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ヒマワリ畑の楽しみ方
ここ町田のヒマワ畑が、きのう、収穫された。この畑を知って3年目になる。今年は発芽のころから雨の日以外は、毎日、散歩のときに楽しませてもらった。週末を中心に、畑に集まってきた人々も、彼らなりに楽しんでいた。
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とくに犬の散歩の人たちにとっては“インスタ映え”のする写真が狙える。スマホのカメラばかりでなく、本格的な一眼レフを持参してにぎわっていた。週末の犬たちは、この暑さにもかかわらず、お洋服を着せられたり、サングラスをされている。かわいそうに。
飼い主の撮影が終わって、飼い主が持参した踏み台などの高い場所からおろしてもらえるのかというと、そのままである。見物人からも反応があるから、しばらく“さらしもの”で耐えなくてはならない。もっとも、愛犬を目立たせたいからやってきたわけだ。犬にはいい迷惑でしかない。
高齢(とし)のせいだろうが、動けない子もいる。高い場所の箱の中から半身をのり出し、そのままじっとしている。撮影のためにサングラスまでかけられている。むりやりポーズをつけられるときは抵抗している。「イヤがっているのだから、よしなさいよ」といいたくなるが、たぶん、ケンカになるだろう。その程度は仕方がないかと“よけいなお世話”はひかえてしまう。
あきらかな「虐待」である。「ウチの犬をどうしようとオレの勝手だろう」との論理が、まだ、まかり通るような日本は後進国である。スマホにカメラさえつかなかったら、あるいはSNSがこれほど普及しなかったらと、ついついヒマワリ畑にひっぱり出されてきた犬のために同情してしまう。
去年はヒマワリ畑の中でフラダンスを踊っていたお年寄たちがいた。動画を撮影するためである。なかなか皆さん、それぞれに自己顕示欲を満喫なさっている。もっとも、フラダンスには、眉をひそめてしまうような不快さはない。来年は、犬の“虐待”だけは見たくないものだ。