酸素療法と旅行支援サービス
旅行支援サービス
在宅酸素療法の旅行支援サービスは、遠方の実家や旅行にさいして酸素ボンベや酸素濃縮装置を旅先の宿泊地に準備してくださるサービスです。
旅行支援サービスを利用するために必要なこと
一番大切なのは、主治医の許可をもらうこと
詳しい旅行計画を立てる前に行先と日数だけ大まかに決めた後、主治医に「旅行の計画がありますが、行先は・・・、日数は・・・」と言って旅行に出ていいかの許可を、まずは口頭でいいのでもらってください。
許可がでたら、詳しい内容の旅行計画を考えて、病院または訪問診療の旅行前の診察、旅行後の診察の予約をしましょう。
訪問看護の予定も確認して修正があれば必ず連絡をしてください。
酸素濃縮装置と酸素ボンベを供給してもらている業者様に旅行支援サービス申込用紙をいただきましょう。その用紙に必要事項を記入の上、再び供給業者様に提出してください。
担当供給業者様と書類内容の確認をしてから、問題が無くても、もう一度旅行先で必要な酸素ボンベの本数と旅館やホテルの部屋に設置してもらう予定の酸素濃縮装置の型式が、自宅で使用しているタイプかその他のタイプかを確認し、違っていれば説明書も現地に用意してもらうようにしましょう。
旅行先の旅館、ホテルの対応がさまざまなのは考慮しておいてください。
旅館やホテルの中には新しくOPEN(オープン)したてのものもあるので
まったく酸素濃縮装置や酸素ボンベの旅行支援サービスに関わったことがないこともあります。ご自分で事前に宿泊する旅館やホテルに電話連絡をして打ち合わせをしておくことをお勧めします。
この事前に連絡することにより、業者様からの連絡遅れや、現地業者の手配ミスまでわかるようになります。
なぜなら、旅館やホテルと事前連絡していることで、納入が遅れたりした
場合に、旅館やホテルが確認をして下さることがあるからです。
納品されていないと命に係わる事なので、必ず宿泊前日に旅館やホテルに電話確認をしてください。
公共交通機関の受け入れ態勢
航空機(日本国内)
航空機の搭乗に必要な書類は、3種類
(書類は各航空会社の専用サイトの物を使用します)
・診断書
・搭乗に必要な手配について
・酸素ボンベ仕様確認書又は証明書
上記書類に記載したのち、FAX(ファックス)またはメールでご搭乗予定の航空会社に送ります。
「診断書」の提出は搭乗日を含めて14日以内に発行されたものを用意してください。
搭乗手続きの際に、事前に送った書類が搭乗手続き窓口にまわされているはずですが、もしものことを考えて酸素ボンベ仕様確認書又は証明書のコピーを持参した方がいいです。
手荷物預け入れの時に酸素ボンベ仕様確認書又は証明書の提示が必要になる可能性もあります。
手荷物を預けると同時に酸素ボンベも預けますが、仕様書の記載に間違いがないか酸素ボンベ本体の表記部分を確認しますので、予備の酸素ボンベはスーツケースなどから出して手荷預け入れ窓口に出してください。
その後航空会社ごとに対応内容が違いますが、酸素ボンベを、航空会社所有のケースに入れて預けることが一般的です。
航空会社のJAL、ANAの飛行機内の注意喚起の内容はほぼ同じなので、少し詳しく記載のあるANAの文章を下記に記載させていただきました。
航空会社のコードシェア便の確認は大手航空会社JAL、ANAとなります。
(下記のサイトから必要書類の確認が出来ます。必要に応じて確認後に印刷してください)
ANA
ttps://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/share/assist/support/medical/oxygen.html
JAL
https://www.jal.co.jp/jalpri/
SKYMARK
PEACH
JR鉄道
JRグループは共通の考え方で、列車内に持ち込める医療用酸素ボンベは、使用分を含めて基本サイズで2本です。
(長距離の移動を考えてJRのみ確認しています。私鉄等は近距離を想定して使用分のみ)
2本以上の持ち込みを希望する場合のみ、事前に使用する路線を管理する鉄道会社相談窓口に確認が必要です。その後、鉄道会社の指示に従って申請をしてください。
(相談窓口として、ご利用になる最寄り駅に連絡をすると対応していただけます)
JR北海道 JR東日本 JR東海 JR西日本 JR四国 JR九州
タクシー、バス
移動に伴う酸素ボンベの持ち込みは使用分を含めて2本です。
公共交通機関の日常使用しているバスやタクシーは除きます。
観光タクシー並びに観光バスの内容です。
・観光タクシー
事前予約時に医療用酸素ボンベを使用していますし、予備にもう一本持ち運びますとお伝えください。尚、予備はトランクの中で移動したりしない様にケース等で安全状態を保てるようにしましょう。
・観光バス
公益社団法人 日本バス協会様に確認したところ、特に協会では規定を設けていないので、「利用する観光バス会社に確認してください」と回答がありましたので観光バスの利用には、直接利用を考えているバス会社に連絡をしてください。
船
移動に伴う酸素ボンベの持ち込みは使用分を含めて2本です。
日本国内のフェリー船が基準ですので、海外やクルーズ船に関しては対象外となります。
乗船予約の際に必ず医療用酸素を使っていますと伝えた上で予約を行ってください。
予約、乗船に必要な事項
(各船会社により条件が異なります)
・太平洋フェリー㈱
診断書、船内環境確認書類など独自の書式がありますので、予約時に
相談していただくと、郵送にて書類が手元に届きます。書式に記載の上
返送して、乗船できるかの許可待ちとなります。
・商船三井フェリー㈱
書類等は特になし
予約時に医療用酸素ボンベを使用していますと言ってから予約してください。
・新日本海フェリー㈱
書類等は特になし
予約時に医療用酸素ボンベを使用していますと言ってから予約してください。
・ハートランドフェリー㈱
書類等は特になし
予約時に医療用酸素ボンベを使用していますと言ってから予約してくだい。
・川崎近海汽船㈱
書類等がございますので、事前予約の時に書類の郵送の依頼と、現在の
症状などをお伝えください。海難事故等で長時間電源供給ができない
場合も考えられます。(医療スタッフは乗船しておりません)
上記のフェリー船会社に確認しましたが、旅行に際して乗船に該当する会社に、一か月以上前に確認することをお勧めいたします。
旅行支援サービスはとてもありがたいサービスです。
酸素治療が必要になっても、まだまだ行きたい所があるはずです。
孫の顔も見たいし、墓参りにも行きたい、いろいろな観光地巡り、温泉地巡りなどなど、そんな願いを心配いらずでかなえてくれます。
ぜひ利用したいサービスです。
海外旅行にも出かけたいのですが、今回は国内旅行の場合の手配のみとなりました。
あとがき
問い合わせに際し、各担当者様の丁重なご対応、本当にありがとうございました。
今回の【在宅酸素治療と旅行支援サービス】ではベットで寝たきりの方や、子供に関しての内容など、在宅酸素以外の治療を必要としている患者様には触れずに進行させて頂きました。
様々な病気のせいでたいへんだということは重々承知しておりますお互いに頑張りすぎない様に、程よく頑張りましょう。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
こちらはまとめたキンドル本です。
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