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音楽性が変わることは悪いことではない
先日書いたこちらの記事。
音楽性が途中で変わってしまって聴かなくなったけれど、それまでの曲たちは好きだった、という内容。
これは他のバンドにも当てはまる。
僕の好きな下記のバンドを例に説明してみる。
GLAY
L'Arc〜en〜Ciel
LUNA SEA
DIR EN GREY
シド
この辺り。
商業音楽である以上、売れなければ生活できず、レーベルや事務所をはじめとした
「そのバンドを商材として儲けを出し、そのために出資しているところ」
に切られてしまって音楽活動が立ち行かなる。
そのため、そうした人たちの顔色を伺い、自分達のやりたいことと天秤にかけながら売れるための音楽を作っていくのがメジャーアーティスト。
その中で、音楽性が変わっても好きでい続けられるバンドと聴かなくなるバンドがいるのはなぜなのか。
僕の個人的な好み全開で綴ってみる。
▼比重こそ変われど、基本的な音楽性は変わっていない
見た目やファッション、言動が変わったから音楽性も変わったように見えていたけれど、実のところ本質は変わっておらず、そもそもの音楽性が広い。
これが成功の秘訣なのかもしれない、と思っている。
例えば、僕の中ではGLAY、L'Arc〜en〜Cielがそれに該当するバンド。
・GLAY
GLAYは脱ヴィジュアル系の先駆け的なイメージがあり、スーツでキリッとキメた出立でミディアムバラードをスタンドマイクで歌い上げることで大衆の心を掴んだ。
GLAYの場合、インディーズの頃からやっている音楽は基本的大きな変化はなく、ダークで激しいロックからポップロック、バラードまでやっていたのだ。
その出立ちと出自からヴィジュアル系に分類されてはいたが、実のところ、そもそもヴィジュアル系の中でもかなりライトな分類だったのではないだろうか。
GLAYのデビュー前後のヴィジュアル系はX JAPANのようなハードロックやメタルを基調とした音楽性に派手な見た目というのがメインだったこともあり、そこからは一線を画した存在だったと思う。
なので、ファンもファッションを含めた変化に対して拒絶反応を示すことなく、ゆるっとファンの幅を広げていき、流れを掴んだ結果、今に続く成功を収めた、というのが僕の見解。
GLAYについて書いた記事はこちらにあるので、よければ見てもらえたら嬉しい。
・L'Arc〜en〜Ciel
GLAYとは違い、ヴィジュアル系の本流を行き、新たなシーンを作ったと言っても過言ではないくらい、独特の雰囲気で人気を獲得していったバンド。
そのため、実際途中まではヴィジュアル系と呼ぶに相応しい出立ちと音楽性が魅力だった。
しかし彼らが脱ヴィジュアル系に舵を切ったタイミングが、活動休止明けの再始動後だったことが大きかったのではと推測する。
諸事情によりドラマーが脱退し、新たなドラマーが加入するというきっかけがいいアクセントになって、変化も受け入れやすく、違和感を持たれなかったのではないだろうか。
実際、活動休止前のアルバム「True」ではヴィジュアル系として括るには難しいくらいキャッチーな曲が目白押しで、これからのL'Arc〜en〜Cielの新たな方向性を提示していた。
このままいけば、大きな音楽性の変化が既存ファンに対して大きな衝撃となった可能性がある。
しかしここで起こったメンバーチェンジ。
その後の活動再開で発表されたアルバム「HEART」は、これまでのラルクのイメージを踏襲しながらもポップさも加えた名作となっている。
確かにこれまでのエッジの効いた、独特のセッション的なアレンジはなくなり、丸く、聴きやすい感じにはなったものの、ラルク以外の何者でもない作品だった。
しかしデビューシングル「Blurry Eyes」からも、彼らの音楽性は大衆受けするようなポップさを兼ね備えていたことがみて取れる。
