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【2023CL愛知 12勝2敗 最終18位】ロストギラティナデッキ解説

1.はじめに

 こんにちは。初めましての方は初めまして。主に仙台でポケモンカードを楽しんでいるヒロ(@hiro_5120)と申します。

 ポケカに関する記事を書くのは前回のアルギラのnoteぶりですね。前回の記事に関して、シティリーグなどの際に他県の方から読みましたと言われたり、意外にも様々なところで反響がありました。読んで頂いた方はありがとうございます。前回の記事はこちらです↓(前レギュの記事なので読む価値があまりないです笑)

 前回の記事を書いた時には実績などは特になかったのですが、ポケカにずっと取り組んでいたおかげで2023シーズンに入ってからは僕にも少しずつ実績のようなものができました。そこまで大したものではないですが以下のようになります。

・2023シーズンシティリーグ
S1:Best16
S2:準優勝
S3:Best8

・公認自主大会等
第3回森のいぶき杯(130人規模):Best8
第3回きゃもめ杯(90人規模):準優勝
第4回デデンネカップ(64人規模):優勝

 今回は2/25、2/26に行われたCL愛知に運よく当選することができ、自身初めてのCLに参加してきました。デッキはロストギラティナを使用し、予選12勝2敗の18位でBest32に入ることができましたので、使用したデッキの言語化及びCLの振り返りとしてnoteを書くことにしました。

 ロストギラティナは使用者が多く、プレイの幅も非常に広いデッキタイプなので、使用者によって考え方がかなり変わってくるデッキだと思っています。それなので、一概にこれが正しいというものがないため、一使用者の一意見として参考にしていただけたら幸いです。もちろん、記事に関する質問やご意見などは受け付けますので、お気軽にDMなどで連絡してください。

2.環境考察とデッキ選択

2.1 環境の変遷

 まずはレギュレーション変更があった後の環境の変遷についてまとめていきたいと思います。レギュレーション変更直後の環境では、ロストゾーンを活用したデッキがまず最初に台頭してきました。具体的には、ロスト軸とギラティナVSTARを組み合わせたデッキ(以下ロストギラティナ)や、ロスト軸と様々なメインアタッカーを組み合わせたデッキ(以下ロストバレット)の2つが挙げられます。これらのデッキタイプはレギュレーション変更以前の環境では、ルギアVSTARの影響により数を減らしましたが常に一定数環境に存在し続けていました。回収ネットのレギュ落ちによりロスト軸の大きなパワーダウンが予想されていましたが、全くそんなことはなく入れ替え札の多投により解決ができる程度の問題でした。

可愛い
かっこいい

 これらのデッキの強みとしては、キュワワーの花選びやアクロマの実験を使いロストゾーンの枚数を増やしていくことで毎ターン強い動きができることにあります。具体的には、ロストゾーン4枚でエネなしで使えるウッウのおとぼけスピット、ロストゾーン7枚でエネ加速ができるミラージュゲート、ロストゾーン10枚で使えるヤミラミのロストマインやギラティナのスターレクイエムといった強力な技等が挙げられます。毎ターン安定してロストゾーンを増やすことができればこれらの動きの再現性はかなり高く、比較的安定感があるデッキタイプだと言えます。

 ここでロストギラティナとロストバレットそれぞれの強みを考えていきましょう。ロストギラティナに関しては、なんといってもギラティナVSTARの単体性能が高いことが第一に挙げられます。弱点無しの高HP、280点出せるロストインパクト、強制気絶技のスターレクイエムなど強い要素が盛りだくさんです。これに加えて、ウッウのおとぼけスピットやヤミラミのロストマイン、かがやくゲッコウガのげっこうしゅりけんなど小物にも強い技が多く、様々なデッキに対して対応力が高いことが魅力です。一方ロストバレットは非ルールポケモン中心に構成されているためサイドレースで負けにくく、ヤミラミのロストマイン連打による小物への強さ、かがやくリザードンにより終盤の大火力が出せる点が魅力です。

 これらのデッキの安定性やサイドレースの優位性などからロストギラティナとかがやくリザードンを軸とした炎軸ロストバレットがまず最初に流行しました。その後、かがやくゲッコウガやガラルファイヤーを軸とした水悪型やザマゼンタを入れた鋼軸のロストバレットなどが流行しました。

 このように環境初期ではロストが暴れ回っていたわけですが、環境初期に流行り始めた他のデッキタイプとしては、ミュウVMAXミライドンexサーナイトexのデッキが挙げられます。

