極悪街道
ラーメン、外車、ラーメン、ピザ、ラーメン、ステーキ、ラーメン、うどん、ラーメン、ニトリ、ラーメン、スタバ、ラーメン、葬儀屋、ラーメン、焼肉、ラーメン、コンビニ、ラーメン、ガソリンスタンド、ラーメン、トヨタ、ラーメン、スバル、ラーメン、質屋、ラーメン、パチンコ、ラーメン、古着、インターチェンジ
何のことだかわからないと思うが、これは実家から最寄りの神社へ行く際の道路脇の店のリストだ
これでもかなり省略した
実際はこの5倍ラーメン屋が並び、トンカツ、ステーキ、ピザと濃厚な飲食店に事欠かない
実家で暮らしていた頃、この並びに特に感じ入ることはなかっただか東京でロハスな女性と結婚し、その女性を妻として実家に連れ帰り、私の両親と共に初詣でに向かっている時、この沿道の風景が異様に思えた
妻は無農薬の野菜を買ってきて、調味料を使わず調理してくれる
小麦は食べず、肉を食べるのは月に一回、ラーメンなどはおそらく令和になってからは食べていないはずだ
私が中学生の時は長い学ランを着た一目でわかる不良というものがいたが、妻から見るとこの通りはどこまで行っても不良が竹刀を持ってガンを飛ばしている極悪街道に見えたはずだ
飲食店は身体に悪いものしかなく、飲食店以外だと外車やパチンコと非行の入り口になる業態しか店がない
ここでまともに育て、と言っても無理がある
しかし私は、妻と暮らし更生した
ラーメンを食べることはなくなり、肉は食っても続けては食わない
自分で調理する時は、フランス製の分厚い鍋で野菜を重ね煮、調味料はヒマラヤ岩塩しか使わない
その甲斐あって、私の体調は良くなり、今や体脂肪率8%
もうシャバの飯には戻れない
何でこんな店ばかり続くんだ!
去年、まだ独身だった頃、両親と同じ道を通って初詣に行った時、何も感じなかった風景に対し、私は憤怒さえ覚えていた
しかし、これはある人たちにとってこれは極楽街道に違いない
問題はその「ある人たち」と私のような更生した人間との割合だ
更生して良かった、と私は思う
だから他の人も更生すべきだと思う
それなのにこんなにも悪に歴然と立ち並んでいられたら、人はそれを悪と感じることはできないだろう
つまり、この道を通るものは悪人が多い
そしてこの道は神社へと通じている
これは悪を蔓延らせることで善の価値を上げる神社のマッチポンプなのではないのか?
私のように血糖値の上下が少ないものを食べ精神が安定してしまったら、誰も神社で自分に都合のいいことを願おうとなど思わなくなる
そんなことを思いながら、目的の神社に到着した
ここには悪人が集まっている、と身構えたが、みんな楽しそうな家族連れだった
でも、だからこそ食べるものには気をつけた方がいい
そこは極悪街道
身体に悪いものしか売っていない