令和5年度「行政書士試験」合格体験記
令和5年度の行政書士試験の合格発表が、R6年1/31にあり、
ようやく合格することが出来たので、
自分への記録及び、これから行政書士試験を受けられる方へ
少しでも参考になればと思い、
この合格体験記を記してみようと思います。
私のバックボーン
高校から振り返ると
私は、育ちは千葉県になります。
もう30年位昔の話になりますが(今47歳)、
高校は県立の高校に進学しました。
当時で県立、私立含めて県内10位以内くらいの
偏差値の高校だったと思います。
大学は一浪して入学しました。
当時、映画やドキュメンタリーに興味があったこともあり、
日本大学芸術学部に進学しました。
当時で倍率が10倍位あったのを覚えています。
行政書士試験も例年10%強の倍率なので、
大学入試で10%の倍率を突破した経験が
挑戦するにあたり、
少しは勇気づけられていた部分もあったかと思います。
そして、大学卒業後から現在に至るまで、
20数年以上、全くと言っていい程、
いわゆる机上の勉強はしてきませんでした。
読書もほとんどしていなかったですね。
だから、今回試験勉強を開始したのは、
約20数年ぶりということになります。
令和5年度試験結果
R5年度の試験結果はこちら。
内訳
基礎法学:1/2(4点)
憲法:2/5(8点)
行政法:15/19(60点)
民法:5/9(20点)
商法、会社法:0/5(0点)
一般知識:10/14(40点)
多肢選択:6/12(12点)
記述:38点
総合:182点
180点が合格基準点なので、
みてわかる通り、ギリギリの合格でした。
あと一問どこかで落としていたら不合格でした。
R5年度は合格率13.98%と例年に比べ高かったので、
運に助けられた部分もあるかと思います。
勉強時間
私は、合格するまでにかかった年数は、
2年5ヶ月になります。
勉強時間は、
総計:3400時間。
1年目:2150時間。
2年目:1250時間。
ネット上では通常合格者の平均勉強時間は、
800〜1000時間と言われており、
勉強を開始したての頃は、
その時間以上の勉強をすれば受かるだろうと
安易に考えていました。
1年目は途中で会社員を辞めて勉強に集中したこともあり、
結果、2150時間を費やしました。
そこまで勉強したので受かる気満々で挑みましたが、
結果は、見事に玉砕しました。(R4年度の点数は138点)
この試験は、ただやみくもに勉強時間をいくら費やしても
合格できません。
必要なのは、
「勉強時間×正しい勉強法」
だと思います。
正しい勉強法とは、自分に合った勉強法とも言えます。
合格までの道のり(勉強開始〜5ヶ月目迄)
私が勉強を開始したのが、2021年の6月、
45歳になる直前です。
何せ20数年ぶりの勉強になるので、
勉強の仕方も一切覚えていませんでした。
勉強の習慣も皆無です。
なので、当初は独学で勉強は考えていませんでした。
かと言って、予備校に通う程の時間と費用もなかったので、
通信の中で一番費用が安く、評判も良かった
「フォーサイト」の通信講座を受講しました。
法律について全く知識のなかった私にとって
カラーでわかりやすくまとまったテキストと動画講義
のあるフォーサイトが最初の導入としては良かったと思います。
最初の勉強時間は朝いつもより早く起きて、毎日1時間することから開始しました。
内容は、動画講義を観ながら、テキスト読むことから始めました。
朝は元々強かったので、朝早く起きるのは苦ではありませんでした。
勉強開始時点は、とにかく法律の知識が頭に入ってこなったですね。
言い回しは独特で、専門用語のオンパレード。
まるで穴の空いたバケツに水を入れてるような感じで、その日勉強したことが、翌日には綺麗さっぱり忘れているような、そんな感じでした。
だから、朝勉強したことを会社通勤時に音声で再度聴くように繰り返し学習していました。何回も繰り返し学習することで、少しづつほんの少しづつですが、覚えていく。
その繰り返しをすることでバケツの穴を少しづつ小さくしていくような感じです。
そうして、5ヶ月が経過した頃、その年の本試験(R3年度)がありました。
本試験の経験を積む為に受けました。
この時点で勉強時間は300時間を超えた位です。
もちろん受かるわけはなく、記述抜きで96点でした。
しかし、本試験の緊張感を味わうことが出来たのは良い経験になったと思います。
合格までの道のり(5ヶ月目〜1年5ヶ月目迄)
この頃の勉強の方法としては、
先ずフォーサイトのテキストを動画講義に合わせて読み進め、
一区切りついたところで、こちらもフォーサイトの過去問集を
するという形でした。
当初はひとつの問題を解くのに凄く時間がかかっていました。
わからないことだらけなので、随時テキストに戻って確認するということをしていました。
だから、なかなか先に進まずやきもきした気持ちでした。
そして、一つの転機が訪れます。
それは、勉強を開始してから10ヶ月位を経過した時(2022年3月頃)に、
ふと思ったんです。
このテキストに書いてあることの要点をまとめて
全部覚えれば受かるのではなかろうか、と。
社会人の仕事を覚える時でも、
最初教えられた業務内容をノートにまとめていたので、
