見出し画像

人生のピークはいつやってくるか分からない(2024/5/16 #54)

ドキュメンタリー番組が好きで、気になった番組は録画して、時間がある時に見るようにしています(積ん読ならぬ、積ん録が貯まっている・・・)。

今回は、先日見た『漁師と妻とピアノ』という番組を観て考えた「人生のピークはいつやって来るかわからない」というテーマで書いてみます。


52歳で感動したことをキッカケにピアノを演奏し始める

番組の主人公は、のり漁師の徳永さん。
52歳でピアノを始め、今となってはコンサートを開けるほどに。

ピアノを始める前は、休みの日ともなればパチンコ三昧の日々。
とある日パチンコで大負けして、妻のサイフからお金を盗もうとしたところ「とるな」と書かれた紙が出てきたのだとか。

そんなタイミングで、テレビ番組でフジコヘミング氏の演奏する「ラ・カンパネラ」を聴いて感動し「自分もこれを演奏してみたい」と思うように。
「ラ・カンパネラ」はピアノ奏者の方も敬遠したくなるほどの難曲なのだそうで、ピアノの先生をしている徳永さんの奥様も「絶対無理!」という反応。

徳永さんは楽譜は読めず、Youtubeで「たたく鍵盤が光る」動画を見ながら練習。1日8時間~10時間の猛練習を行い「指に覚えさせた」という。
そして10年後にはフジコヘミング氏のコンサートの前座を務めるまでになります(途中までの過程は、ご本人のサイトにも掲載されてる下記動画に出ています)。

フジコヘミング氏は今月92歳で亡くなりましたが、その際に徳永さんは「52歳からの人生はフジコさんのおかげ。フジコさんのおかげで、180度どころか360度人生が変わった」とコメントをしています。

(360度だと、戻ってきてるような・・・と思いつつ、きっと「高みに登った」ということだと思います。螺旋的発展の法則、的な)

「キャリアの終わり」を意識する年齢から人生を一変させた

この番組を観ての感想は、まさに「人生のピークはいつやってくるか分からないな」というものでした。

もちろんご本人にとっては52歳までの人生も「のり漁」や子育てなどで充実していたかもしれませんので、私が勝手にピークを決められないのですが、ご本人が「人生変わった」と言っているわけですから、52歳以降の人生がより充実したもののようにうかがえます。

さて、次のグラフはパーソル総研が実施した調査で「キャリアの終わりを意識する」人が45.5歳を境に増えていくことを示しています。

出典:パーソル総研「成長実態調査2017」

多くの人にとって50歳前後というのは、これまで積んできたキャリアの終わりを意識し始める年齢ということのようです。しかしながら世の中にはその年齢から人生を一変させてしまう人もいる、ということです。

人生を変えられる人は、何を変えているのか?

とはいえ「人生を一変させる人」はそう多くないな、と思うデータもここで提示します。

以下は令和3年「社会生活基本調査」から作成した、「45~64歳の人が1日あたり、どの行動にどれだけ時間を使っているか?」を示した表です。

土日も含めたデータですが、1日の半分は睡眠と仕事。そして2割ほどがテレビなどのメディア、休養・くつろぎ。そして食事・身の回りの用事・家事と続きます。これらで90%近くを占めています。
これらは(仕事は中身にもよりますが)受動的な活動・ルーティンワークであるため、なかなかこれでは人生は一変しなそうです。

令和3年「社会生活基本調査」を筆者にて加工

徳永さんは休みの日で8時間、仕事の日で5時間練習することもあったそうなので、8時間×2日+5時間×5日=41時間。1週間は168時間なので、そのうち25%をピアノに費やしていたということになります。

大前研一さんが「自分を変えるには時間配分を変える、住む場所を変える、付き合う人を変える」と言ったことはとても有名ですが、まさにその通りだなと徳永さんの話を観ても思うわけです。

私も(住む場所は中々変えられないですが)こうしてインプットしたものを「ほかの人に見てもらう」場所に書いてみる活動は、まさに「時間の使い方が変わった」一例です。
これまでであれば「この漁師のオジサンすごいなー」で終わっていたところが、きっと記憶に残る(少なくとも消さない限りは記録に残る)エピソードとなり、何か意見を言う際の手がかりにもなるわけです。

書くことの効果を感じ始めている今日この頃です。
どなたかの参考になれば、また幸いです。


ちなみに、この徳永さんをモデルにした「ら・かんぱねら」という映画が製作されているそうです。主演は伊原剛志さん。
いや本当、この漁師のオジサンすごいなー。

もしサポートを頂けましたら、インプット(書籍、旅など)の原資として活用させていただきます!