[社内報]スタートアップは選択と集中のあるSPEEDが勝敗を分ける
あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。
SUPER STUDIO COOの花岡です。年始一発目は社内報になります。
SUPER STUDIOも8期に突入しまして、昨年末には恒例のkickoffイベントを開催しました。
8期のkickoffはノベルティの配布や表彰イベントなどもあり過去最大の盛り上がりをみせていたと思います。実は表彰のワンシーンでもらい泣きしましたが、執行役員たちも泣いてないフリをしながらも全員一度は目に手を持っていってたのを僕は見逃してません。笑
SUPER STUDIOでは期のはじめに、ビジョン、ミッション、バリューとは別にこの1年で重要になるキーワードをみんなに伝えています。
今日は8期のキーワードである「SPEED」について社内報を書ければと思います。
8期は「SPEED(理想を現実にしていくスピード)」
6期は「部を超えたチームワーク」、7期は「DX」でした。
組織のフェーズや状態に応じて、重要となるキーワードは毎年変わります。
7期は本当に信じられないほどたくさんのことがありましたが、その中でも一番大きな出来事としては、やはり大型資金調達だったと思います。
今までほとんど自己資本で運営し、成長してきた僕たちにとってこれは1つの転換期だったと思います。
経営陣もメンバーも共通で変わったことを一言でいうと「自分たちのできる範囲で頑張ろう」から「高い目標を達成するためにどうすればいいかを考える」という逆算の思考にシフトしなければならなかった1年だったと思います。
自分たちが使えるリソースの範囲でやれるだけやるというのは、ある意味、目標設定についても「まぁ、ここまではやれるだろう」っていう達成難易度を自身でコントロールできるものに無意識になっていると思います。
ただ、資金調達後は現状維持では到底達成できない目標を掲げ「これを達成するためにどうすればいいだろうか」という逆算の思考を常に強いられる戦いだったと思います。
しかし、その思考はビジネスパーソンとして非常に価値のある思考で、こういう環境でコミットするからこそ、革新的なアイデアや問題課題解決能力が磨き上げられ、個としても圧倒的な成長を遂げることができたと思います。
僕自身、7期後半からボトムアップによるイノベーションがおきはじめていることを強く感じており、本当に「頼りになるなー」と感じる部署がすごく増えてきました。
7期はそういった転換期におけるウォーミングアップでしたが、8期はさらに高い成長幅を実現していくために「SPEED」というワードを選定しました。
COOのSPEEDに対する想い
僕は子供の頃から無意識にこの「SPEED」を重要視しています。
子供の頃から、親にもよく「我慢のできない子」と言われていました。
僕は新しいゲームソフトが発売されると、発売日の前々日からゲーム屋さんに買いに行ってしまう人です。(当時は稀に店舗側が入荷してたら売ってくれてたんですよねー。)
何か欲しい物が思い浮くと、今すぐ欲しくなり、自転車で半径20km以内の店舗を訪ねまくる子供でした。ECの会社を経営していてなんですが、大人になった今でも本当に欲しい物は当日店舗に買いに行きます。笑
「思い立ったら今すぐ行動」という癖は子供の頃は「我慢ができない」とネガティブに言われていましたが、その行動力があるから今の自分があると確信しています。
社会を人生の本戦と捉えていた僕は、身が引きしまる想いで社会人をスタートしたわけですが、最初に不思議に思ったことは
・なんでこの先輩は僕より能力も高くてできるはずなのに、今すぐやらないんだろう
・気合をいれて取り組めばほとんどの仕事は1日あれば終わるのに、なんで大人たちはスケジュールを組みたがるのだろう
・なんで酒飲んで熱く語ってるのに、翌日になったら行動しないのだろう
というものでした。
社会人になって最初に叱られたこともSPEEDが原因でして、他部署の人に仕事を依頼するときに「明日までにお願いします」と依頼したら、その部署の部長から「お前、舐めとるんか」と言われたのを今でも覚えています。笑
もちろん、チームで働いているわけですし、他の人はたくさんの仕事を抱えている状態なわけで自分の都合だけでスケジュールを押し付けるのは違うよなと反省したのを覚えています。
ただ、僕が不思議だったのは
仕事ってどうしようもない緊急事態が発生した場合は、思考停止レベルで他の全てを止めてでも対処するのに、どうして緊急性はないけど最重要な仕事をあとまわしにするんだろう。
そう思っていました。
気を抜くと取締役、執行役員や事業部長クラスでもやってしまっていると思います。
SUPER STUDIOのメンバーには「選択と集中のあるSPEED」ということで改めて確認してもらいたい。
緊急性はないんだけど何よりも大事な仕事があったときに、スケジュールがあわないから来週にMTGを設置したりしていませんか?
