ないものねだり

アマゾンで読みたい本を探している。

今年から社会人になった私は、慣れない仕事で悩むことが多くなった。
検索欄に、「メンタル」「生き方」「人生」「仕事」なんて入れてみる。

「あっ、この本いいかも」
そう思ってカートに入れようとすると、「予約受付中」と表示されていた。

「なんだー、まだ発売の本じゃないのかぁ」
せっかく良さそうな本を見つけたのに、と少し落胆した。


別の本を探そうとしたが、さっきの予約受付中の本が気になった。

画面をスクロールし、発売日を確認する。
「1ヵ月後か」
スマホのカレンダーに「本の発売日」と入力した。

それからその本の発売日が楽しみになった。
「あぁ~、後1週間で発売かぁ」なんて考えると、職場の上司に嫌味を言われても、
スルー出来るような気がした。


発売日になり、仕事終わりに駅の本屋さんに寄った。
「あった、あった」
お目当ての本を手に取った。

そのままレジに持っていこうとしたが、中身が気になり、パラパラとページをめくってみた。

「あれっ」
思っていたのと違う。

多分内容を読んでないだけだろうと思い、目次から気になるページを呼んだが、やっぱり違う。

「あれ、なんでだ、あんなに興味深い内容だったのに。」

悩んだ末に私は、その本を山積みの一番上に戻した。

私は思った。
「手に入らないもの」は、猛烈に欲しくなる。
しかし、いざそれが手に入る状況になると、その欲は消えてしまうのである。

デパートに置いてあるキラキラ光る高級腕時計のようなものかれしれない。


他人の方がよく見えるシーンは多くあると思う。
年収が高い、幸せそうな家庭を持っている。

そんな時私は「それはないものねだりだ」と思うようにしている。
手に入らないと思うから欲しくなるんだと。


他人が羨ましく思えることは多々あるけど、自分の今置かれている環境に感謝できたらいいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?