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原因不明の高熱
昔、お世話になったある職安の方が
懐かしい。
Yさんとはいろんな話をした。
仕事のことよりも、人生について。
彼女は、私より数歳年下で、
結婚していたが、考え方や境遇が
とても私に似ていた。
竹内結子さんが自殺したとき
「乳飲み子を抱えてたのに・・・」
というと、Yさんは、
「切羽詰まった人には、そんなことが
ストッパーにならないくらい
辛いようですよ」と言われた。
私も彼女も何回か自殺を考えていた。
彼女は、若かりし頃、
何月何日に死のう、と決心したという。
が、その日が近づくにつれて
しんどくなり、微熱が続き、
体調不良になったという。
そこで、初めて、
「あ、私、死にたくないのかも」
と思ったらしい。
私が10年ほど前、
ナイアガラを再訪した
ときもそうだった。
ツアーではなくて、
貧乏一人旅で
ホテルもバスも、
全部自分で手配した。
が、トロントの空港に真夜中について
あのただっぴろい空港で、
小さなホテルに向かう車を
見つけるのを考えるだけで
苦しくなった。
(実際、1時間以上、公衆電話で
連絡を取り合い、やっとついたホテルが、
空港から離れたインド系の感じ・・・
朝になると結構きれいだったことに
気づいたけど)
そんな不安を抱える中、
出発の10日ほど前から、
熱が出て毎日点滴を受けにいった。
原因不明の体調不良。
そして、とうとう台北のトランジットでは
39.8度の高熱。
台湾人の友達に、
「そこから日本に戻ってこい」
と言われたけど
チケットの買い方もわからず。
体調不良まま、満身創痍で
歩き回ったナイアガラ、トロント。
実は、一人で行きたくなかったのだと思う。
不安で、不安で、死ぬほど不安で。
その熱の出しようを思い出して
あれが、Yさんの熱に近いものだな、
と思った。Yさんほど、すごくはないけど。