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2泊3日タイ・バンコク旅行記 2日目後編

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絹の家を経てワインに至る

タラートノイ地区でカフェを心ゆくまで満喫し、次に向かうはジム・トンプソンの家だ。

ジム・トンプソン(Jim Thompson)はタイ産のシルクを世界に広めたアメリカ人であり、彼の名を冠した服飾ブランドのことでもある。
彼がバンコクで暮らしていた家が調度品とともに公開され、観光名所となっている。アジア圏の美術品を集めるのが趣味だったそうで、仏像や陶器などが部屋の至る所に展示されていた。
こちらでは日本語のガイドツアーがあるので、安心して行くことができる。ツアーは毎日数回催行され、チケット購入時に一番近い時間帯のツアーに組み込まれるシステムだ。事前予約は必要なかった。

緑に囲まれた家屋 これは全体のごく一部

ガイドツアーの参加者は15名程度であった。ガイドさん曰く、今日はかなり多いとのこと。
ジム・トンプソン氏の略歴、建物の構造の話、美術品の来歴などを聞くことができた。ただぼんやり見て回るだけではなく、背景がわかるこその楽しみを味わえてよかった。

オリエンタルなリゾート空間が広がる

ツアーは30分ほどで終わり、その後は併設されているショップで買い物を楽しむ。妻へとポーチとハンカチを購入した。
メンズもネクタイなどの小物から、カジュアルシャツまで幅広くあって、時間があればもっと買い物をしていたかもしれない。

ここで、ちょうど仕事を終えた妻から連絡が入る。ホテルに戻るのも面倒なので、ごはんを食べる場所で落ち合うことにした。

合流まで時間があったので、少し歩いてサイアムパラゴンという巨大なショッピングモールを訪れた。追加のおみやげとして、タイ産のワインが買いたいと思っていたのだ。
旅行前にガイドブックで知るまで、タイでワイン、という認識は全くなかった。
Khao Yaiという地域にタイ初のワイナリーができたのが1998年のことで、近年注目されはじめていると書かれていた。
初日にホテル近くのスーパーで探したのだが、タイ産のワインは1つだけで、なんのアピールもされることなく、棚の隅にひっそり置かれていた。
サイアムパラゴン内のスーパーなら品揃えも良いだろうと立ち寄ってみたのだ。

流石にリカーコーナーの規模は大きく、頭上まで至る高い棚にさまざまなワインが並んでいた。しかし、目につくのはフランスやイタリアなど有名な産地のものばかりでお目当ての品は見当たらない。
店内をぐるりと一周してみるが、広いがゆえにざっと見るだけでは探し出せそうにない。
再び入り口に戻ってきたのを見かねて、店員さんが声をかけてくれた。
「いらっしゃいませ。何かお求めのものはありますか?」
「あの、タイ産のワインが買いたいのですが…」
「タイ産のワインは、こちらにございます」
案内された先には白ワイン3種類と赤ワイン1種類が置かれていた。
前日同様、タイワインとしてまとまっているわけでなく、他のマイナーな産地のワインに紛れ込んでいた。
タイ国内での販売経路やお土産としてのブランド力が、まだ不足しているのだろうかと思った。ワイナリーを訪れたらもっと選択肢があるのかもしれない。
1種類だけ置かれていた赤ワインは1万円オーバーだったので、白ワインから価格で選んで購入した。

購入したKhao Yai wine 4000円くらい


フードコートとルーフトップバー

片手にはジム・トンプソンのショッパー、もう片手にはワインボトルと、ちょっとしたブルジョア気取りで晩ごはんの場所へ向かう。
とはいえ、集合場所はターミナル21というショッピングモールである。そう、本日も安くて美味しいフードコートで晩をいただくことにした。

手頃な価格で美味しそうな店ばかり並ぶフードコートは、人がひっきりなしに訪れていた。空席を見つけるのも大変だったが、運良く席を確保することができた。
妻と合流したのち、お互いに食べたいものを注文した。
各店舗、メニューには番号が振られており、数字さえ伝えれば注文できるシステムになっている。昨夜のアイコンサイアムのフードコートも同様で、意思疎通がしやすくてありがたい。
私は定番のタイ料理であるパッタイ、一方タイに慣れている妻はイェンタフォーという麺にしていた。

手前がパッタイ 奥がイェンタフォー
卵を開くとたっぷりのエビと出会う

パッタイは薄焼き卵の中に麺、たっぷりのエビなどの具材が包まれているオムライス的スタイルだった。ライムを絞り、周辺のピーナッツや唐辛子と和えると、また美味しさが引き立つ。
イェンタフォーは奇抜な色味に反して、ほんのり酸味があるスープとつるりとした米麺がよく合い、さっぱりと食べやすかった。
まだお腹に余裕があったので、追加で食べることにした。

パリパリの麺とあんかけがベストマッチ

料理名もよくわからないまま、ビジュアルで選んだ麺である。後ほどラートナーという料理だと妻に教えてもらった。
幅広の揚げ麺にあんかけがかかっており、卵は割ってみれば見事な半熟であった。これまた絶品だった。

さらに続けてデザートとして、パンダンとジャックフルーツとタロイモを混ぜ込んだココナッツアイスを頼んだ。さまざまな食感と味が楽しめる一品だ。
パンダンは緑色の葉で、使用した料理やデザートは緑に染め上げられる。日本ではあまり見かけない食材だが、なぜか東南アジアに行くと食べたくなる不思議な魅力がある。
なんとも表現し難いエキゾチックな甘い香りなのだが、ひとたび口にすると、そうそうこれだった、と思い出される。

ココナッツアイスにトッピングをのせて

美味しいものを安く楽しんだ後は、バンコク最後の夜をバーで締めることにした。
バンコクでのナイトライフスポットとして、ルーフトップバーが定番の一つとなっているらしい。
検索すると絞り切れないほど多くのバーが出てくるのだが、あまり背伸びをしなくてよいだろう、と我々の間で話はまとまる。
一路、泊まっているホテルの屋上へと向かう。

青い通路を抜けて屋上へ

エレベーターに乗り最上階に到達する。屋上にあるのは青がコンセプトカラーのバーだ。
男女がワインボトルを挟んで語らっていたり、一人でグラスを傾けている女性がいたりと、ほどよく落ち着いた雰囲気である。

マンゴーとローズマリーのモヒートと、パッションフルーツのカクテルを注文する。南国感にあふれた味わいがたまらない。おつまみのトムヤム味のナッツも酒に合う。
心地よい夜風を感じながら、最後の夜をゆるゆると過ごす。一杯だけ楽しみ、部屋に戻った。

カクテルとともに夜を過ごす

今回泊まったホテルはこちら。
チェックイン時間の調整をしてくれたり、偶然すれ違ったボーイの方が荷物を運んでくれたりと、とても優しさを感じるホテルだった。
バンコクの中心からはやや外れるものの、落ち着いていておすすめ。

3日目へ続く

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