コロナへの継続対応とリモートワークについて
こんにちは。SUPER STUDIOでCOOをしている花岡です。
本日は公開社内報です。タイムリーな話題ですので、他の企業にも参考になればということでディスカッションの内容を公開することにしました。
このディスカッションを通して、改めて会社の文化の大切さを学ぶことができましたので、興味のある方はお読み頂ければと思います。
コロナの影響でSUPER STUDIOは4月8日から原則リモートワークを導入してきましたが、緊急事態宣言も解除され、多くの企業は6月1日から通常営業に戻ります。
そこで、SUPER STUDIOも6月1日からの働き方を決めるために、各部署の主要メンバーで議論を重ねてきました。
結論からいうと以下の運用を行うことが決まりました。
・出社をベースに水曜日・木曜日をリモートワークデイとする。
(リモートワークデイはリモートでの業務が可能な方はリモートワークを推奨とし、社内会議は原則リモートで行う。)
・会社のコアタイムを11:00-18:00に設定し、コアタイム内で社内会議を行うことで、スライドワークを適用しやすい環境を整える。
(スライドワークとは、出社時間をコントロールできる社内制度)
・リモートワーク制度の導入
(リモートワークデイに限らず、リモートでの業務が可能な方はリモートワークできる制度)
この結論に至るまでの大きな論点として「コロナへの継続対応」と「リモートワーク導入」の2つがありました。
コロナへの継続対応(with コロナ)
・緊急事態宣言は解除されたが、メンバーの健康が大切であり、継続して感染リスクは可能な限り軽減すべきである。
・お客様を含めた多くの企業が通常営業に切り替わるため、対社外に向けては通常営業通りのサービス品質を維持できる体制が必要である。
これが会社としての大方針です。
まず、緊急事態宣言が解除されたとはいえ、リモートワークを即時完全にやめることは得策とは思えない。しかし、フルリモート状態を継続すると、通常営業通りのサービス品質の維持は一部難しい。
そのため一定リモートワークは継続し、一定出社はするがスライドワーク(出社時間をずらせる制度)で通勤ラッシュを避けるなどリスク軽減を行うのが良いという結論になりました。
また、コロナが収束するまでは以下のような状況に該当する方には、リモートワークを推奨しています。
・基礎疾患がある方(糖尿病、呼吸器疾患など)
・ご家族のサポートが必要な方(高齢者同居、同居人配慮など)
・妊婦の方(妊活中も含む)
ここについては、全員一致でシンプルに話がまとまりました。
リモートワーク導入について
今回、非常に難しかったのがコロナが完全収束した後の「リモートワーク導入」についてです。先日、最終方針を決める会議では各部署が意見を持ち寄り、議論を重ねました。
改めて「リモートワークの導入」については本当に正解がない議題だなと感じました。
まずはリモートワークのメリット・デメリットについて部署から意見を集め整理しました。
【リモートワークのメリット】
・声をかけられることが減り、集中できるため生産性が向上した
・なんとなく働きやすくなった。
・通勤や往訪などの移動ストレスがなくなった。
...
【リモートワークのデメリット】
・チームでの仕事がやりづらく、生産性が下がった。
・緊急対応系の連携が非常に取りづらい。
・気楽に会議が入れられてしまうため、会議が増えた。
...
