ナゴヤドーム(バンテリンドームナゴヤ)にテラスはいるのか?

みなさん、どうもひろです。

今回は昨今話題の「ナゴヤドームテラス問題」に言及していこうと思います。なお、分かりやすいようにここでは馴染みある「ナゴヤドーム」の呼称で記事を書いておりますので予めご了承ください。

投稿しようと思ったキッカケは、東海圏で活躍されてる某有名アナウンサーが2020年9月ごろ「今でも相手チームはHR打ってるのに、ドラゴンズの選手は打ててないんだからテラスなんて要らないよ」というような趣旨のツイートを拝見したためです。更にはこのツイートに反応してか?影響力のある竜党ツイッタラー達が次々とテラス不要論に傾くようツイートがTLに散見されました。

更にはそのアナウンサーのツイートのリプ欄。「ナゴドの持ち味がなくなる」や「1つくらい投手有利の球場があっても良い」というコメントは筋が通ってて素晴らしいと思います!しかし「デメリットしかない」「相手チームはHR打ててるのに、自分のチームが打ててないのが問題」のコメントを見てゾッとしました。ちょっと待ってくれと。

みなさん、お気づきでしょうか?

「今までHRだった打球はナゴヤドームにテラスをつけようがつけなかろうがHRである。」

ということを。

大事なのはフェンス手前の打球、フェンス直撃の打球です。これが入るか入らないかがこの問題の論点になって然るべきです!

そこでスポーツナビさん(以下スポナビ)のリプレイテキスト機能で今シーズンのナゴヤドーム主催試合全試合振り返り、手作業で集計しました! スポナビのリプレイには「フェンスギリギリ」や「フェンス直撃」の表現があるのでこれを集計します。

結論から言います。(私のツイート見てる人だと目に触れているので)ドラゴンズはビジターよりも11本ほどフェンスダイレクトの打球が多いです。なのでパッと見メリットしかないです。ドラゴンズの選手はナゴヤドームの事もあり比較的軽打タイプになりやすい(実際に高橋周平選手とかはそう発言してます)傾向にあるのでテラスをつける事で普段から意識され長期的な目線で見るとより改善される事が期待されます!

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ということは比較的簡単に分かったので、今回はもう少し掘り下げて、ある打球がHRだったらチームの勝敗、相手選手、ドラゴンズの選手の成績にどのくらい影響があったかを考察していきます。
なおここでは折衷案の「テラスでなくてフェンスを下げて」という声も多い印象だったので(短絡的に)「フェンスダイレクト」→フェンス下げればHR、「フェンスギリギリアウト」→テラスつければHRという2段構えで考察していきます。

ルール:

1.フェンスギリギリの打球、フェンス直撃の打球がHRだった時のHR・打率・打点増・長打率・OPS・失点増を考察。

2.打点増・失点増に関しては後の打者の結果も考慮する。※例えばフェンスダイレクトで二塁打になった際、後続の打者のタイムリー等でホームまで当該打者が帰ってきていたら得点は増えない計算。投手も同様。ちなみにこの結果後続のタイムリーを放った選手の打点は-1とします。

3.おまけで2の結果を踏まえた時に勝敗に影響があるかも考察します。実際はリリーフ陣がAチームかBチームかなどの外的要因が多大にありますが、ここでは安直に想定される得失点の現実と2の考察との比較でのみ考えます。


1.チーム成績

ドラゴンズは今年ホームゲームで36勝20敗4分の成績を残しています。この60試合中フェンス際のアウト、フェンスダイレクトが発生した試合は実に44試合と7割以上の試合で影響がありました。

まずテラスがあった場合を見ていきます。フェンス際・フェンスダイレクト問わずHRであったと仮定すると36勝18敗6分と予想でき、やや有利になるという結果になりました。また試合結果に影響がありそうな試合は60試合中7試合となりました。