ダメです。今日明日でセットしてください。
一度やるって決めたから、やることが目的になっていませんか?
一度決めたからやらなければならないなんて常識は捨ててください。
目標に対してインパクトがあるから重要でありスピードを上げる必要があります。状況が変わり、その施策によるインパクトが薄いとわかったなら捨てる選択をスピーディーに取って、次の一手を打ちましょう。
僕が社会に出て、自分が勝てると思ったことは
「僕より優秀な人はたくさんいるけど、常識的な発想に流されて選択と集中のある行動が取れる人は少ない。」
でした。
これからの時代、個人も企業も常識を疑い、本質的なことに選択と集中をしていくことが成功には必要不可欠です。
もちろん、成功には様々な形がありますが、それがどのようなものだったとしても、今までも、これからも成功するために最重要なことの1つが僕は「SPEED」だと確信しています。
自身のSPEEDがアップデートされた瞬間
前述の通り、子供の頃から「SPEED」を無意識に重視してきたわけですが、SPEEDの基準が社会に出てからも僕はアップデートされ続けています。
社会とは残酷なもので、自分では早いと思っていても、井の中の蛙状態がたくさんあります。
悲しいことに人間は環境の生き物なので、無意識に環境の中で相対的に自分がどうかを評価してしまいます。それは実はあまり意味がないです。
世の中、上には上がいます。
自分より上の人間を見つけたらチャンスです。
僕も過去振り返るとSPEEDのアップデートタイミングが3つあったなと思います。
①NTTデータ時代の上司
僕はありがたいことに新卒で入った会社の上司がとてつもなく優秀でした。今でも、本当に感謝していますし、今の仕事基礎もその方から教わったことがほとんどです。
社会人2年目の頃、お客様にある大きなプロジェクトの報告書を書くのに僕は3日程度かかっていました。
それでも品質はイマイチで、報告会議の前日の夜に上司から「俺がやっとくよ」と言われてしまい落ち込んでいました。
報告会議当日に上司が書いた報告書はとてもわかりやすくて、品質もパーフェクトだったと思います。こんな品質の資料を1時間でかける人がいるんだということに気付かされ、次の日に上司にどうやったらこういう資料を1時間で書けるのかを質問攻めしたのを覚えています。
要は自分が3日かけても80点しか出せない仕事を、たった1時間で100点を取る人がいる。
こういうSPEEDを目の当たりにしたとき、笑いが止まりません。
噂ではなくそういう事実を確認できて、そして、それをできる人は今自分の目の前にいる。できる人と自分の差を徹底的に洗い出し、埋めれば必ず同じことができるようになるからです。
こういう経験を通して、自身のSPEEDの基準が上がったのを鮮明に覚えています。
②起業当時の師匠
僕はSUPER STUDIOを立ち上げる前に自分一人で会社をやっていました。その時に知り合った方ですが、0→1を生み出すことはこの方から学びました。
彼からSPEEDのアップデートされた瞬間は鮮明に覚えています。
動画を活用したビジネスだったのですが、撮影した動画をアップロードするわけですが、僕は品質面が大事だと社会で学んでいたので、しっかり編集をして動画をアップロードすることがビジネスにとって最適解だと思いこんでいました。
しかし、その彼は「ビジネスはスピードなので、未編集で今すぐ動画をアップロードしましょう」と言いました。
僕の選択肢にはありえない行動を取る彼ですが、結果的にその動画は多大な収益を生み出しました。誰よりも早く動画を上げたことで、トレンドになり、編集によって作り込まれた動画よりも大きな再生数を叩き出しました。
これが0→1を生み出せる彼と、0→1を生み出せなかった自分との差だと確信したのを覚えており、このときも笑いが止まりませんでした。
0→1を生み出すためのSPEEDを得るためには、自身が今まで学んできた価値観を一度壊す必要がありました。このとき、SPEEDを上げることは、ただひたすら生産性を上げ続けることではなく、常識を疑い、結果を出すために必要のないことを捨てることであると学びました。
