見出し画像

ヘルスケア情報#1 医師主導治験の数は増えていきそう!

こんにちは!

ヘルスケア関連企業(CRO)で事業企画をしているヒロシズです。

今回は、最近収集している外部環境記事で気になったテーマから、ヘルスケア業界での一つのトレンドになり得るお話をしたいと思います。

ちなみに、このような記事を書く経緯は以下の過去記事からご覧ください↓

まず、今回の結論はズバリ「今後、医師主導治験は増えていきそう!」です。

なぜこの結論に至ったか、順を追って解説していきます。

前提:医師主導治験とは?

医薬品や医療機器を保険診療の枠で国民が使えるようにするためには、その製品の安全性・有効性を示す必要(未承認製品を承認してもらう)があります。

その安全性・有効性データを集める試験を、いわゆる治験と言います。

治験は大きく二種類ありまして、一つが企業治験で、もう一つが医師主導治験です。

今までは製薬企業が主導行う企業治験がほとんどでしたが、ここ最近では医師が主導で行う医師主導治験が少しずつ増えつつあります。

医師主導治験については、詳しくは以下をご覧ください↓

ただ、この医師主導治験、いくつか課題があります。

医師主導治験の課題

課題の一つが、資金調達です。

医師主導治験は、製薬企業か公的機関(AMEDなど)から治験資金を調達し、試験を行います。

しかし、上記ですと、①調達額が限られていること、②医師の調達に向けた労力=負担があり、資金面からスムーズに実施できない治験もあります。

医師主導治験が増えると思う根拠①(マクロ視点)

ここからが、先述の結論に対する根拠の紹介です。

まず一つ目の根拠ですが、それは日本全体での医師主導治験の実施数が年々増加しているからです。

根拠データは、治験計画届の数です。

PMDAが開示している資料(以下リンク参照)を見るに、年々医師主導治験の治験届数が増えている(=医師主導治験数が増えている)ことがわかります。

つまり、世の中では医師主導治験のニーズが高まっているということですね。

この流れが継続すると仮定した場合…医師主導治験は今後も増えることが想定されます。

医師主導治験が増えると思う根拠②(個別事例)

次の根拠ですが、ある一つの取り組み事例から紐解いております。

それは、CirKit-Jという会社が新しく取りんでいる、医師主導治験での資金調達スキームへの挑戦です。

このCirKit-Jですが、日本の医師主導治験の資金を、製薬企業からの超多雨のみならず、投資法人からも調達する、といった新しい試みに挑戦しております。

新しい資金調達…今回のポイントはこの方法です。

それは、CirKit-J傘下である特別目的会社SPV(Special Purpose Vehicle)のアルファーグループを利用して行うことです。

SPVとは、投資家と現債権者を繋ぐ役割に特化した会社のことを指します。

これを医師主導治験業界の資金調達手段に置き換えると…以下になります。

従来:医療機関⇔出資者(製薬企業)

SPV利用:医療機関⇔SPV(アルファーグループ)⇔出資者(製薬企業、投資企業)

要するに、SPVの仕組みを使うと、医師主導治験の課題として挙げていた、①資金調達額の解消(新たに投資会社からも調達できる)と、②資金調達の労力削減(SPVが資金調達業務を請負う可能性)が出てきます。

そしてこのアルファーグループですが、この取り組みの第一弾として、アルファーAを設立しております。

そして実際、このアルファーAの取り組みに対して、ソフトバンクが出資しております。

まとめると、今回の新しい取り組みは「CirKit-J傘下でSPVのアルファ―Aが、医師主導治験の実施に向けて投資会社ソフトバンクから資金調達した」ということです。

アカデミア(医療機関)での治験に対して投資会社が出資することは、今までにない新しく、かつ斬新な取り組みです。

さいごに

医師主導治験の市場成長性と、治験実施に向けた新しい資金調達の仕組み…この二つが合わさることで、今後の医師主導治験の数は増えてくるのではないかと期待できます。

そのためにもまずは、今回のアルファーAが関わっている治験の結果には注目ですね。

今回の紹介は以上です。

今後もこのような、ヘルスケアに関連する面白そうな記事を紹介していきたいと思いますので、ぜひフォローをよろしくお願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?