これらはほんの一部ですが、リモートワークのメリットは個人的なものが多く、デメリットにはチームワークの乱れ系が多かったが、事はそんな単純なものでもなく。
リモートワークというとすぐに「生産性」の議論がでますが、弊社では職種やレイヤー、個々人によってもバラバラで、生産性が上がった人もいれば、下がった人もいました。
次に、働きやすさという観点についても全く同じで、働きやすくなった人もいれば、働きにくくなった人もいる。
メリット・デメリットの中には、そもそもそれってリモート関係なくない?ってものもでてきたり。
とにかく、本当に膨大な意見が出てきましたが、まとめるとメリット・デメリットはどちらもあり、それを良いと思うか、悪いと思うかも人それぞれ。どちらが良いという決め手となるような要素はなく、まさにカオスな感じです。
サイバーエージェントの藤田さんのブログを見て知りましたが、産経新聞の報道によると、生産性が下がった層が約6割と回答しているのに、リモートを継続したいという人が約6割いる矛盾。
これは経営者としては本当に悲しい現実。
SUPER STUDIOも例外じゃないんだろうなぁと若干憂鬱になりながら最終方針を決める会議が開催されました。
この議題についてはメリット・デメリットの捉え方も人それぞれのため、メリットを主張する側とデメリットを主張する側の激しい討論が繰り広げられることを覚悟していたのですが、実際は全然違いました。
普段は自分の意見を論理的にハッキリいうトップレイヤーのリーダーたちが、言葉を選び、譲り合いすぎて方針が全然決まりませんでした。
SUPER STUDIOではとても珍しい会議です。笑
結果「リモートワークを導入した方が良い」とはっきり主張する部署はありませんでした。理由は以下のような感じ。
・自分たちの生産性は下がったが、他の部署、特にエンジニアの生産性が上がっているのであれば、導入してもいいのかもしれない。
・自分たちは生産性が上がったかもしれないが、その分、他のチームが下がっているのであれば、会社としては良い選択ではない。
・そもそも部署単体で見ても、リモートを推奨してる人とそうではない人が半々ぐらいなので、本当にこれに関しては最善の選択がわからない。
・決め手となるようなメリットがないからこそ、従来の働き方を継続すべきなのかもしれない。
正直、変かもしれませんがちょっと感動しました。
ぶっちゃけちゃいますが、リモートワークって端的に従業員からすると、導入しておいた方が何かとメリットが大きいんじゃないかなと思うわけです。
仕事に集中したい、生産性を上げたいなど前向きな理由をあげているイケてるマインドの人は当然いますが、世の中の調査結果にある「生産性が落ちてることはわかっていてもリモートワークを希望する人が多い」という矛盾がデータに現れている通り、人間とは弱い生き物なのでつい楽したいという気持ちが先行してそういった発想をする人が多いのも事実だと思います。
ところが、SUPER STUDIOでリモートワークの導入について本気で検討を行なった結果、個人的に導入したいという想いはあれど、会社目線で考えれば考えるほど、導入する意味があまりないという結論になりました。
個人的にとても嬉しかったです。
とはいえ、本当にそれでいいのかということでカオスな議論を重ねた結果、正解がないからこそ、結局のところSUPER STUDIOが文化として何を大事にしたいかだよねという話に落ち着きました。
SUPER STUDIOが大事にしたいのは一貫して発信している通り「チームワーク」です。
共通ミッションを持ってチームで戦っていく上で、やはり対面以上のコミュニケーション手段はありません。
しかし、議論がカオスになった理由でもありますが、リモートワークのメリットが確実にあるのも事実。
この競争社会において時流的にも「リモートワークが全くできない会社」というのは、優秀な人材のライフステージの変化に柔軟に対応できない、また採用力でも確実にハンデを背負うことになります。ですので、リモートワークのメリットをしっかり取り入れていきたいと考えました。
あくまでもチームワークを大切にする。
それが崩れるぐらいならリモートワークは捨てる。
そんな文化です。
ただ、リモートワークがあろうがなかろうが、本質的にチームワークを最大限発揮するために必要なことは「互いに対するリスペクト」であることは変わりません。
会社で顔を合わせリスペクトのあるコミュニケーションを取ることでチームワークを最大化し、ワクワクしながらクリエイティブな仕事を共にしていくことがベースの文化でありつつも、リモートワークの良いところを取り入れていく。
リモートワークは自由だが、結果、ほとんどのメンバーが出社している。なぜなら、オフィスは洗練されたクリエイティブな環境であり、そこでメンバーと一緒に仕事する方が楽しいから。
でも、集中したい時、たまに息抜きしたい時にはリモートワークもいいよね。
そんなイケてるカッコいい会社をメンバーと共につくりたいなぁという風に考えています。
そんな感じで新しい運用にて6月1日から走り出すわけですが、フルリモートでは回っていましたが、出社とリモートが混じることで新たな問題も出ることが想定できます。
そのため、とりあえず1ヶ月の運用をしてみて、即改善PDCAを実施していく予定です。
引き続き、3密には気をつけて、手洗いうがい、アルコール消毒等、個人としてできる対策はしっかり行いつつ、チームとしてメンバー一同頑張っていければと思います。