こんにちは!生成AIプロンプトデザイナーのヒロです!
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ビジネスシーンにおいて、ChatGPTでできることはたくさんありますが、最も身近な例は長文の資料の要点をまとめる作業だと思います。
「【初心者】Chat GPTで出来ること4つと出来ないこと6つ(後編)」
でも解説しましたが、ChatGPTが得意とするタスクは下記の通りです。
【Chat GPTが得意とすること】
1:要約タスク
2:推論タスク
3:変換タスク
4:拡張タスク
このうち今回は、要約タスクの具体例として長文の資料をまとめる「サマリー作成プロンプト」について解説していこうと思います。
はじめに長い文章の要約をし、要点をまとめて理解しておくことで、長文に書かれている内容を理解してから文章を読み込むことができ、文章に書かれている内容を理解する手間を省くことができます。
ChatGPTがアシスタントとして機能するので、これにより、余計なエネルギーを使うことなくタスクを処理でき、空いた時間を他の作業に充てることができるようになります。
ChatGPTで「長い文章の要約」をするプロンプト
要約タスクはChatGPTが得意とするタスクですから、これはストレートに行ってしまってもそれなりの精度でまとめてもらうことがでます。
例えば下記のように「以下の文章の要点をまとめてください」でしっかりとしたプロンプトとして機能します。
以下の文章の要点をまとめてください
(ここに要約して欲しい文章をコピペ)
ただし、現在のChatGPTでは、あまりにも長文すぎると内容を理解してもらうことが難しくなってしまうケースも見受けられます。
日々チューニングなどが行われており、どの程度までの文字数であれば・・・という明確な数字はいうことができませんが、大体3,000文字くらいに収めるような形でプロンプトに組み込むといいと思います。
ではプロンプトに当てはめて実際にやってみましょう。
今回は経済学の分野で有名なマルクスの「資本論」について、Wikipediaに掲載されている内容をもとに要約していきます。
なお今回は「第1部 資本の生産過程」のみを要約してみました。
以下の文章の要点をまとめてください
(4462文字)
これに対してChatGPTは下記のように回答しています。
以下は、提示された文章の要点をまとめたものです。
非常に端的にまとめられていると思います。
ChatGPTで「長い文章の要約」の精度を上げるプロンプト
これだけでもいいのですが、もう少し精度を上げて長い文章のポイントを要約していきます。
ChatGPTに役割を与え指示することで、より回答の精度を上げたり、わかりやすく解説してくれるようになります。
あなたは世界で有数の経済学者です。
以下の文章を非専門家の人でもわかりやすい文章にして要点をまとめてください
(上記と同じ入力データ)
すると下記のように出力されました。
このようにChatGPTに役割を与えることで、回答の精度を上げることができます。
例えばこれに、「誰に伝える文章なのか」なども文章の目的などの内容を入力すると、それに倣ったまとめを生成してくれるようになります。
あなたは世界で有数の経済学者です。
以下の文章を非専門家の人でもわかりやすい文章にして要点をまとめてください
なお一旦深呼吸をし具体例を交え、経済学を知らない小学生にでもわかるように説明してください。
(上記と同じ入力データ)
すると下記のように出力されました。
指示が単純なため、このプロンプトでは明確にコンポーネント(項目、要素)を指定しているわけではありません。
それでもここまでの精度で回答を導き出すことができます。
「長い文章の要約」の精度を上げるプロンプトのポイント
今回のポイントは3つです。
1:役割を与えた
2:どのようなものを生成して欲しいのか指示を加えた
3:誰に向けたものなのかを指定した
まず今回はChatGPTに役割を与えました。
ChatGPTは役割を与える、つまりプロンプトでChatGPTが何者であるのかを伝えることで、ChatGPTが巨大な図書館の中で、そこの分野の情報に絞り込んで情報を抜き取ってこれるようになります。
そして「非専門家の人でもわかりやすい文章」と「小学生にでもわかりやすく」という部分もポイントです。
これによりChatGPTが「誰に向けたものなのか」を理解できるようになり、対象を絞り込んだ相手に向けて解説してくれるようになります。
さらに「深呼吸をして」というのもポイントで、「深呼吸をしてから」うんぬんかんぬんと伝えることで、焦りを無くし、より精度の高い回答を抽出することができるようになります。
遊びで資本論の内容を織り込んだ社内スピーチを作成する
ちょっと思いつきで遊んでみます。
ChatGPTに回答させた資本論の内容を盛り込んで、社内スピーチを作ってもらうことにします。
プロンプトは下記の通りです。
あなたはIT会社の社長です。
マルクスの資本論の内容を盛り込んで社内向けにスピーチをしようと思います。
全社員を鼓舞するような魅力的なスピーチを作成してください。
今回は「魅力的なスピーチ」といったように、形容詞を加え、より対象を絞り込み
んでみました。
このように、無理やりマルクスとこじつけてスピーチを作成することもできます(笑)
なおこのスピーチはマルクスの資本論について要約をしてもらってから作成しています。そのためChatGPTは一度自らが回答した資本論の要約をもとに作成してくれているということになります。
このように最終的な成果物はスピーチだとしても、はじめにその内容の元となるマルクスの資本論について考えてもらい、最終的なスピーチの作成に誘導するというやり方も回答の精度を上げる上で一つ大切な使い方になります。
まとめ
今回は要約のタスクについて簡単に解説しました。
このような簡単なプロンプトでも、上記のような回答を導き出すことができます。
ChatGPTを理解し使い倒すためには、日々の仕事や生活の中にそれとなく取り入れて使い込んで慣れていくことが大事です。
ではまた!
生成AIプロンプトデザイナー ヒロ