CRO3社の会計情報を徹底分析!(比較エクセル付き) BS編(2/4)
皆さんこんにちは!
ヘルスケア業界(CRO)で新規事業企画の仕事をしているヒロシズです。
今回は、医薬品等の開発支援のCRO企業分析記事です!
この記事は、以下の企業分析記事を4分割したうちの、第2弾です。
分割にあたっての修正は表現のみのため、以下記事を購入済の方は購入不要です。
記事の内容
記事の難易度は、会計を勉強したことがない初心者~ちょっとだけ経験者向けです。
以下、本記事のコンセプト、内容、特徴です。
【コンセプト】
CRO(※)3社のEPS、シミック、リニカルの決算を比較&ヒロシズ目線での解説をお届け
【内容(今回の分割後の内容)】
① CRO3社の貸借対照表(BS)の比較と解説
② CRO3社の3年分の決算まとめ(分析に使った元データ)の公開(エクセル):BS編
③今後見るべき指標
【本記事の特徴】
・会計用語と実際の企業業績(決算)を繋げて読むことができる
・CROの財務分析に特化している
・本書を読むだけで、CRO3社の数字がまるっと理解できる
・CRO3社3年分の決算の数字をまとめたエクセル付き
(※)CROとはContract Research Organizationのことで、製薬会社の医薬品、医療機器、再生医療等製品などの開発業務を支援する企業のことです。
わかりやすく言うと、治験等を支援する企業です。
なお、EPS、シミック、リニカルを選んだ理由は、3社とも事業構造の毛色は違えど、メイン収益が臨床試験の受託であり、比較分析しやすいと考えたためです。
また、EPSとシミックの最新通期決算は2020年9月期ですが、リニカルは2020年3月期です。
そのため、EPSとシミック、リニカルでは、決算時点でCOVID-19の影響を受けている度合いが異なることをご了承ください。
このnoteを読めば会計情報の基本的な読み方とCROの会計情報がわかる!ように書いています!
本記事の想定読者(社会人、内定者、就活生)
・会計を勉強したことがないが、今後の勉強のキッカケが欲しい
・会計用語の理解から実際の企業分析までを繋げて勉強したい
・忙しくて決算分析をしている時間がないため、概要をサラッと知りたい
・CROの各社の業績に興味がある
・実際に企業分析を自分でやってみたい。そのための素材が欲しい
・就活や今後の入社に向けて、会計の観点から企業分析をしてみたい
それでは、いよいよ本編のスタートです!
① CRO3社のBS(財務三表の一つ)の解説
1-1:財務三表とは?
上場している企業は、法律で決算書の作成が義務付けられています。
この決算書は通称、財務諸表と呼ばれており、企業が一定期間(通常は1年)の事業報告のために作成する資料です。
株主や債権者などは、この財務諸表を読むことで、企業の財政状況や経営成績を把握できます。
そして、その財務諸表の中で特に重要と言われているのが、財務三表です。
【財務三表】
損益計算書(PL):一定期間の損益を示す
貸借対照表(BS):企業が保有する財産を示す
キャッシュフロー計算書(CF):一定期間のキャッシュ(現預金など)の流れを示す
企業分析においても、この財務三表の中身を紐解くことが非常に重要です。
なお、財務三表を紹介しているサイトは多数ありますが、私は今回は以下のサイトを参考にしました。
https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/21688/
1-2:CRO3社の財務三表分析:BS編
BSでは「企業がどのように資金を調達し、調達資金をどのような資産として運用しているが」という財務状態を示しています。
BSの構成は、資産、負債、純資産の3つに分けられ、またその中でも、資産と負債は、1年を基準としてそれぞれ2つに分かれます。
流動資産:1年以内に現金化が可能
固定資産:1年以上の期間を経て現金化が可能
流動負債:1年以内に支払う必要あり
固定負債:1年を超えた時期に支払う必要あり
今回は、企業の安全性指標として、流動比率、負債、D/Eレシオ、自己資本比率、財務レバレッジを分析します。
●流動比率
流動比率は「その企業の短期的な安全性」を見るのに適しており、流動資産(短期で現金化できる資産)÷流動負債(短期で返済が必要な負債)で計算できます。
【各社の流動比率】
【解説】
流動比率は、一般的には100%を超えていれば短期的には安全であるとみられます。
3社ともに、100%を超えているため、短期的な安全性は問題ないと言えるでしょう。
ただ、ここで気になるのが、EPSの流動比率の高さです。
なぜEPSは他社よりも数字が高いのか?は、他の指標を見ながら考察していきます。
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