 ミュウVMAXはクイックボールのレギュ落ちが痛いものの、それ以外のレギュレーション変更の影響を全くと言っていいほど受けなかったため、以前と変わらないパワーを持つ強力なデッキです。なんといってもゲノセクトVの特性フュージョンシステムによる安定性、先攻2ターン目や後攻1ターン目などの早い段階から220以上の大火力を出していくことができる点が強力です。

何回見てもバグってる特性

 ミュウVMAXはデッキタイプが2つ存在し、1つ目はフュージョンエネルギーとメロエッタやデオキシスなどのアタッカーを採用したデッキタイプ(フュージョン型)です。後攻1ターン目からメロエッタの技メロディアスエコーでVポケモンを倒しサイド2枚を取っていったり、ウッウのおとぼけスピットを耐えるHP120のデオキシスを使いロスト軸相手にサイドレースを優位に進められる点が強力です。2つ目がエネルギーがダブルターボエネルギーのみで自ら雪道を張ってジャッジマンなどの手札干渉を行っていくデッキタイプ(雪道ダブルターボ型)です。このデッキタイプはアタッカーがミュウVMAX固定にはなってしまうものの、雪道や手札干渉による妨害性能がかなり高いです。環境初期はフュージョン型が流行していましたが、後に説明するルギアVSTARの流行により雪道ダブルターボ型が数を増やしました。

 ミライドンexに関しては特性のタンデムユニットによる展開の安定性、新しく出たグッズであるエレキジェネレーターによるエネ加速が強力です。

コライドン涙目の性能
パ◯ンコカード

 環境初期では特性エレキダイナモを持つモココやデンリュウexを組み合わせた型とレジエレキVMAXと組み合わせた型、またはその両方を含んだ型など様々でしたが、環境が進むにつれレジエレキ型の方が主流になっています。またロストへのメタとしてクレッフィを採用した型も登場しました。クレッフィはレジエレキVの技スイッチボルトととても相性が良く、技を使った後にクレッフィを前に出すことでキュワワーのはなえらびやウッウのおとぼけスピットを抑制することができます。

クソ鍵

 サーナイトexに関しては特性のサイコエンブレイスによりダメカンは乗るもののほぼ無制限のエネ加速が行える点が強力で、様々な超タイプアタッカーを即起動することができます。アタッカーとしてはザシアンVやミュウツーV-UNIONなどが挙げられます。また、サーナイトexのデッキの最も強力だと考えている点は、サーナイト系列の中間進化や分岐進化がどれも有用なものばかりであるということです。特性リファインのキルリア、特性アルカナシャインのサーナイトやバディキャッチのエルレイドなどデッキの安定性に大きく貢献するものばかりです。これらの特性によって安定性も高く強力なデッキタイプとなっています。デメリットとしてはやはり2進化ポケモンが中心のため立ち上がりが遅いというところでしょうか。

バグ特性

 サーナイトexのデッキタイプとしてはクレッフィで妨害しつつ盤面を整えミュウツーV-UNIONなどのアタッカーで殴っていく型やふしぎなアメを採用して早期に殴っていく型などがあります。どのデッキタイプも先程の2進化という立ち上がりの遅さをカバーできるような構築になっています。

 他に環境初期で流行したデッキタイプとしてはアルセウスVSTARを軸にしたデッキタイプ等が挙げられます。これらのデッキは特性スターバースによる安定性やアタッカーの選択性の幅広さなどが特徴です。ビーダルを採用することでジャッジマン等の手札干渉も容易に行えるので、ロスト軸のデッキに対して強くでることができます。

 まとめると、環境初期ではロスト軸のデッキを中心に環境が構成されており、クレッフィなどに代表されるそれらのデッキタイプへのメタを差し込んだデッキや手札干渉などによる妨害要素が強いデッキが多いといった環境となっています。

 さて、環境初期の流行デッキについてまとめてきましたが、環境中期になってから新たに台頭してきたデッキタイプがあります。それがルギアVSTARです。このデッキはクイックボールやしんかのおこう、オーロラエネルギー等の各種特殊エネ、アメイジングイベルタル等の強力なサブアタッカーが軒並みレギュ落ちしたことで環境初期は姿を消していましたが、新たな型が生み出されました。それが一撃ポケモンといちげきエネルギーを採用した型(一撃ルギア)です。イシヘンジンやバンギラスV等の強力な一撃ポケモンが採用されており、デッキパワーが非常に高いです。

かつての相棒
ポン!クラッシュ!クラッシュ!