それがわかってしまえば後は簡単でした。
生産性は高いけどやることが100ある人と、生産性は高くないけどやることが10しかない人では、SPEEDに差がでるということです。選択と集中の重要性はこういったところにあります。
③現CTOの村上
SUPER STUDIO立ち上げ前の話ですが、僕は自分でいろいろなアプリケーションを開発して販売したり、活用して事業を行ったりしていたので、当時から開発スピードには自信がありました。
しかし、現CTOの村上と一緒にシステム開発を行った際に、スピードの基準が劇的にアップデートされたのを覚えています。
僕が3日で実装する機能を、彼は半日で実装してきました。それも正確に。
「これを半日でやる人がいる」のを見た時、また笑えました。
村上さんのコードを見て毎日、質問攻めしてたのを思い出します。笑
直近でも、世界中にクラスタを組み、システムの特定の機能に対して高負荷をかける試験環境を2日で作ったのを見て「やっぱ、村上さんだなぁ」と思いましたし、流石SUPER STUDIOのCTOだと思いました。
上記のようにテキストで書き起こすと、エピソードっぽくみえますが、同じような話が、みんなの目の前にも日常的に起きているはずです。
何を伝えたいかと言うと、SUPER STUDIOは年功序列じゃなく、全員同じ土俵にいるわけなので、SPEEDについても年上の人が早くて、年下の人が遅いなんて道理はありません。
大事なのは
「自分が3日かかると思っている仕事を、事実1日でやってしまう人がいる」
という事実を見たときに
「だったら、自分も1日でやることは物理的に可能なはず」
と気付き
「自分とこの人の差は何なのかを徹底的に分析し、追いつくための努力する」
ということができているかです。
この行動が取れている人は、どんどん基準が上がり、結果的にSPEEDもアップデートしていくことができます。
一人ひとりがそういう意識で行動していけると、SUPER STUDIO全体のSPEEDは格段に上がっていくと思います。
SPEEDが0or1を分ける
もう1つSPEEDが大事な理由が、理屈ではなくSPEEDが勝敗をわけることがビジネスでは多々あります。
例えば1〜10の手順を行うことで成功するビジネスがあったときに、手順は同じなのに実行する期間を3年でやるのと1年でやるのでは、結果が全くことなります。
例えば、僕たちの運営している法人向けECプラットフォーム「ecforce」が成長できているのは、ありがたいことに世の中に受け入れられているからだと思います。
では、これを20年前に同じことをやっていたらどうでしょうか?おそらくオウンドECをSaaSで使うなんて常識がなくて世の中に受け入れられていない可能性が高いと思います。
では、これを10年後にやっていたらどうでしょう?おそらく、僕たちと似たような企業が現れていて、マーケットシェアのほとんどを持っていかれているので、今のような結果はありえないと思います。
ビジネスの中心にはいつも人がいる。つまりビジネスは生き物であり「このタイミングだ!」というときにスピードをもって一気に仕掛けた企業が勝者になります。
早すぎても、遅すぎてもダメです。どのタイミングがベストかなんてのはどこまでいっても机上の空論でピンポイントでいけるかどうかは正直、運要素も強いと思います。
だからこそ、状況をみてスピード感のある動きができる企業がどの時代も常に勝者になります。
大きな企業が繁栄し続けるためには「変化」が大事ですが、スタートアップ・ベンチャー企業が勝ち上がるためには変化は当然のこととして、どこまでSPEEDを上げれるかが勝負になると確信しています。
さいごに
「SPEED」に対する想いや考えを伝えてきましたが、最大のSPEEDを出すためのコツは「仕事を楽しむこと」です。
7期は、本当にとてつもない変化をしつつ、全速力で走り抜けた誇るべき1年だったと思います。
8期も挑戦の1年だと思いますが、是非、楽しんで全員で乗り越えていけたら嬉しいなと思います。
年始からギアを1段あげてスタートダッシュをきっていきましょう!
今年もどうぞ、よろしくお願いします!