作品解説 「奥吉野」
奈良県奥吉野の山あいにある集落です。アトリエとして借りている古家から見下ろした景色です。
中央右側の赤い屋根のお宅二棟は道路拡張のため取り壊しになって今はありません。まるで旅館のような格調ある造りでした。最初ご挨拶に伺った時に、もう取り壊しと聞いて今のうちに絵に残しておかなければと思いスケッチしました。
奥にあるのは蓮如上人ゆかりの浄土真宗のお寺さんで、ここの鐘が朝の六時と夕方六時に鳴ります。夕方五時には村内放送で「夕焼け小焼け」の音楽が流れます。秋の頃、夕暮れに流れる「夕焼け小焼け」と少し薄暗くなって来て「ご〜〜ん」「・・・」「ご〜〜ん」「・・・」と間をおいて響く鐘の音、お里の秋の夕暮れって感じがします。ちなみにお昼の十二時には「エーデルワイス」が流れます。昔、山林や畑で働いている人が多かった時分は、これを合図に皆さん手を止めてお昼にしていたのでしょう。
使用画材:紙、ガッシュ
サイズ :257 × 364
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