SDカードの選び方をかんたん解説!容量・種類ごとのおすすめSDカード
カメラに必要なSDカード。
容量や速度、規格など、選ぶポイントがいくつもあってわかりにくいですね。
この記事では、できるだけシンプルに、SDカードの選び方を解説し、最後におすすめのSDカードを紹介します。
SDカードのタイプ
まずSDカードには大きく2つのタイプがあります。「SDカード」と「microSDカード」。
今回はSDカードがメインですが、どちらもほぼ同じです。
SDカード
主にデジタルカメラ、ビデオカメラ、ノートパソコン、オーディオ機器などで使われます。
microSDカード
スマートフォン、タブレット、ドローン、アクションカメラ、PCMレコーダーなどの小型デバイスに適しています。
SDカードの規格について
SDカードには4つの規格があります。
規格によって、データの読み書き速度や最大容量が決まっています。
SDカード規格
SD(古い)
SDHC(ちょっと古い)
SDXC(現在主流)
SDUC(次世代)
2024年現在の主流はSDXCです。
SDとSDHCは2010年以前に策定されたもので、SDUCはできたばかりで、まだほとんど対応機種がありません。
規格はSDカード本体に記載されたロゴマークで確認することができます。
SDカードの性能
SDカードの性能は主に「容量」と「速度」です。
SDカード本体には容量と速度に関する記載がいろいろ書いてあります。
以下順に見ていきましょう。
容量について
容量はどれだけデータを保存することができるかです。たいてい〇〇GBと一番大きくかいてあります。
例えば、2400万画素クラスのカメラで写真撮影(JPG)する場合、おおよそ1枚のデータサイズが8MB程度なので、64GBのSDカードでは、8000枚の撮影データを保存することができます。
また、SDカードの規格によって、定められている上限容量があります。
SDカード 2GBまで
SDHCカード 2GB〜32GBまで
SDXCカード 64GB~2TB
SDUCカード 2TB〜128TB
なので、64GBのメモリーカードがほしいとなると、選べるカードは「SDXC」と「SDUC」カードの2つになります。
ただ先にも書いた通り「SDUC」はまだほとんど流通していないので、実質「SDXC」1択となります。
速度について
SDカードの速度とは、そのSDカードがどれだけ高速にデータやりとりできるかです。
データのやり取りとは
1. データの書き込み速度(Write:ライト)
2. データの読み込み速度(Read:リード)
のことです。
こちらもカード本体に記載されています。
通常1秒間にどれぐらいのデータ量を読み書きできるかが書いてあります。
ただ、書いていないものや、Readだけ書いてある場合などメーカーやモデルによってまちまちです。
読み書きの速度が速いほど高性能なSDカードとなり、値段も比例して高くなります。
スピードクラスとは
SDカードは「スピードクラス」という速度定義があります。
スピードクラスは、そのSDカードの最低転送速度を示しています。
これも先述したSDカードの規格によって対応がかわります。
・ スピードクラス
これは、スピードクラスという名称のスピードクラスです。
SDカードができた当初からあり一番古いスピードクラスです。
Class2 最低転送速度 = 2MB/秒
Class4 最低転送速度 = 4MB/秒
Class6 最低転送速度 = 6MB/秒
Class10 最低転送速度 = 10MB/秒
現在流通しているSDカードは、ほぼClass10以上なので、ほぼ無視して問題ありあせん。
・ UHSスピードクラス
UHSスピードクラスは、上記の「スピードクラス」の次に登場したスピードクラスです。
カード本体には、アラビア数字でU1かU3と書いてあります。
U1 最低転送速度 = 10MB/秒
U3 最低転送速度 = 30MB/秒
このU1やU3という表記は、「UHS-1」や「UHS-3」と表記されていることがあります。
アラビア数字の「1」や「3」は「U1」「U3」のことで、後述するバスインターフェイスとは分けて考える必要があります。
・ ビデオスピードクラス
UHSスピードクラスより、さらに高速なデータ転送が可能になったスピードクラスがビデオスピードクラスです。
デジタルカメラやビデオカメラの高性能化に伴い、高画質・高精細な動画撮影が一般的になったことを背景に生まれました。
V6 最低転送速度 = 6MB/秒
V10 最低転送速度 = 10MB/秒
V30 最低転送速度 = 30MB/秒
V60 最低転送速度 = 60MB/秒
V90 最低転送速度 = 90MB/秒
例えば、ビットレート400Mbpsで動画を撮影する場合、データ量が50MB/秒となるため、V60(60MB)以上のビデオスピードクラスが必要になります。
・ SD Expressスピードクラス
SD Expressスピードクラスは、従来のSDカードの性能を大幅に引き上げるために開発された新しい規格です。
まだほとんど対応した機器はありませんが、これからどんどん増えることが予想されています。
E150 最低転送速度 = 150MB/秒
E300 最低転送速度 = 300MB/秒
E450 最低転送速度 = 450MB/秒
E600 最低転送速度 = 600MB/秒
8K RAW動画やRAW連写を扱う人や3DレンダリングやAI処理などを想定した大容量のデータ転送を実現しています。
裏面の端子は2列はもちろん、3列バージョンも登場予定です。
たくさんの種類のスピードクラスがありますね。
しかし、このうち「スピードクラス(無印)」と「SD Expressスピードクラス」はほぼ流通していないので、「UHSスピードクラス」と「ビデオスピードクラス」を押さえておけば問題ありません。
カード本体の記載が、「U1」か「U3」「V○○」かを見ると大体が識別可能です。
・U1やV10なら最低10MB/秒
・U3やV30なら最低30MB/秒