 このデッキの強みは何といってもパワーの高さと耐久性の高さにあります。アーケオスの特性プライマルターボにより先2からルギアで220点を出せ、大型ポケモンに対してはバンギラスVにいちげきエネルギーを4枚つけることで320点の大火力を出すこともできます。また、デッキに採用されている全てのポケモンのHPラインが非常に高く、最低でもイシヘンジンのHP130となっており、ロスト軸のデッキが序盤からサイドを取り進めることが困難になっています。Vポケモンに対してはVガードエネルギーをつけることで耐久値を上げワンパンされにくいです。このように耐久性が高いことでロスト軸だけではなくどのデッキに対しても一定以上の強さを持つデッキです。

 以上から、現環境ではロスト軸のデッキを中心にミュウVMAX、ルギアVSTAR、ミライドンex、サーナイトexのデッキタイプが主に流行している環境と言えます。

2.2 デッキ選択

 さて、前節では環境の変遷と流行しているデッキタイプについて考察をしましたが、まずはCL愛知に持ち込むにあたって直前のデータを見てみることにしました。

 これはTwitter上で環境の分析データを出してくださっているおすぎさん(@osgggg)のツイートになります。この分布を見てみると、先程挙げたデッキタイプがほぼ同じ割合で存在していることがわかります。このように、現環境は特定のデッキに偏っているわけではなく、どのデッキも他のデッキに対して勝ち得る環境だと感じました。また、直近のデータや使用率などから今回のCL愛知の環境をざっくりと次のように予想しました。

Tier1 ロストギラティナ、一撃ルギア、ミュウVMAX(雪道ダブルターボ型)
Tier2 ロストバレット、ミュウVMAX(フュージョン型)、ミライドンex
Tier3 サーナイトex、アルセウスVSTAR系統

 強さというよりも使用率の面からTierで分けましたが、先ほども言ったように使用率の高いデッキは他のデッキに対してほぼ互角という環境であるということから、これらのデッキタイプの差はほとんどないと考えてよいと思います。それぞれに強みがあるので今回はこれらのデッキタイプの中からデッキを選択することにしました。

 その結果自分が選んだのがロストギラティナでした。強みの所でも述べましたがこのデッキはとにかく安定感と対応力が高く、環境外のデッキと対面する可能性の高いCLにおいては最も適しているデッキだと考えました。シティリーグS3ではロストバレットを使用していたので、ロストに対する知見は少しあったことも理由の一つです。一撃ルギアやミュウVMAXを使う選択肢もありましたが、練習期間があまりなく、ミラーを踏んだ際に練度の面でどうしても差が出てしまうことが考えられ断念しました。また、これらのデッキに対しては適切なメタを差し込むことで勝つことができると考えていました。あとどうでもいいですが自分がTier1大好き人間であることも理由の一つです。

 更に大切な要素として、後攻でも強い動きがあることが挙げられます。上記に挙げたデッキタイプは、じゃんけんの結果に依存しがちなデッキが多く、9回戦のうち半分後攻を取ると仮定した場合どうしても不利な状況が生まれてしまいます。自分はじゃんけんで一喜一憂したくなかったので後攻でも強いロストギラティナは合っていたと思います(実際Day1ではじゃんけん1勝8敗でした笑)。

 以上から、ロストギラティナを選択した理由をまとめると、以下のようになります。

・安定感が高く、様々なアタッカーを状況に応じて選択することができるため、環境外のデッキに対しても対応力が高い

・他の使用率の高いデッキに対してメタを差しやすい

・後攻でも強い動きがある

 このような感じです。シティリーグS3ではロストバレットを握っていましたがなぜ今回はロストギラティナにしたかというと、クレッフィなどのロストメタがしんどかったからです。ロストバレットはクレッフィを2面立てられるとアクロマの実験を連打しなければいけなくなり、最初に引けていないとそのまま負けみたいなパターンが多いです。このような試合展開を防ぐためにアビスシークでロストを溜めることができるギラティナが偉いと感じたため、ロストギラティナを選択しました。

3.デッキリスト

  twitter上にも上げていますがまずはリストの方から。Day1とDay2のリストが以下のようになります。

Day1
Day2

 ここまで記事を読んでいただきありがとうございます。以降は有料記事とさせていただきます。これ以降では、採用・不採用カードの解説、各対面への戦い方と意識している点、当日のマッチアップなどについて触れています。続きが読みたいと思っていただけた方は是非ご購入していただけると嬉しいです。

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