地震発生時と発生後に想定される被害、リスク、影響と対策

2025年1月10日 00:45

はじめに

地震の予知は難しいため、地震が発生した際やその後のリスクについて分析します。ここでは被害の種類、リスク、影響、そして対策について考察します。リスクと影響を理解し、個人、家族、住民、市民、企業、自治体、政府それぞれが生き延びるために何をすべきか再考します。

建物の倒壊・インフラの崩壊

リスク

建物、橋、道路などが倒壊することで、人的被害や交通機関の麻痺が発生する。
ガス管の破裂、電線の断線、水道管の破損などでライフラインが寸断される。

影響

住民の避難が困難になり、救助活動が遅れる。
停電や断水、通信障害が長期間続き、日常生活が大きく制限される。
携帯電話やATMが使用できなくなり、通勤・通学が不可能になる。

対策

耐震・免震構造の建物を普及させるため、建築基準法を厳格化する。（政府、自治体）
老朽化したインフラの定期点検と更新を行う。（自治体、企業）
ガスや電気の自動遮断装置を設置し、事故を未然に防ぐ。（自治体、インフラ企業）
各家庭や施設に非常用電源や水の備蓄を用意する。（市民、住民）
防災アプリを活用して、最新情報をリアルタイムで入手する。（自治体、市民）
家庭でヘルメットや非常時に使用できる靴を準備する。（市民）
家具の転倒防止策を実施する。（市民）
電池、充電器、太陽電池、現金を準備する。（市民）

津波の発生

リスク

海岸沿いでは大規模地震に伴う津波が発生し、広範囲にわたる浸水や壊滅的な被害が及ぶ。

影響

避難が遅れると、多くの人命が失われる可能性がある。
津波により都市機能が完全に失われることがある。

対策

津波避難タワーの設置と定期的な避難訓練を実施する。（自治体）
高台への避難ルートを整備し、住民に周知徹底する。（自治体）
津波警報システムを強化し、スマホへの自動通知を導入する。（自治体）
沿岸部に防潮堤や堤防を設置し、浸水被害を軽減する。（政府、自治体）
各家庭で避難用非常バッグを準備し、迅速な避難に備える。（市民）
避難場所を事前に確認し、持ち物は最小限にして高台へ避難する。（市民）

二次災害（火災・土砂崩れ・液状化現象）

リスク

地震直後にガス漏れや電気ショートが原因で火災が発生する。
地盤が緩むことで土砂崩れや液状化現象が起き、建物や道路が崩壊する。

影響

火災が広範囲に広がり、被害がさらに拡大する。
土砂崩れで道路が寸断され、救援物資の輸送が困難になる。

対策

感震ブレーカーを設置し、揺れを感知すると自動的に電気やガスを遮断する。（市民）
土砂災害危険区域の事前調査を行い、住民に情報を提供する。（自治体）
地盤改良工事を進め、液状化のリスクを低減する。（政府、自治体）
防災マップを作成し、避難場所を周知する。（自治体）
火災消火訓練を定期的に実施し、初期消火の方法を住民に普及させる。（自治体、住民）
消火器の準備と点検を行う。（市民）
人命救助法を確認し、家具や建物の下敷きになった人の救助方法を学ぶ。（市民）

医療機関の機能停止

リスク

病院の設備が損壊し、医療従事者が避難を余儀なくされることで、医療機関が機能しなくなる。

影響

怪我を負った人の治療が遅れ、死亡率が上昇する。
避難所での衛生管理が難しくなり、感染症のリスクが高まる。

対策

耐震化された医療施設を設置する。（政府、自治体、医療法人）
災害用医療キットを備蓄し、迅速な対応が可能な体制を整える。（自治体、医療機関）
ドクターヘリの導入で、地上からのアクセスが困難な場合でも迅速に搬送できる体制を整備する。（自治体、地域医療法人）
応急手当の訓練を地域住民に実施し、軽傷者の初期対応を可能にする。（医療法人、住民）
避難所での衛生管理ガイドラインを策定し、感染症の拡大を防ぐ。（自治体）
市民が医薬品や救急用品を事前に用意する。（市民）

物資不足と社会不安の増加

リスク

食料、飲料水、燃料、医薬品などの物資が不足し、人々の不安が高まる。
経済活動が停滞し、長期間の復旧が必要となる。

影響

パニックによる略奪や混乱が発生する可能性がある。
災害が長引けば、社会不安が増し、犯罪率が上昇する。
企業活動が停止し、従業員が解雇される。
避難所で健康維持が難しくなる（睡眠不足、感染症など）。

対策

防災倉庫を設置し、地域ごとに物資の備蓄を強化する。（自治体）
行政による物資配給体制を整備し、混乱を防ぐ。（政府、自治体）
災害時の情報提供を強化し、デマの拡散を防止する。（政府、マスコミ）
地域防災コミュニティを構築し、協力体制を強化して社会不安を軽減する。（自治体、市民、住民）
現金を用意し、ATMの使用停止に備える。（市民）
市民が日用品（下着、タオル、紙用品、ラップ、トイレ用品など）や食料を備蓄する。（市民）
企業が活動を継続できる方法を検討し、従業員の安全と生活を守る対策を構築する。（企業）

おわりに

日本列島では、どこにいても大地震が発生する可能性があります。そのため、リスクを分析し、影響を最小限に抑えるための対策を日頃から考えておく必要があります。政府、自治体、マンション管理組合、企業、住民、市民、家族それぞれが備えを怠らないことが重要です。

一方で、大地震の発生回数が比較的少ない地域も存在します。たとえば、沖縄県、長崎県、山口県、岡山県、広島県、滋賀県、奈良県、岐阜県南西部、愛知県北西部、栃木県および群馬県南部、福島県山通りなどです。これらの地域に企業の情報データサーバやデータセンターを設置することも、リスク管理の一環として有効であると考えます。

下記は、気象庁の地震データベースによる震度5強以上の地震発生回数を1919年から2025年までにまとめた図です。これらの情報を活用し、地震対策を強化することが求められます。