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思い出すたび泣く話(エッセイ)

もしかしたら、
どこかの民話とかで
私が思っている以上に
メジャーな話なのかもしれない、
という前振りは良しとして。

大人になってから
日本昔話の再放送を
お盆の午前中とかにやっていた。

そのなかで、
ボロボロ泣いてしまったのが
猟師と犬の話。

妻に先立たれて、
まだ赤ん坊の子供と
飼い犬(白い大きな犬)を
残して、狩りにでた猟師。

雪山で身動きがとれなくなり、
心配なのは、飼い犬がお腹を
空かせて、赤ん坊を食べていないか
ということ。

やっと家についたら、
白い犬が、口の周りに血をつけて
喜んで飛び出してきた。

「ああ、やりやがったな」

猟師は、迷わず、白い犬を銃で撃つ。

すると、その音に驚いた
赤ん坊のなき声が。

家に飛び込むと、赤ん坊の
周りには数匹の狼が倒れていた。

なんと、白犬は、赤ん坊を守るため
狼と戦っていたのだ。

そして、主人の帰りを待ちわびて・・・。

もう、ダメ、なんで、大きな犬は
そんなに優しいの?

なんで、人間は動物を疑うの?

今でも思い出して涙する。

犬の気持ち。
狼に勝って、赤ん坊を
守って、ご主人様に褒めて
もらえると思っていた犬の気持ち。

これ以上、純粋なものはないと思う。

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