・V90なら最低90MB/秒
となります。
バスインターフェイスについて
バスインターフェイスはSDカードの端子のことです。裏面の形状をみればわかります。
端子の形状によってローマ数字表記で「UHS-I」や「UHS-II」と名称が付けられています。
「UHS-I」は1列、「UHS-II」は2列、後述するSD Expressスピードクラスは3列(一部2列)の端子となっています。
バスインターフェイスは、速度を表すのではなく、速度を出せる道幅と考えるとわかりやすくなります。
1列より3列の方が道幅が広く、大容量のデータを転送することができます。
SDカードを選ぶポイント
ここからは、SDカードを選ぶ際のポイントについて解説します。
使う機材の対応規格
SDカード規格と容量
メーカー選び
1.使う機材の対応規格
使いたい機材がどのSDカード規格に対応しているかを確認する必要があります。
たいていカメラ等メーカーの仕様欄に下記のように記載されています。
記録媒体:
SDHCメモリーカード(UHS-I 対応)、SDXCメモリーカード(UHS-I 対応)
記録メディア:
UHS-I対応
UHS-II対応
ビデオスピードクラスV90対応
ここには、SD規格のSDHCやSDXC以外に「UHS-I」や「UHS-II」と記載されていることもあります。
ローマ数字の「I」や「II」はバスインターフェースのことなので、UHSスピードクラスのU1やU3とは違うので紛らわしいのですね。
UHS-I対応と書かれていれば、UHS-IIには対応していません。
UHS-IIのSDカードを入れてもUHS-Iの速度しか出ないことになります。
対応SDカードと機材の性能は違う
また、対応SDカードとその機材が出せる転送速度は違います。
例えばカメラのスペック(仕様)に「UHS-II対応」と書かれていても、カメラの最大転送速度が100MB/秒だと、UHS-Iレベルなので、UHS-IIのカードを入れても無駄になります。
UHS-IIは最大312MB/秒の転送速度まで対応しているという印ですが、カメラ側で送ることができる最大データ量は100MB/秒だとすると、SDカードの能力をフルに発揮できないことになります。
この辺りはなかなか仕様を見ても書いていないことが多いので、どうしても気になる場合は、販売店やメーカーに直接確認しましょう。
2.SDカード規格と容量
先述した通り、使いたい機材の規格がわかれば、選ぶSDカードの規格がわかります。
といっても、2024年現在では、「SDHC」か「SDXC」の2択です。
また、64GB以上の容量が必要な場合は、SDXC一択になります。
・32GB以内でよいならSDHC
・64GB以上必要ならSDXC
選択できるスピードクラスは、SDHCもSDXCも同じです?
3.メーカー選び
Amazonを見渡すと多くのメーカーのSDカードがあります。
ブランド力や実績、製品ラインナップ、保証期間、価格、口コミ・評判などを総合的に判断することが重要です。
以下SDカードの主要なメーカーです。
SanDisk(サンディスク)
Lexar(レキサー)
ProGrade Digital(プログレード・デジタル)
KIOXIA(キオクシア)
SUNEAST(サンイースト)
Nextorage(ネクストレージ)
おすすめSDカード
ここからは、現在販売されているSDカードでスペック、信頼性、コストの観点からおすすめのSDカードをご紹介します。
容量64GB、V30クラス
SanDisk Ultra SDXC UHS-I 64GB
容量64GBで、写真がメインの使い方で、それほど速度が必要ない場合に最適です。同じスペックでもっと安いものはありますが、メーカーの信頼性や最大書き込み速度(90MB/秒)の観点から一番おすすめできます。
容量128GB、V60クラス
SanDisk Ultra SDXC UHS-II 128GB
こちらもSanDiskです。128GBのV60クラスでは読み書き速度が最高クラスです。カード本体に読み書き速度両方の記載があるのは親切ですね。
SUNEAST SDXC UHS-II 128GB シルバー
上記SanDisk Ultra SDXC UHS-II 128GBより少し読み込み速度が劣るものの、128GBクラスではコストパフォーマンスにすぐれたSDカードです。
まだメーカーとして知名度はないものの、高品質なプロダクトを持っているメーカーです。僕も何年か使い続けていますが、一度もトラブルが発生したことがありません。
SUNEAST SDXC UHS-II 128GB ゴールド
ひとつ上のSUNEASTのSUNEAST SDXC UHS-II 128GBの上位機種に、ゴールドバージョンがあり、価格は高くなりますが、書き込み速度が150MB/秒と高速を実現しています。
容量256GB、V90クラス
Nextorage UHS-II V90 256GB
最大読出し速度300MB/秒 最大書込み速度299MB/秒という速度を実現し、圧倒的なコストパフォーマンスです。
Nextorageはもともとソニーのストレージ事業から分社化してできためーかーです。ただ、市場での実績が比較的浅く、長期的な製品の信頼性データが少ないので、その辺りも考慮する必要がありますが、スペックは最高峰です。
ProGrade Digital SDXC UHS-II V90 COBALT 256GB
Nextorage UHS-II V90 256GBには劣るものの、読み書きスペックと価格のバランス、信頼性は十分のモデルです。
まとめ
この記事ではSDカードの概要と選び方、おすすめSDカードについて解説しました。
規格やスピードクラスは複雑で、今後も増えていくので、さらに難しくなりますが、基本は以下の通りです。
・容量
・使う機材の対応規格
・SDカードの規格
・読み書き速度(特に書き込み)
・価格とメーカー信頼度
これらを元に、失敗しないSDカード選びにお役立ていただければ幸いです。