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「王国」よしもとばなな氏(読書感想文)(*ネタばれ注意)
王国 その1 アンドロメダハイツ
王国 その2 痛み、失われたものの影、そして魔法
王国 その3 ひみつの花園
の3章から成る。
いやー、
ちょっと男色入って、いいねぇ。
主人公、雫石(しずくいし:サボテンから命名)と
おばあちゃんとの山での薬草作り生活。
楓(かえで)という目の見えない
占い師との不思議な関係。
そして、楓と片岡さん(男性)とのゲイ生活。
でも、主人公にも真一郎くんという
サボテンのプロのバツイチの彼氏が
いたりして、何か不思議なバランスを
保っている。
とにかく圧倒的なのは、
いつも女系家族で、
今回はおばあちゃんがすごい。
山の生活に見切りをつけて、
マルタ島で恋人と暮らしている。
そして、主人公の繊細な心の触覚。
もう、若い頃の私に
ぴったりフィットして、
女系家族に支えらえていた昔を思うと
心がイタイ。
この作品、何かライフワーク作品
みたいな説明あったけど、
今までの作品になかったのは、唯一、ゲイ。
じゃあ、ばなな氏も、やっぱりヤオイ人
なんだろうか。
第2章は、繊細すぎる
主人公の内面を延々と抽象的に
描かれている。
楓がフィレンツェに行っている間の
楓んちでのお留守番&世間と
慣れていく感じ。
で、真一郎くんと、不穏な空気。
第3章・・・せっかく真一郎くん、
離婚したのに、雫石とは結婚せず。
雫石は、楓にハマっちまうのかなー。
真一郎くんが雫石と結婚しなかった理由。
真一郎くんが元同級生(=高橋くん)の
若い継母と、高橋くんの美しい庭園を
守るためだって。あらら。
結局、主人公と楓と片岡さんの
三角関係?っぽい。
片岡さんが、自分の種で、雫石に子供生め
とか冗談で言う。
なんで楓のじゃないのかと
いえば、片岡さんがイヤだからって。
なーんかね、プチ・ヤオイな感じあり。
最初に但し書きあったな。
「これは、守られた女の子の話です」的な。
主人公・雫石は、不器用だけど、やさしい
人々に囲まれて幸せでしたって話かな。