【楽天広告】楽天DSPの広告資料解説

こんにちは、Yokoyamaです。

EC系企業に勤めていたこともあり、質問をもらうことの多い
楽天グループが持つ広告メニューの1つ"RMP-Display Ads"
の広告資料を解説してみようと思います。


※ご留意いただきたい点
・2022年10-12月期時点の資料解説であること
・楽天社内の情報ではないこと(officialではなく私自身の過去経験が元)



広告資料を解説


RMP-Display Adsとは?

楽天のビッグデータを活用し「認知」から「購買/ファン化」まで、
 消費者行動のすべての段階を表す「フルファネル」で広告配信を行うことができる ディスプレイ広告の運用型広告配信プラットフォームです。
RMP-DisplayAdsとは

楽天が持つ広告メニューの1つで、楽天が持っている運用型のディスプレイ広告になります。

楽天の持つ膨大かつ実行動データを活用することができ、様々な広告フォーマットを活用することができるメニューでフルファネルでの活用が可能。


※2018年5月以降名称をRMP(Rakuten Marketing Platform)に変更しているのですがなかなか浸透しておらず、
もともとの楽天DSPという名前が2022年現在でも多い印象です、、、
*参照:https://adsales.rakuten.co.jp/news/detail/2018_05_rakuten_marketing_platform.html



■Point
・楽天オーディエンスデータを活用することができる「運用型」の広告メニュー
・(資料内記載は無いですが)楽天の広告チームが運用を行うため、自社運用ができるセルフサービスではない
 ※詳細:RMP - Display Ads同意事項


広告プロダクト概要

プロダクト概要

様々な楽天の持つ実行動データ(閲覧購買、会員データ情報、など)を、各種広告フォーマットを使って広告配信ができるプラットフォーム。

Web面への配信だけでなく、SNSや動画枠へも楽天データを使ったターゲティングができるのが特徴的。


■Point
・Facebook/InstagramやLINE、SmartNewsなどの大手他社プラットフォームに、楽天データを使ったターゲティングができる
 ※2022年6月にYahoo!広告も追加
 ※[一覧]RMP-DisplayAdsでの広告配信プラットフォーム
・静止画だけでなく動画,ダイナミックなど、様々な広告フォーマットを活用できる


配信メニュー

バナー広告

GoogleやYahoo!、Criteoなどを活用し、Web面やアプリ面への広告配信が可能となります。

ネイティブ広告

SmartNewsやWeb記事面などの、ネイティブ枠への配信が可能となります。

動画広告

大手動画配信プラットフォーム枠(画像的にYouTube?)やTVerなどのOTT枠*、Webサイトの動画広告枠への広告配信が可能となります。

*OTTとは?
OTT (Over The Top) はインターネット回線を通じてコンテンツを配信するストリーミングサービスを指します。
従来は、消費者がケーブルテレビを契約すると、チャンネルの提供はプロバイダー側が決定していました。OTTではユーザーがNetflixやSpotifyなどのサービスに登録し、インターネット経由でそのコンテンツにアクセスできます。
OTT (オーバー・ザ・トップ) とは - 用語集 - Adjust
SNS広告

Facebook/InstagramやLINE、Twitterへの広告配信が可能となります。
SNS系プラットフォーマーの特徴でもある「いいね!広告」や「フォロワー獲得広告」も可能で、レポーティング指標としても確認が可能となります。


ターゲティング種別

ターゲティングセグメントについて


楽天がもつ実行動データ(閲覧・購買・サービス利用)など、ファクトに基づくターゲティングが可能となります。
※GoogleやFacebookなどが持つターゲティングも併用して活用可能です

利用するセグメントによって最低出向金額が異なりますが、基本的にはカスタムセグメントになるのがほとんどなので、
最低出向金額は100万円/月になると思ってよいでしょう。

※「細かいターゲティングができること」が楽天を介して広告配信するメリットとすると、そのセグメントはカスタムセグメントにほとんど該当するので


AIris拡張

AIris(アイリス)は、AIを使って見込み顧客を見つける機能になります。※AIris詳細:https://adsales.rakuten.co.jp/products/detail/#rakutenairis

既存顧客などのSeedとなる楽天IDを活用し、そこか購買する見込みのある顧客IDを抽出(≒類似拡張セグメント)することができるため、
新規顧客獲得に向けた広告配信で活用できるセグメントになります。

