牢獄の花の妖精~「ブッダ」(エッセイ)
よく手塚治虫氏の
「ブッダ」を思い出す。
父が手塚治虫氏が好きで
「ブッダ」や「ブラックジャック」
が、常にリビングに置いてあった。
最近思い出すのは、
昔、偉かった王様が牢屋に
入れられて、孤独の中で、
牢屋の隅っこに咲く花と
会話するシーン。
小さな花の妖精が出てきて
老人の孤独を癒す。
狂い始めた老人の
幻覚なのだろうけど、
私にも、花の妖精というか、
花や木の声が聞こえる気がする。
(私も狂いかけ?)
でも、誰一人いない
孤独な場所で、
(砂漠でも、宇宙の星でも)
たった一輪の花が
生きて咲いていることが、
どれほどの慰めになるだろう。
その老人の気持ちが
とてもよくわかる。
ここに生きていてくれて
ありがとう。
私もきっと、そう語りかけるに違いない。