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『竜馬の如く夢は世界を駆け巡る』    第4章 『ミシシッピー州への道のり』

ロサンゼルス空港

 飛行機に乗り込んで約四時間三〇分後、眼下にロサンゼルス(the State of California at Los Angeles) の光景が美しく大きく見える。不思議な事に眼下の住宅らしい景色に見取れていた。当然のことだが私を迎えてくれる国が美しくない訳がない。しかし、その目に映る姿を何と表現したら良いのか混乱して今はできない。その何年後、ロサンゼルスで生活を送ることになるとは夢にも思わなかった。機内から押し出されると入国審査に行く必要もなく、本国アメリカ人と一緒に米国へと一歩足を進めることになる。

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 この空港で次のテキサス州ダラス行きの飛行機を長い時間待つことになるその前にこの広い空港でダラス行きの搭乗ゲートを探すことになる。  『エアラインコネクションバスA』に乗り込んでダラス行きのゲートNo.4で降りる事になる。バスの運転手は大柄の黒人女性でバスはターミナル番号1番から8番まで繰り返し回っている。例え降り損なっても心配はない。降りますと云う英語も使う必要はなかった。1回目は要領を得ず降りるに失敗した。ぐるりっと乗り場を1番から8番まで同じく一周することになった。別に、急いでいる訳でないので構わない。知らぬ間にバスを難なく降りていた。搭乗口のNo.4はエスカレートに乗って2階にあることが分かった。後は搭乗口の前でアナウンスされるのを待つだけだ。六時間後のことである。

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 強烈に睡魔に襲われる。食欲も沸かない。
空港内は多くの人々が行き来している。誰も知らない。誰も声をかける人もいない空港ターミナル。普段なら必ず興味本位に店に買物はしなくても立ち寄るのだが、何もする気にはならなかった。歩くことも、買い物もできない待合室で休憩とトイレの往復以外する事のない惨めさ。飛行機の中では全然眠れない。待合室では尚更、満足に眠れないと思った。しかし、本能的に安全だと思ったのか荷物で自分自身を囲って地べたに座り込んでしまったいつの間にか睡魔に襲われていた。自由の国アメリカだ、誰も咎める者もいない誰かに起こされた記憶もない、自然に目が覚めてしまった。少しは疲れが取れたのかもしれない。感謝するしかない。

 デルタ航空に乗って約三時間後、機内食を食べ終わると、有名なテキサス州ダラス( the State of Texas at Dallas) に着いた。街並みは映画で見るのと同様の姿をかもし出していた。何年後にセントラルテキサス大学・テキサス大学に居た頃、車でケネディ大統領暗殺現場のダラス『シックス フロア ミュージアム』に行くことになるとは今は思えなかった。

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 ダラスからルイジアナ州ニューオリンズ(the State of Louisiana at New Orleans) まで小型の飛行機で約三時間乗ると着くことになっている。またもや機内食のサービスがあった。ニューオリンズの空港から街の中心部のニューオーリンズ・ユニオン・パッセンジャーターミナルのグレイハウンドのバスターミナルに、よく覚えていないがバス待合室に居た。多分、エアポート・ダウンタウン・エクスプレスバスかタクシーを利用したのだと思う次にミシシッピー州ハチスバーグに行くバスを十二時間待つことになる。スーパードームが目の前に見えるがターミナルから出ることはできなかった。確かにバスターミナルでは常備警察官の見回りがあるので安全だとは理解できるが、すぐ目の前のアメリカンフットボールが開催されるスーパードームに行くのが危険な訳がないと思う、昼間のことである。しかしながら、残念なことに、広々としたバスターミナルの中から一歩も踏み出せなかった。 その後、私が住んでいた南ミシシッピー大学の寮から車で約二時間でニューオリンズに行ける距離で、友人仲間と1度、米国人と2度訪問することになるが、夜のニューオリンズは特にフレンチ・クオーター以外は危険で歩く者はいないことを後で知ることになった。               唯、時間の経つのを淡々と待つだけであった。

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 いよいよ最後の目的地まで約三時間のバスの旅になる。疲労も苦痛もないミシシッピー州に入ると10m以上の真っ直ぐに伸びた松の並木道を両側に見ながらバスが通過することになる。日がどっぷりと暮れて目的に着く頃には辺りは真っ黒で何も見えなかった。人口5万人その内大学生が1万人の小さな田舎町に着くことになる。夜遅く着いたので、バス停にはタクシーも誰も居ない寂しい小さなバス停だ。三人の日本人女性が一緒に降りることになったが、急にバスの運転手が女性に声をかけた運転手はすぐに理解して、我々を今夜のホテル『ホリデイ・イン・モーテル』に連れて行くことになった。 日本では考えられないことだが親切な運転手さんのおかげで無事到着した。モーテルに着いて部屋に入った後は覚えていない。多分爆睡していたのだろう。もし、火事になれば焼け死ぬことは間違い無いと思って不思議に笑みが溢れる。                              明日から州立大学南ミシュシュピー大学(The University of Southern Mississippi at Hattiesburg)ELI(English Language Institute)の授業の1日目が始まる

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