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--------あの夏はもう2度と来ない。 Never come the summer again. <海野教授の華麗なる冒険シリーズ>

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--------”時航海装置”

登場人物

海野洋彦   
パンパシフィック大学ハワイ校 環太平洋環境工学教室教授

物理学者であり、考古学、音楽、スポーツそして海を愛する。
週末はハワイ諸島の小さな島に住みクルーザーで大学に通勤している。
10年前にハリケーンよる海難事故で妻と長男を亡くしそれ以来、島で
研究に没頭その内容はさだかではない。

また彼は、”太平洋に散らばる小さな島々に生きる人々は、古代に栄えた環太平洋文明の末裔である”と考え、太平洋の島々と海中の遺跡の調査研究とポリネシア、ミクロネシア、メラネシア、アジア、そして日本の優秀な若者たちを教室にあつめ、”その血のなかにながれる文化の誇りを忘れるな”と呼びかける。


あらすじ

10年前にハリケーンよる海難事故で妻と長男を亡くしそれ以来、海野教授が島で没頭している研究。

それは”時航海装置”。ただ実用化には程遠い段階のものであった。

ある夜、研究室でうたた寝をしている海野、幽霊のような若い男が現われる。
懐かしそうに海野の寝顔を見つめつぶやく、”父さん、、”

朝、目を覚ますと海野のデスクの上に見なれない形の腕時計。
なんとそれは10年前、ハイスクールだったひとり息子と考えていたデザインの”時航海装置”そのものだった。


それを使って海野は時を遡る、あの夏の日へ。
突発的に発生した局地的ハリケーン、妻と息子の乗ったクルーザーを追う海野、そして彼は妻と息子を救出する。過去を変えてしまった海野、これでいい、もとの時間に戻れば妻と息子はきっと戻ってきているだろう。
二人の安全を確認して、もとの時間に戻ってゆく海野。

しかし、何も変わっていなかった。

ただ、ときどき何処からか送られてくる手紙には、海野と妻と大きくなった息子が幸せそうに写っている写真がよく入っている。

そしてこの”時航海装置”、向こうの時間で息子と開発したんだろう、これを直せばきっとまた会える、自分自身に対面するのもわるくないかもしれない。

ひとりだが、海野は満足していた、どこかで愛するものが生きている。
きっと、



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