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第二の人生はアートで生きよう!

会社員という生物

前職では仕事柄、OBの方と会ってインタビューをする機会も多かったのですが、定年退職した方の生き方として大きく分けて二つあるなと思いました。
ひとつは、何か新しいことや仕事見つけて活き活きとしている方。もうひとつは「やることなくて暇なんだよ」と嘆いている方です。

本当のところは分かりませんが後者の方には目の輝きが弱いように感じます。不思議なことに仕事をバリバリやっていた方ほどその傾向があります。会社員の肩書きが取れたときに自分は何を生きがいにすればいいのか分からなくなっているようです。

何事も準備が大切

私の場合は回りから「蓮見さんは退職後もやることがあるからいいですよね」って良く言われました。私からすれば「えっ、皆さん、何もないの?」って言いたくなりますが、返事としては「貧乏アーティストになるだけです」と照れ隠しも含めながら答えています。

長い間、会社員をやっていると、この状況が永遠に続く、あるいはずっと会社から必要とされると思い込んでしまうようです。ところが実際は会社なんて自分がいなくても倒産することはないし、自分の代わりは自然と出てくるものなのです。そういうシステムが会社なのです。

やがて会社からお役目御免とばかりに強制退場させられるのですが、そこからいきなり何をやろうかと思ってもなかなか上手く行きません。定年退職後にいきなりゼロから始めて一流になるのも気力と体力がついて行かないかもしれません。

50になったら

50歳を過ぎたら次の人生を考え始めましょう。その気があれば60歳からでも問題ありません。一度きりの人生、新しいことへ挑戦することは素晴らしいことです。特にアーティストというものは、自分の好きなようにいくつでも作品を創作することができるのです。

その切り替えを失敗しないためにも10年から15年くらい前から準備をするのです。「1万時間の法則」という言葉を聞いたことがあると思いますが、ゼロから一流になるのには誰でも1万時間の学びや経験が必要ということです。一日3時間くらいやりたいことについて考え、学ぶということを10年間くらい続ければ1万時間になります。

60歳からでは遅くない?

若い作家が多い中で60歳からでは遅くないですが?と良く聞かれます。世界では70歳、80歳で活躍するアーティストはたくさんいますし、日本の歴史に名の残る画家も代表作は70歳台という場合が多くあります。脳みそだけはいつまでも柔らかくしておくことができれば、アーティストになるのはいくつになっても遅過ぎることはないのです。
世界で活躍している写真作家の杉本博司氏も「逆に歳を取って作品にふくみがある方がいい」と言っています。

一方、若手作家募集とか、ひどいときは30歳以下とか、年齢でエントリーを制限しているコンテストがあったりします。もう完全に年齢による差別です。「こんなコンテストはこっちからお断りだぜい!」と心の中で叫ぶのです(笑)

人生に大切な三つのこと

やることは好きなことから始めましょう。嫌いなこと、興味のないことは続きません。
それと人生の生きがいになるものは、
1.新しいものを創造すること
2.難易度の高いものに挑戦すること
3.人の役に立つこと
です。特に1と2のいずれかが大切です。アートは両方に当てはまります。3まできたら、もうそれは仏様の域だと思います。

退職したら「ゴルフ三昧だね」とか「温泉旅行三昧だね」などの送別の言葉をよく聞きますが、客側としてやっていることは直ぐに飽きるのです。但し、プロゴルファーやレッスンプロを目指す、温泉評論家になる、というのであれば話は別になりなす。

様々な理由で新しいことに挑戦できない人もおられると思います。その場合無理する必要はないと思います。私も過去に単身赴任に加え、家族が国が指定する難病にかかり、何もできない時期もありました。中には親の介護で大変な方もおられるでしょう。でも最悪な状況は永遠に続くことはなくやがて好転しますので、その日まで焦らず生きて、そしてチャンスが訪れたら第二の人生の仕込みをなるべく早く始めましょう。

PS:

11月12日からクラスノヤルスクの美術館で私の作品の展示が始まります。そしてモスクワのレストランからも来年店舗で私の新作、旧作を展示したいとの連絡が入りました。ロシアでも現代アートの関係者は皆、戦争反対です。このような状況だからこそ私の作品を通して平和のメッセージをロシアへ送り続けて行こうと思います。いつかはウクライナでも写真展をやりたいと思っています。

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蓮見浩明の【60歳からのアーティスト】
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