次にフェンスが低かった場合の勝敗予想は37勝18敗5分と予想でき、こちらもやや有利になるという結果になりました。

いずれの場合も試合の勝敗には大きな影響がないことが想定され、そこまでテラスあるいはフェンスを下げることにネガティブになる必要はないのではないかなと思います。


2.選手個人成績

次に選手個人の成績を見ていきます。考察していく中でタイトル争いに絡みそうな選手も見てみましたが、そこは影響がなかったため割愛させていただきます。(ちなみに過去ツイートで影響のあった他球団打者は発信しております。)

まず野手ですが、各選手の内訳は以下の通りになります。

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今シーズン特に後半、正捕手として大活躍だった木下選手が1位になりました。調子の上がった9月以降で6本上記の打球を放っており、来シーズンからの活躍も期待したいです。そして主軸のビシエド選手・高橋周平選手とともに長打力に磨きをかけつつある京田選手が上位にランクインしています。ここではテラスがあった時、フェンスが下がっていた時の上位3位(※退団したアルモンテ選手を除く4選手)についての集計した結果を記載します。

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まず木下選手。前述した通り今年の活躍はドラゴンズファンの記憶に新しいでしょう。抜群の捕手能力とともに、2桁ホームランを期待できるパンチ力。かつて「ウッズ以上のパワー」と言われたことを竜党に再認識させました。ナゴヤドームに照らすがつけばOPSが8割越えと日本代表に名を連ねるであろう捕手になりえます。


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続いて不動の四番ビシエド選手。今シーズンは数度致命的な死球を受け、成績が思うように残せなかったかもしれませんが、低弾道で繰り出されるNPBトップレベルの打球スピードはフェンスを下げるだけで威力倍増は間違いなしです。


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続いて守備の名手京田選手。今シーズン終盤にはバットを寝かすフォームに変更し打率が急上昇。大型ショートということもあり、2桁打つ可能性も秘めています。


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最後に「個人的には欲しいがチームとしてはテラスはつけてはいけない」と発言したチーム思いのキャプテン高橋周平選手。テラスやフェンスを下げると前述のビシエド選手がランナーをHRで返してしまうため打点は下がってしまうというまさかの展開に。ナゴドで活躍するためにアベレージにこだわった周平選手。スアレスからのサヨナラHRなど広角に長打を打てることも魅力なので、是非意識改革をして、20本以上HRを打てる選手になってほしいなと思います。キャプテン、ドラゴンズはテラスを付けても、フェンスを下げても大丈夫ですよ!


続いて投手です。

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われらがエース大野雄大投手がナゴヤドームに「助けられた」という形になりました。2年連続最優秀防御率は、2年ともだいぶ競っていたのでナゴヤドームの助けもあったことは想像にたやすくありませんが、それでも沢村賞の受賞にふさわしい奪三振数やそもそも大野選手は例年被弾が多くあり、今シーズン後半ではそこが改善されていますので、仮にテラス設置やフェンスが下がったとしても順応できるのではないかなと考えています。

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今シーズン、フェンスを下げるあるいはテラスを設置した時の大野選手の成績内容です。被弾のおそれがあったのはいずれもランナー無しの場面、また完封シチュエーションではほとんどその心配がなかったことが伺えます。仮にフェンスが下げられてもあるいはテラスがつけられても大野選手が球界を代表する左腕であることに揺るぎはないでしょう。


3.最後に

考察というよりは実際にデータを出してみて、バンテリンドーム ナゴヤにテラスが設置したほうが良いのか、しなくても良いのかを皆さんが再度考えるきっかけになればと思い投稿してみました。

私個人としては中長期的に見てもテラスを設置するあるいはフェンスを下げることはやるべきかと思います。野手のトッププレイヤーが不在であること、チームの勝敗に大きな影響がなさそうなこと、中長期的な目線でFA選手の獲得や長距離砲の育成が現実的になることが理由として挙げられます。

どちらの意見もそれぞれ正しい面がありそこの議論はあってしかるべきかと思いますが、短絡的に「守り勝つ野球だから」「今相手チームの方がHRを打っているから悪化する」などと考える方が減ればより議論として正しい論点になっていくのではないかなと思います。(昨今のDH制もそうですね。)

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