つまり、当初から大きな音楽性の変化はなく、軸はしっかりと持った上でずっと幅広い表現ができていた、ということではないだろうか。
次に、音楽性の変化が賛否両論を生んだバンドを紹介する。
▼大きな方向転換が良くも悪くも衝撃的だった
これまでのイメージが強すぎて、変わったことが受け入れられずに離れるファンを生んでしまった印象があるバンド。
とはいえ、ガラッと変わったことで新たなファンの獲得にも繋がり、今も活躍している下記のバンドを例に紹介する。
・LUNA SEA
「IN SILENCE」までの彼らが好きな僕にとって、活動休止明けの「STORM」や「SHINE」は衝撃的だった。
これまでの尖った雰囲気は影を潜め、愛を説く優しいお兄ちゃんたちになってしまった印象だったからだ。
しかし世の中的には受け入れられて、続く「I for You」は大ヒットを記録している。(好きな曲だしカラオケでよく歌う)
LUNA SEAの場合は、もともとのイメージが特化型でインパクトが強すぎた結果、再始動後に新たな音楽性を見せたときにそれを変化と感じてしまったことが、僕の中で大きかったのかなと思う。
なんだかんだ言って好きだけれど、好みはと聴かれたら、やっぱり初期のLUNA SEAが好きです。
・DIR EN GREY
インディーズからメジャーアルバム「GAUZE」までと、その後で大きく音楽性が変わったバンド。
インディーズ時代はtneヴィジュアル系という感じの紫色の雰囲気をまとっていたけれど、メジャーデビューしてすぐはかなりポップになり、その後すぐにハードコアに移行している。
個人的にはメジャーデビューしてすぐくらいまでが好きだけれど、僕がハードコアを聴くきっかけになったのは間違いなく、DIR EN GRAY。
どちらもかっこいい。
既存ファンを踏襲しつつも固執せずに、新しいジャンルで新規ファンを開拓し、確固たる地位を築きながら世界で活躍している彼らの音楽性の変化はネガティブなものではない。
かなりの成功者と言えるのではないだろうか。
・シド
「喪服時代」と呼ばれるインディーズとメジャーになってからとで大きく変わったバンド。
例に漏れず、メジャーになってからはキラキラしたポップになった印象が強い。
彼らの持ち味であった歌謡テイストは影を潜めてスタイリッシュなロックへと舵を切ったため、個人的にはその後の彼らを追ってはいない。
僕は歌謡ロックが好きで、それができる類稀なバンドがシドだったから。
メジャーシングル「恋におちて」は僕のイメージするシドらしさがあるので好き。
最近リリースされたアルバム「海辺」。
令和歌謡を掲げていたので原点回帰を期待して聴いてみたけれど、個人的には刺さらなかった。
歌謡曲の持つ哀愁や焦燥感があまり感じられず、これは多分、解釈の違いなのだろうと思う。
初期のシドは僕の中ではいまだに名曲揃いなので、今でも聴くしカラオケでも歌うほど好き。
たらればになるが、歌謡ロックを突き詰めてほしかったなというのが正直な感想。
以上。
これが僕個人が好き勝手に思っているイメージの全てです。
気分を害してしまったらごめんなさい。
なんだかんだ言って、全部好きなので、そこはご理解いただけると嬉しいです。
いろいろ書いたけれど、音楽性が変わったからといってダメになるとかではなく、それはバンドとしての進化だからネガティブに考える必要はないと思う。
もちろん、音楽性をガラッと変えたことで売れたバンドもいる。
変わろうが変わるまいが、その音楽が自分に合うかどうか。
それだけのこと。
好きな音楽を好きなように聴けばいいわけで、それをアーティストに対して「前の方が良かった!」とか言うのは筋違いだし、好きなら好きでいいじゃない。
嫌なら聴かなきゃいいじゃない。
ファンなら好きな人のやりたいことを応援してあげようよ。
そんな気持ちで、付いたり離れたりしながら、今日も僕は好きな音楽を聴いている。
今回はここまで。