできました。考え抜いた末に少しづつ自分なりの答えが見えてきたので、皆さんにシェアしたいと思います。
題して『四則演算』の本質に迫る、です。
といっても算数や数学の知識は全く不要なので、算数アレルギーの方も読んでいただければ幸いです。
でも、その先に謝罪です!
四則演算と煽っていますが、、、今回触れるのは足し算引き算のみです。
掛け算割り算は難しくてまだ僕の整理が追い付いていません。
無意識に使いこなしている足し算引き算ですが、意外奥深いので是非お楽しみください。
先にポイントを示しておくと、それは①何と何を足し合わせるのか、そして、②それは独立して存在するのか、です。
例題を使いながら考えていきます。
例題①
リンゴが3個あり、新たに2個もらいました。
合計で何個あるでしょうか。
これは問題ありませんね。
単純に足し算をすれば良くて、答えは3+2で5個ですね。
例題②
リンゴが3個あり、新たに半個もらいました。
合計で何個あるでしょうか。
これも問題ないでしょう。
答えは3+0.5で3.5個です。
では足し合わせる対象が異なるとどうなるか。
例題③
ここにリンゴ3個とミカン2個あります。
合計で何個あるでしょうか。
額面通り答えるなら3+2で5個ですよね。
で、ここで思うわけです。異なる対象を一緒に比べるなよ!と。
僕的にはいくつかと聞かれたら、リンゴ3個とミカン2個です。
この問題が「①何と何を足し合わせるのか」です。
足し合わせる対象が異なると問題が生じることが分かります。
でも、普段使う足し算はだいたいこのパターンですよね。
どうしたらapple to appleな感じに違和感なく足せるようになるか。
少し文面を変えてみます。
例題④
ここにリンゴ3個とミカン2個あります。
くだものは合計で何個あるでしょうか。
いかがでしょうか。
これなら文句なしで3+2で5個といえるのではないでしょうか。
この考え方がとても大事で、視座を上げて、一つ上のレイヤーから見るんですね。そうするとリンゴもミカンもくだものというカテゴリーにおいては同列に扱えるようになります。
多分、皆さん無意識にこの作業をしているので、違和感なく計算できるんですね。人間ってすごい!
もう一つ例題を。
例題⑤
ここに象3頭とネコ2匹います。
動物は合計で何匹いるでしょうか。
これもOKそうですね。
例④との違いは単位です。象が「頭」に対して、ネコは「匹」です。
「匹」の方が広い概念なので、「匹」でまとめて数えられそうです。
(動物を何の単位で数えますかとも言い換えられますね)
でも、これはどうでしょうか。
例題⑥
ここにネジ3個とリンゴ半個があります。
合計で何個あるでしょうか。
んー、とても微妙ですね。
単位は同じですが、足し合わせる対象のカテゴリーが違いすぎて扱いづらいように思えます。足したところで何の意味があるんだって感じです。
広義の意味での「モノ」という括りならできなくもないかもしれません。
でも、実はそれ以上に問題なのは「リンゴ半個」という存在なんです。
何がいけないのか。
例題②の対象を変えて考えてみましょう。
例題⑦
人が3人いて、新たに半人(0.5人)きました。
合計で何人いるでしょうか。
はい、でました。上半身問題ですね(やっと話が繋がった!!)
このように「半個」や「半人」という小数点が入ると話は一気に複雑になるですが、これが冒頭に申し上げた「②それは独立して存在するのか」です。
小数点は1/2と表記できるように掛け算割り算の領域の話になりますので、今回は深堀はしません。
とはいえ、ここでぶったぎると意味不明なので、もう少しだけ説明すると、その対象物が「半個」や「半人」で存在しうるのかという、存在定義の話をです。簡単に言うと「リンゴは半分でもリンゴですが、人は半分だと人とは言えない(半分の人は存在しない)よね」ってことです。
掛け算割り算ってややこしいですよね!
さて、ここまでをまとめます。
(小数点が入るとややこしいので、整数だけに絞ります)
ルール① 対象物が同じであれば、もちろん計算できる
ルール② 対象物が異なっても同じカテゴリーで括れるなら計算できる
ここから何が言えるかです。
僕が思うに、足し算の本質は「レイヤーを上げる(抽象化する)ことで異なる対象をまとめあげること」、反対に引き算の本質は「レイヤーを下げる(具体化する)ことで同列に扱っている対象を分解すること」です。
イメージで書くとこんな感じ。
よく「色んなものを詰め込みすぎて(足しすぎて)訴求ポイントが分からない」とか「素材本来の味を引き出すには『引き算』なんだよ」みたいな表現を言ったり聞いたりしませんか。
これって、まさに上の概念なのかなと思います。
足しすぎると抽象化されすぎて具体的なイメージがしづらい、引くことで余計なものがそぎ落とされて具体的なイメージができる、という。
もちろん、足し算引き算どっちが良いとかではなくて、どう使いこなすかという話です(どっちかしかなかったら不便ですよね笑)。
もう少しだけ補足させてください。
そもそも足し算や引き算は「モノを数える」という行為です。
これはモノをグルーピング化(抽象化)することで成しえた行為なんです。
例題①では当たり前のように足しましたが、『リンゴ』という抽象化なくしては数えることができません。なぜならば、全て具体で考えてしまうと、「あのリンゴと、このリンゴと、あそこのリンゴ・・・」という風に全部異なる別のものになってしまうからです。
例題①
リンゴが3個あり、新たに2個もらいました。
合計で何個あるでしょうか。
きっと祖先が食べ物などを探しているうちに、少しずつグルーピング化の精度を上げながら、それを数え上げていくことで足し算引き算という概念が生まれたのだと思います。
個人的な見解なので、これが正解というものではありません。
一つの見解として「そうかもな」くらいに思っていただけたら嬉しいです。
最後に余談ですが、具体や抽象の話はとても面白いので、もう少し知りたいという方は「具体と抽象」「メモの魔力」という本がおススメです!
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『メモの魔力 The Magic of Memos』(著)前田 裕二
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今日はこんなところでおしまいです!
楽しんでいただけましたでしょうか?是非ご意見お聞かせください!
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