■Point
・実行動データという楽天独自のデータを活用できる
・IDをベースとした施策展開が可能
・最低出稿金額がある



付帯ソリューション ★超重要

①Instore Tracking(インストアトラッキング)

Instore Trackingについて

バナー広告や動画広告に接触したユーザーが、その後オフライン(リアルな店舗)で購買をしたかを可視化することができる分析メニューになります。

これまでデジタル広告がオフラインのリアルの場にどのくらい寄与したか、が見れないことが広告業界の課題でもあった中で、
楽天が持つ「ID」という特有な資産を活用することで可視化できるようになりました。


分析イメージ

広告配信でターゲティングするセグメントをランダムに分割し、
・広告接触者のうち、どのくらい購買したか
・広告費接触者のうち、どのくらい購買したか
を比較することで、広告効果を可視化します。
※広告接触者CVRと非接触者CVRを比較

※"購買"に関しては「楽天ポイントカード加盟」&「データ提供許諾企業」と記載があるので、
ターゲット(楽天ID保持者)の中で商品を購買し、楽天ポイントを提示した(IDデータが取れる)人が計測できると推測できますね



レポートサンプルイメージ

提出レポートとしては、
・非接触CVRを1.0とした場合の、接触CVRの値(実CVRではない)
・そのセグメント別
・新規率(接触/非接触、そのセグメント別)
が見れるレポートとなってます。


Instore Tracking活用イメージとして以下などが考えられ、
どれも重要な意思決定で活用できる分析内容となってます。

1.セグメント選定
「新規顧客をリアル店舗へ促したい」といった与件の際に、どのセグメントに対して配信するのが最も効果的なのかを分析

2.動画選定
テレビCMなど、動画を使った認知施策を行う際に効果的な動画クリエイティブを分析
※本資料にはないものの、Instore Tracking資料にクリエイティブ単位での分析ができると記載あり



■Point

②Ichiba Optimization(イチバ オプティマイゼーション)

Ichiba Optimizationについて
Ichiba Optimizationの仕様

RMP-DisplayAdsで配信した広告が、どのくらい特定店舗/商品にインパクトを与えたかを見れるソリューションになります。

レポーティングで結果を見るのはもちろん、CVデータを活用した広告最適化もできると記載があるため、
CV(≒楽天市場内での購買)を起点とした広告PDCAを回すことが可能となります。

ただ注意事項が多いのが難点で、
・配信媒体の指定
・CV開示規制
・通常と異なるレポーティングフォーマット
など、

Googleなどの楽天以外の広告プラットフォームを活用していることによる規制が厳しくかかっているように見えます。

そのため利用の際は、
「本当にしたいことがこの配信で出来るのか」
は事前確認をしたほうが良いかと思います。

※競合でもあるAmazonの広告メニュー(スポンサー広告, AmazonDSP)では、購買が条件無しで見れるのでここは大きな差になりますね、、

③Ichiba Dynamic - Facebook(イチバダイナミック)

Ichiba Dynamic - Facebookについて
Ichiba Dynamic - Facebookの仕様

Facebook/Instagram広告でダイナミック広告フォーマットを活用し、楽天市場内への誘導を促す広告配信が可能となります。

広告の表示のされ方としては「Rakuten24」と記載がある通り、楽天のおすすめ商品としてユーザーには視認されるため、
RT配信として活用するとより購買傾向も高くなることが期待できるメニューとなります。



■Point

意見


・データFee(運用Fee)がかかるので、広告配信単価では高くなる傾向
・自社運用ができない分、最低出向金額がネックになりやすい

・独自の分析レポートを活用することで重要な意思決定に繋がる可能性

まとめ

今回、自身が経験の多いメニューの1つ
"RMP-Display Ads"
の解説を、
公式の広告媒体資料を活用して行ってみました。

中でもRMP-DisplayAds(旧楽天DSP)は、
楽天グループが持つ膨大かつ特異なデータを
運用型広告として唯一活用できる
広告プラットフォームになります。

楽天の広告メニューはデータの制約があったり
活用が難しい部分が多いと思うんですが、
正しい活用をすればよい広告パフォーマンスを
出すことが可能なメニューになります。

また「付帯ソリューション」の分析メニューに関しては
特に活用を推奨したい部分になります!

まだ広告費に潤沢な予算を充てられない
企業様に関しては活用しづらい部分が多いと思いますが、
今後の広告アップデートには期待をしたいと思います。


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