それを参考にしようと思いました。
そこで、それまでの過去問中心の勉強方法をガラッと変えました。
学習テキストもフォーサイトから
辰巳法律研究所の「パーフェクト過去問徹底講座」
に変更しました。
こちらの予備校の教えとしては、
過去問は何回も周すものじゃない。
要点をまとめてそれを直前期に覚える。
という教えだったので、当時の私の考えと合致しました。
そこからは、ひたすら動画講義とテキストから学び、
その要点をノートにまとめるという学習をひたすら行いました。
ノートはエクセルで全部作成しました。
全科目をノートにまとめる学習を2022年の9月頃まで行っていました。
気付いた時には、既に直前期に突入していました。
直前期の学習として、
もちろん予備校が作った答練問題集も解いてはいましたが、
圧倒的にそのまとめたノートを読んで覚える、
いわゆるインプット学習の比率が高ったです。
そして、2150時間を費やして挑んだR4年度の本試験でしたが、
見事に玉砕しました。
記述抜きで124点。
総得点:138点。
全く歯が立たない結果となりました。
合格までの道のり(1年6ヶ月〜R5年度本試験迄)
会社を辞めて背水の陣で、
2000時間以上を費やしてまで挑んだR4年度本試験だったので、
玉砕した時の、ショックは相当なものでした。
まさにお先真っ暗な精神状態でしたが、
不思議なことに、1週間後には来年の試験に向けて
勉強を開始できました。
このままでは終われない気持ちが強かったのだと思います。
先ずは、何が悪かったのかの反省と対策の練り直しからでした。
決定的な敗因は、
問題を解く量が圧倒的に少なかったことにありました。
勉強方法として、
①テキスト、まとめノート(インプット)中心にするか。
②問題(アウトプット)中心にするか。
に分かれるかと思いますが、
私的には、インプット中心の学習は合いませんでした。
直前期にひたすら自分でまとめたノートを
覚えようと何回も繰り返し読みましたが、
全く内容を覚えることも理解することも出来ていなかった
と痛感しました。
まさに、やった気だけになっていたと思います。
そこで、2年目は、
問題を解くことを中心にし、わからないところは
まとめノート、条文で確認するという
方法に切り替えました。
その方法が、私には合っていたと思います。
2年目の勉強方法
問題演習
1年目の反省を活かし2年目は、
圧倒的な量の問題を解く必要があると思いました。
そこで、申し込んだのは、
「合格道場」になります。
独自の問題演習(練習問題、一問一答、記述、多肢選択)が大量にあり、
過去問も過去10年以上のがあります。
しかも、解説もかなり詳しく書かれてありました。
ネット上で問題が解くことができるので、
タブレットや携帯で問題を解くことも出来ます。
外出時でも問題を解くことができるのは、
有り難かったです。
また、
その問題を何回解いたとか、正解率も随時更新されるので、
問題を解くごとに正解率が上がっていくのも
モチベーションUPに繋がりました。
なので、
2年目は最後まで合格道場でとにかく問題を解きまくっていました。
模試の活用
次に行ったこととして、
2週間毎に模試を解くでした。
定期的に模試を解くことで実戦力を養うことと、
今の自分の実力を測ることも出来ました。
TOTALとして、1年で19回の模試を受けました。
模試内訳としては、
・予備校LECの模試パック(7回分)
・昨年の各予備校の模試をメルカリで購入(8回分)
・市販模試(2回分)
・合格道場の模試(2回分)
特に、LECのファイナル模試の記述が本試験の記述にほぼそのまま出題されたので、大変に有り難かったです。
模試の時にその問題を間違えていたので、内容を鮮明に覚えていました。
この模試を受けなければ、合格はありませんでした。
また、模試を受けるにあたって
解く順番、時間配分を確認するのも大事だと思います。
特に試験本番は当たり前ですが、
時間を物凄く意識するので、
普段の模試から早く解く習慣を身につけておいた方が
良いと思いました。
本番が3時間の試験なので、模試は2時間半で解くつもりでも
良いかもしれません。
記述対策
記述対策において、
長文の事例から、どの論点が問われているかを把握することが
必要なので、具体から抽象化、抽象から具体化
をすることがが大事になります。
その為に、事例演習が効果的だと思い、
事例演習の問題を解いていきました。
上記二冊は、解説もわかりやすく、
特に、民法は演習問題が200問以上あり、
各論点を理解するのに大変役立ちました。
民法対策
また、私は民法に苦手意識があったので、
こちらもやりました。
二冊構成でかなりのボリュームですが、
項目毎に問題があり、ただ読むだけでなく
問題を解きながら理解できたので良かったです。
解説も丁寧でわかりやすいです。
ただ、ボリュームが凄く、時間がかかるので、
民法に苦手意識がなければ必要ではないかもしれません。
判例対策
憲法、行政法の判例を学習するのには、
こちらを利用しました。
一つの判例を深く掘り下げるのに役立ちました。
憲法は特に、近年の試験問題は単に結果を問うだけでなく、
制度趣旨まで理解しているかを問う問題が増えているので
役立ちました。
一般知識対策
