お隣のソファ(エッセイ)
あれは、真夏のことだった。
土曜日の休みの10時頃
買い物に行くついでに
マンションのごみ置き場に
ごみを捨てにいった。
と、そこにあった、
粗大ごみのシールが貼ったソファ。
3人掛けで、うちのより、全然
キレイで、しっかりしていた。
ソファベッドにもなるタイプで
探していたデザインに近かった。
買い物に出る前で、
しかも、何号室の人の粗大ごみかも
わからず、とりあえず、メモに、
「このソファを出された方、うちの
ソファと交換してもらえまえんか?
ご連絡ください。〇〇〇号室、名前」
と書いて、シールにはさんでおいた。
が、小一時間して、買い物から
帰ってきても、回答なし。
これは、連絡を待とうと
いったん、自分の階に上がってびっくり。
隣の人の玄関の前に、
ソファと同じ筆跡の粗大ごみシールを
貼った棚が置いてあったのだ。
「り、隣人!?」
と思い、思わず、ピンポーンを
2回したが、返事なし。
が、私は、なんとなくファミリーが
使っていたソファをもらうつもりを
していた。
が、隣に住んでいるのは
(挨拶したことないので知らないが)
私よりずっと若いお姉ちゃん。
時々、男子が来ている様子あり。
(雨の日、傘がふたつある。明らかに男物)
引っ越すなら、隣の人が自分の
古いソファを使っても気にならない
かもしれないけど、
このままずっと住んでるのに、
しかも面識もないのに、
自分より年配の私が、自分の捨てた
ソファを物乞いみたいにもらって
使われるのは不気味だろうな、
と想像した。(被害妄想?笑)
うちのソファも私とニャンコの
においやヨゴレでいっぱいだから
隣のお姉ちゃんも、たぶん自分の捨てたものを
人に使われたくないだろう。。。
そう、ニャンコと相談して、
メモを引き取ってきた。が、なんか
変なタイミングで、棚がなくなっていたり、
もしかして、メモを見たお姉ちゃんも
隣かい!?と思って、居留守を使っていたのかな、
とも思う。
どちらにしても、私はニャンコの爪痕
でボロボロになった二人掛けの、
座っていたらお尻が痛くなるソファに
満足している。
やっぱり、あげたくない人から
もらうのは、みじめだし、
今のままの方がいいな、と思った次第。
長い話をご精読ありがとうございます。
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