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『学びとは何か』6/8回

「学ぶ」を「学ぼう」!
そう思い立った私にとってどストライクなタイトルの本書を8回に分けてアウトプットしています。
今回は6回目(第6章)!一緒に学びましょう!

前回は↓です。

前回までのざっくりおさらい

スキルを得て熟達するには実際に行動することが大切です。
そして、「熟達する」ことは「脳をつくっていく」ことでもあったのです。

さて本書では、単なる記憶や知識ではなく、「生きた知識」という言葉がよく出てきました。
この言葉について掘り下げていきましょう。


❻「生きた知識」を生む知識観

①知識は生き物

「生きた知識」については、第1回のとき、対となる「死んだ知識」と合わせて紹介しました。

生きた知識 体で覚えた知識、使える知識
死んだ知識 頭で知っているだけの知識、使えない知識

生きた/死んだと表現している通り、「知識は生き物」のようなものなのです。

使えない断片的な要素を追加して膨張させているだけでは死んだ知識のままです。
生きた知識」とは、常にダイナミックに変動するシステムです。要素が加わることで絶え間なく編み直され、変化していくものなのです。

「生きた知識」は主観的

世界は客観的に存在しています。
でも私たちは、その世界を自分の持っている知識や経験のフィルターを通してみています。

ということは、フィルターを通して習得した知識自体も、実は客観的な事実ではなく、主観的なのです。

事実=客観的
知識=主観的

これって、日常生活でも注意した方がいいですね。
「(客観的な)事実を話しているのか」
「(主観的な)知識を話しているのか」。
自分は「事実」を話しているつもりでも、実は「思い込みによる知識」を話してしまっていた…それによってトラブルになった、なんてことはないでしょうか?

③「生きた知識」が新たな知識を生む

「生きた知識」は、ただ「使える」だけではなく、「新たな知識を創造」するために使うこともできます。

本書の内容からは外れてしまうのですが、それってナレッジマネジメントの「SECIモデル(セキモデル)」じゃない?と思いました。

SECIモデルとは本来、組織における知識創造モデルなのですが、個人バージョンとしてすんごく雑に説明すると、

・(S)知識を得る →
・(E)自分の言葉で表す →
・(C)他の知識と組み合わせて新しい知識をつくる →
・(I)新しくできた知識を血肉化する → また①へ

ということを繰り返して、知識をスパイラル状にレベルアップするモデルなのです。「新たな知識を創造」とは、まさしくこの(C)のことなのですが、「学び」を広い視野でみるとSECIモデルそのものなのではないでしょうか。

noteの中でSECIモデルを紹介されている方がいました。noteすごい!

④効率のよい学び

「思い込み」をシステムに組み込んでしまうことを避けながら、効率よく学ぶことは大事かもしれません。
しかし、失敗や間違いから学ぶことも多いですよね。子どものころも、言葉を覚えるときに間違いを繰り返しながらも、あとから「修正」して知識のシステムを組み上げてきました。

つまり、
・失敗を恐れず素早く知識のシステムを立ち上げる。
・間違ってもあとから修正すればいい。

と考えることが大事なのです。

⑤「概念変化」

本書の前提である認知科学の用語です。
学びとはダイナミックに変化するものというのは①で学びました。

小さな「思い込み」や間違いを修正しながらシステムをつくっていくイメージはなんとなく持てるようになりましたか?

しかし、ときにはコペルニクス的転換(転回)、つまり「土台からひっくり返してつくる直す」ことも必要になります。
この概念のコペルニクス的転換のことを、認知科学で「概念変化」と呼びます。

⑥「直観」と「批判的思考」は両輪

直観」とは、繰り返し経験することで生まれ、瞬間的なひらめきを得ます。
批判的思考」とは、常識や思い込みがあるのでは?と疑ったり、熟慮による振り返りをすることです。

生きた知識のシステム」を構築し、さらに新しい知識を創造していくためには、この「直観」と「批判的思考」を両輪として働かせる必要があります。両方大事なのです。


▼次回は

これまで誰もができる熟達についてみてきました。
次は熟達のさらに先、「超一流」についてみていきましょう。

つづく


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高橋ひろあき | 学びのアウトプット士
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