一般知識としては、
こちらを利用しました。
1年目は「ニュース検定」を使用しましたが、
2年目には「日本と世界の時事」を利用しました。
こちらの方が、私的には詳しく載っていてわかりやすかったです。
また、総務省のホームページやニュースなどを日々チェックすることで
時事、用語対策もしました。
商法、会社法
商法、会社法の本試験の結果はご覧の通り0/5(0点)でした。
ただ、決して捨てた訳ではありません。
合格道場の練習問題、過去問は一通りこなしました。
ただ、優先順位はやはり低かったので、他の科目に比べると
勉強量は少なかったとは思います。
模試では大抵2問前後は取れていたのですが、
本試験では見事に跳ね返されました。
基礎法学
基礎法学は例年2問しか出題されず、
試験範囲も広いため勉強しずらい科目だと思います。
ただ、私にとって本試験では、1/2(4点)でしたが、
この一問が運命を分けた一問だとも思っています。
試験直前期に、例年の出題傾向を調べていたのですが、
その時、あることに気が付きました。
基礎法学の一問目の正解肢が圧倒的に①が多いことです。
気になった方がいたら自分で調べてみるとわかりますが、
ある時期に6年連続で①が正解肢でした。
そのことが頭の片隅にあり、本試験の時、
①と②で迷った時、思い切って①を選び、
正解することができました。
たまたま要素が強いので、当てにするかは自己判断でお願いしますが、
頭の片隅に置いておいても良いかも知れません。
過去問集
過去問題集は、「合格道場」に全て網羅してあるのですが、
直前期は実際に書いて解くということをしたかったので、
過去問集を買って、本番同様に問題用紙に書きながら解きました。
また、択一対策として、正誤を聞かれるのですが、
よく「妥当でないものを選びなさい」なのに
正しいものを選ぶという間違いをすることがあったので、
マーカーでその箇所を強調することをしたところ効果的でした。
六法の活用
法律の勉強に条文学習はやはり必須だと思います。
問題のベースは、条文か判例に基づいているからです。
私は市販の六法も購入しましたが、
ほぼ使いませんでした。
利用したのは、
e-Govのサイトから全ての条文をエクセル化し
利用しました。
重要箇所を赤文字にしたり、隣に注意項目を書き足したりしていました。
直前期は赤文字部分を赤シートで隠し、穴埋め問題として活用しました。
まとめノート
1年目で自分でまとめたノートは
2年目もそのまま活用しました。
問題を解いてわからなかった箇所の見直し、
重要項目の追加、
何度も間違える問題の転記
などして、このノート全てであらゆる範囲、重要項目、重要問題が
まかなえるようになりました。
最終的には、A4サイズで500ページくらいのボリュームになりました。
このまとめノートこそが私の勉強生活の集大成と言っても
過言ではありません。
解く順番
私の解く順に関しては、下記になります。
①文章理解
②一般知識
③記述
④多肢選択
⑤民法
⑥行政法
⑦基礎法学
⑧憲法
⑨商法、会社法
解く順に関しては、過去の本試験での経験、模試等で試しながら、
一番自分に合っている順番にしました。
文章理解は元々得意で、最近は比較的やさしい問題が多いので
一番最初に解いて落ち着きを取り戻すようにしました、
次に、他の一般知識を解きます。
昨年の試験の時は一般知識を一番最後に解いたのですが、
時間がギリギリになってしまった為、焦りから
普段なら解ける問題を落とした経緯があったので、
前半に解くようにしました。
次に、脳の疲労がたまらないうちに
疲労度が高い問題から解くようにしました。
記述は後半に解くと焦る可能性があるので、
前半に解いた方が良いと思います。
今もう一度受けるとするならば、
③記述と④多肢選択の順番を逆にすると思います。
多肢選択(憲法、行政法、行政法)
→記述(行政法、民法、民法)
→⑤民法択一
と科目の流れが良いからです。
スケジュール管理
私は、月間、週毎、日毎、各教材毎に
スケジュール管理をエクセルで行っていました。
その日何をしたか、月間何時間、TOTAL何時間勉強したかが
一目でわかるようにし、
あと、どの教材を何回勉強したかもわかるようにしました。
管理することでそれまでの勉強時間の積算がわかり、
モチベーションのUPにも繋がったと思います。
そのほか、1年目に使用した教材も沢山あるのですが、
ここでは、割愛したいと思います。
こちらが2年5ヶ月で使用した教材全てです。
最後に
以上が、
私が2年5ヶ月かけて合格した時に行った
勉強法になります。
私が合格した年の点数が182点でしたので、
あと一問どこかで落としていたら不合格でした。
たかが一問、されど一問。
その一問の重大さが今になって身に沁みています。
普段の勉強から一問一問を真摯に向き合って行かなければ
いけない試験だということです。
2年5ヶ月かけてギリギリで合格した身なので、
あまり偉そうなことは言えませんが、
上記内容が、
これから行政書士試験の合格を目指される方に
少しでも参考になれば幸いです。
最後までご精読ありがとうございました。
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