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服について②

結局自分は服が好きなのだと思う。

新しい服を買うとワクワクするし、グーグルでその服について調べて着こなしとか見るし、手持ちの服とどう合わせるか考えるし。

服が本当の意味で好きになったのは、あまたのデザイナーがそのきらめきをふりまいていた80年代後半にさかのぼる。そのころ大学生だった私は、お金もないくせに、マルイに通い詰め、クレジットでデザイナーズブランドを買い漁っていた。その頃好きだったブランドは、pashu、be released、クードゥーピエなど、他の友達が選ばないようなマイナーなブランドであった。今思えば、20過ぎの若造が、70000円するツイードのジャケット(それも紫の)を平気で買い、大学に通っていたのだから、今考えれば恥ずかしすぎる。

そんな80年代末、(お金がないにもかかわらず)服が好きな若者が一目置いていた場所がある。そしてご多分にもれず、私もそこに魅了され、たくさんの服を買った。

それは新宿マルイメンズ館最上階である。

その広いフロアには、たった3つのブランドしか入っていなかった。

1 コムデギャルソンオムプリュス

2 ヨウジヤマモトプールオム

3 イッセイミヤケメン

他のフロアには、たくさんのブランドがひしめきあってしのぎを削っていたのに、このフロアにはたった3つ。

この3つのブランドの特別感たるや。

そしてこのフロアの緊張感たるや。

このフロアに、自分の服好きの基本があるのだと思う。しかし、現在所有しているものは1つもない。

もったいねぇー。

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