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お前のための、退職しようと思った時に何するんだっけマニュアル2020初夏。
世の中の会社に入社するとなぜか4年で退職する現象が起こってしまう。これまでの入社年を並べてみると2006→2010→(2014→)2016→2020となり、今回も因果に逆らえなかった。
しかし退職するからにはちゃんとやりたい。アラフォーにもなって立つ鳥跡を濁している場合ではない。もし次こんなことがあったらフォーど真ん中なのでその時に備え時系列でメモる。
2020/3 辞める時期を決める
法律的には2週間なのでなどという気はさらさらなく、育休時にあれこれ切り出せるようにしておいたとは言うものの抱えている案件、お世話しているシステムはたくさんある。引き継ぎをするとしても引き継がれる側は普段の業務に加えて引き継がれる分けなので、引き継ぐ側の都合だけで押し切ってしまうわけにはいかない。
結果、ざっと見積もって最短2ヶ月、余裕持って3ヶ月ということにした。3ヶ月目は実質手離れした状態で何かあればまだ中の人として相談にのろうと考えた。
スプレッドシートにざっくり引き継ぎリストを作った上で、在職中にやりきる部分とこれは着手してしまうと迷惑がかかるなと言う部分を整理した。その状態で社長に「工数相談」的な名前のmtgを入れて報告した。
退職相談する時「ご相談」という名前で予定を入れてくる人は良くいるのだけど、それはGoogle カレンダーで同僚の予定が見られるこのご姿勢なら確実にネガティブ案件だということが分かってしまう。招待を受けた方も「これが退職では」と思って動悸がとまらない。それなら公開限定で「予定あり」にしてしまうとなおさら疑心暗鬼を生じてしまう。そんなことを考えて一般的な名前にした。すみません実際は違う案件ですと切り出すことになったけれど、ずっとモヤモヤするよりはきっと・・・と思いたい。
2020/4 引き継ぎ計画と人員計画を粛々と進める
マネージャーの立ち位置だったのでマネジメント体制を変えたり、自分だけが抱えているタスクを今いる人に渡すのか、的確なロールがいなければ採用したり業務委託したりするのかを計画し実行相談していた。この時点では特にメンバーへの公開はせず、一部のマネジメントだけに共有した上で新規案件はごめんなさい、このロールの採用必要なので面接しますね、採用基準は自分がいなくなってから困るかもしれないのでこれ使ってください、などをやっていた。
2020/5 社内オープンして具体的な引き継ぎを始める
社内と関係者共有の上、もういなくなってしまうので引き継ぎします、引き継ぎリストありますが漏れてそうな案件があれば聞いてねと言う活動を始めた。新規案件ごめんねと言いつつ振り先迷いそうな領域で1ヶ月くらいで終わりそうなものは倒していき、できる限り後に残さないようにした。
自分の書いたコードについてもドキュメントが古いものは更新し、引き継ぐにしては辛そうなコードはリファクタしたりベースの見直しをしたりと、気づくと同時に5つくらいのリポジトリを行ったり来たりしていた気がする。また、外部SaaSと密結合っぽいものはできる限り疎結合にし、万が一退職後にそれらのコードの手伝いをする場合に導入負荷を下げるなどもしていた。結果的にここ半年で一番コードに向かい合っていた気がする・
2020/6 社会的な重要書類が見つからないのでe-govのお世話になった
そろそろ最終出社日を決めるか、その時の書類は何で・・・と言う整理をする中で、雇用保険被保険者証と年金手帳を紛失していることに気づいた。
今どきアレもコレも電子申請できるだろと思って検索したら対象の再発行手続きはe-Govが扱っていた。
必要なものはWindowsPCとマイナンバーカード読み取り用のカードリーダー。今年2020年9月末からmacも対応開始するみたいなのだが今はWindows限定。カードの扱いは実質確定申告と同じなので気になる方は下記記事を参照のこと。
で、初期設定。
大体詰まるのが証明書をどうするんだ案件で、公的個人認証サービスでソフトをインストールしておく必要がある。e-Govをぱっと見では書いてないので「証明書で署名してください」と言われてもどうしていいのか分からず詰む。ただ、このソフトのことは教えてもらえない。
なお署名の際に署名用パスワードではなくPINコードを入れてくれと言われるが、実質署名用パスワードなので混乱極まる。
なお手続きはIEでやると色々設定が面倒なので、ポップアップブロックを切ったChromeを使うのが楽。Chrome行けるんだと言うのが結構衝撃だった。
時間はどのくらいかかって何が届くの?と言うと、雇用保険被保険者証は申請2日後に雇用保険被保険者証のPDFが発行された。PDFとてもよい。取り回しやすい。思わずツイートした。
雇用保険被保険者証の再発行を電子申請する→翌日にPDFで公文書ダウンロード可能に。PDFの方が取り回ししやすく便利。いつもPDFにしてほしい。
— ymtk (@hiro93n) June 17, 2020
そして年金手帳は1週間経ったがまだ審査中。聞く話では1ヶ月くらいかかることもあると・・・色々事情があれば年金窓口で一発再発行ということもできるのだけど、このコロナの状態なので避けたかった。
年金手帳がなくとも基礎年金番号があればということであれば、ねんきんネットが使える。とりあえず直近はこれでなんとかすることにした。ありがとう行政のインターネットの人。
さあこれで憂いはなくなったということで、あとは日々の朝会に出つつアカウントの削除や移行を進めていた。3ヶ月前はまさか6月も全員自宅でリモートワークすることになるとは思わなかったけれど、日々のzoomのおかげでそこまで支障を感じることなく業務を進めてこれた。
・・・そんなわけで6/26を最終出社として今に至ります。
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この4年間はQrio株式会社でIoT、特にスマートロックの世界にいましたが、開発責任者としてインフラや技術選定まわり、社内に足りていなかったフロントエンドを担当したり、事業全般のマネジメントや人事採用・育成的な業務に関わったりと、サービス設計中心だったそれまでのスキルセットであまり埋まっていなかった部分に関われました。
機器の報知設計はだいぶ得意になり、アクセシビリティを考慮したLEDと音の組み合わせは任せろという気持ちです。報知含めハードウェア界隈にいるといろんなJIS基準に助けられることも多く、以前は何かよくわからん堅苦しい基準だと思っていて大変申し訳ないやつです。
こんなタイミングで抜けてしまってQrioのメンバーには大変申し訳なく、でもやりたいことをやるのはいいんじゃない?と送り出してもらえて大変感謝しています。
Qrioで見つけて良かった概念は「しなくていいUX」。IoT、ガジェットとなると便利っぽいけど実はやることが増えてないのかと。それが好きで買っている人は良いのです。ただ、BtoBなんかだと特にそうですが、上司の好みだけでそれら機器を使わされてる人もたくさんいます。
便利になったっぽいけどやることが増える、やってることが変わっただけだというのではダメで、それについて心理的な負担が一切なくなる、ほっといていいくらいまで実現するにはどうすれば?というのは今後もサービスを考える上での良いテーマだと考えています。
その工程なくすぞくらいの、そうなると最終的にはプロダクトだけでなくサービス、くらし全般までの目線が必要で、人間中心設計とか活躍できる場もあるんじゃない?と楽しみなところです。
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IoTやスマートロックについて公私共にいろいろと情報やご意見をいただいた皆様、これまでありがとうございました。次の領域でもまた、一緒に面白い世界を実現しましょう!再発行された年金手帳、早く来てくれー。