葛藤編 | 絶望と幸せの先に見つけたもの
こんにちは、自転車で世界一周をするひろです。今までやってきたことや大きく変わったターニングポイントなどをご紹介します。
今回は語学サービスを失った後のなんとかギリギリを生き抜いてきた道のりについてご紹介します。
放浪の最中
楽観的なホームレスな20代の決意
さぁホームレスになりました。語学学習サービスで得たお金もほぼなくなり、当時住んでいた家にはいられなくなり、結果家を出ていくしか手段はありませんでした。
ただ不思議と辛いって思いは全く湧いてこなかった。それはもうすでにホームレス以上に心身が感じる辛い経験を海外で経験していたからだ。そして何より現地で会った難民のことを思い出していた。
よく新宿の24時間マクドナルドで深夜を過ごしているときに窓越しに外の夜空を見ながらあの難民の人たちは元気に暮らしているかなってふと思っていた。そのときに彼らとコミュニケーションを通して聞いた彼らの『生き抜くために母国から逃げる』という想像を絶する生い立ちを思い返した。
再度何かやろうと強い決意を持って自分の『好き』を探す新しい旅を切り開いてみようと思い、一念発起しました。
出会いと別れを繰り返して
再出発を心に誓って始動し始めた僕。色々動き始めていると本当に多くの方や企業が助けてくれた。
「寝泊まりしながら仕事をしてもいいよ」と快く受け入れてくれたIT企業様や飲食企業様、時間のない時は自由に部屋を使ってもいいよと言ってくれた方々、、、
もちろんただ助けるのではなく、きちんと自分という存在に価値を感じて受け入れてくれたことにとても感謝しております。
そんな中特に自分という存在に価値を強く感じて受け入れてくださった不動産企業様に出会います。
幸せを享受する新生活と隙間風
シェアハウスと日常の変化
僕はシェアハウスに住みながらシェアハウスを盛り上げていく、つまり入居者を増やしていくという仕事に携わった。「辛い状況にあった自分を救ってくれたこの不動産企業様に恩返しをしたい。」そういう気持ちで本気で思い、アクションし続けていった。
途中方針に関して揉めて上手くいかなくなってしまったこともあった。ただしっかり謝ったら、理解してくれて全体的にサポートしてくれていた。本当にとても感謝しきれないくらいの恩をいただいた。
そして少し仕事に余裕が出てきたので不動産だけでなく、マーケティング分野にも仕事の幅広げていった。それを始めた理由はどんな形でもっと大きな貢献をこの会社に捧げることができるかなと考えたときにマーケティング分野の人がいなかったという点が大きかった。
さらに英語や中国語などの言語学習はずっと続けてきていた。その理由は唯一の強みと自覚していたからこの強みだけは衰えさせてはいけないという気持ちから続けていた。
仕事にも慣れてきて、新しい仕事の分野にも手数を広げてコツコツ力をつけていった。
幸せなプライベートの中での気づき
シェアでの充実した日常を送りながらプライベートでも恋人ができた。とても楽しい日常を過ごすことができて仕事とプライベートの両面において充足したライフスタイルを過ごせていた。
その日々に寄りかかるようにゆったりと柔らかい布団に包まれてゆったり寝るのが最高に幸せだった。ただある時、自分の日常に亀裂を差し込む大きな"問い"を投げかけてくる瞬間があった。
反転と新たな旅立ち
"問い"の正体
その日は英語や中国語の練習として海外の人とライブ配信を通してコミュニケーションしている中で起こった。ある一人の外国人が自分にこう質問した。
"山口県の魅力を教えてほしい"
言われてからGoogle検索で調べてみることに、、、そして回答してから他の人が僕に、
"東京・大阪・北海道・京都・奈良以外でオススメの観光スポットを教えてほしい"
僕は答えることができなかった。そして一つ気づいたことがあった。それは僕は日本のことを全然知らないということだ。
目の前のことを知らない事実
海外の人に日本の魅力的な地域や文化について話している中で日本のことを知らない事実を突きつけられた。灯台下暗しとはまさにこのことだ。
世界を回ったことで自分の興味を引き出す『ワクワク』の範囲が最大限広げたと思い込んでいた。だからこそ『好き』を探すために興味を深めることをしていこうと思っていた。ただその答えは見つからなかった。
それはそうだ。自分の生まれて育った国の根本的なことも知らずに飛び道具のように世界に飛び出してしまったのだから、それじゃ見つからない。もし仮に見つかったとしても地に足がついていない状態では土台が定まっていないのでその仮定もいずれぐらつくに違いない。
そしてこの時、過去に知らずに封じ込んでいた今の自分を作り出した原点、"新しい世界を知りたい"という欲望が再び溢れ出てきた。今まで気づけなかった自分の足元に広がってる世界を知りたい。根源的欲望が頭からつま先まで広がっていくのを感じた。
葛藤
ただこの時の自分のライフスタイルはとても充実していた。仕事がうまくいって、恋人がいて、美味しいものを食べて、、、一般的な多くの人が求める幸せの形を自分も描けていた。だからこそ悩んだ。
僕はこのままでもいいのだろうか?
この言葉が常に僕に付きまとい続ける。このままの生活をしていたら直感的ではあるが、ある一定の幸せを感じながら幸せに人生を過ごしていくことはできると確信している。
ただ同時に僕が探し求めていた『好き』には一生出会えることはないだろうと思う。だからこそ、この瞬間の自分の決断は人生において大きなターニングポイントになると思った。そして決めた。
そう、旅に出ようと。
ポジティブな喪失と再始動の旅へ
住まい、恋人、仕事、今持ってるものを全て失ったとしても日本を旅したい、というよりかは僕は旅をしなくてはいけないという思いが強かった。というのも日本を少しでも深く知るために一番いい方法は現地に行くことだ。世界を冒険した時もそうだがネットや本で見ている情報はリアルの体験には敵わない。
だからこそ日本を旅しようと決意した。そこで心の中に引っかかっていたのがお世話になってる不動産の仕事だ。その当時の自分があるのは紛れもなくその会社様のおかげだ。だからこそ急に辞めるということは自分にはできなかった。ただ本当にありがたいことにその時に対応している仕事はリモートでもできるように柔軟に対応して頂けた。
そして住まい、恋人、そして不動産以外のほとんどの仕事は前向きに失った。これは当たり前の喪失だ。今まで享受してきた幸せとは別のものを求めるのであるから今背負ってるものを全て背負い込んで次のフェーズに行くことは不可能だ。
そして新しい道へ進むためには背負ってるものでは対応できないことがある。だからこそあらゆるものを荷下ろして、僕は日本という生まれた地域、を深く知る旅を始める。
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