こっそり評価0.5刻みとか狙い目メモとか始めてます――長柄高校馬事文化研究部活動記録⑲
10/9 阪神4R ダ1400m 1着:シダー
評価☆5
恵麻「好スタートから最初の芝部分でダッシュをきかせたシダーは2番手を追走。4角で先頭に立って抜け出すと、直線の急坂も苦にすることなく後続の追撃を封じ切った。阪神ダート1400m戦の勝ちパターンに綺麗にはめ込んだよね」
ハヤタ「後ろ脚がやや長め、首がやや短めの体型だね。1400mで先行するのに最適な体型だと思う」
璃子「あまりにもスムーズな競馬だっただけに揉まれる競馬でどうなるかだけど、器用に立ち回れそうなタイプだし、ローカル1700mとかもよさそうなイメージだよね」
10/9 東京4R ダ1600m 1着:タイセイジャスパー
評価☆5
璃子「タイセイジャスパーは好スタートから果敢に前へ。まずまず平均ペースで逃げて、最後は人気のワールドコネクターと一騎打ちになったけど、譲らなかったね」
姫「これも先行有利な東京ダート1600mの勝ちパターンにうまく持ち込んだってところかしら。比較的内目の枠から前を取れた点は評価していいわね。ゴール前で少し外へ流れぎみになったのは気になるけど、まずはいい勝ち方ができたんじゃないかしら」
ハヤタ「筋肉がふっくらついてるし、柔らかみのある足さばきには好感が持てるよ。後ろ脚が長くて、典型的なマイラー体型。とはいえ1400mくらいにも対応できそうだし、先行有利なコースで活躍が期待できると思うよ」
恵麻「2着のワールドコネクターも、有利な外枠からとはいえしっかり先行できてたし、東京ダートマイルですぐに勝ち上がれそうだね」
璃子「あとはこのレース、ザビッグマンをPOG指名してたんだよね。LEX PROの近況欄の感触が結構良くて、ひそかに期待してたんだけど……」
ハヤタ「前のスピードにはちょっとついていけてない感じだったね……。直線はバタバタになっちゃったし。完全なパワータイプだし、条件的にはダートスタートの1800mのほうがいいのかもしれない」
姫「まあ大型馬でもあるし、叩いての良化に希望を託しましょう」
10/9 新潟5R ダ1200m 1着:スマートプレジール
評価☆6
ハヤタ「この勝ち馬はここのメンバーでは1頭抜けてたと思う。肉付きが良くて胴は詰まり気味の体型で、いかにもダートの短距離タイプだよ。それでいて脚の長さもそれなりにあってストライドを稼げるし、なかなかの好素材じゃないかな」
姫「レースぶりも2番手から楽々抜け出す横綱競馬だったものね。先行絶対有利な新潟ダート1200m戦での勝ちパターンとはいえ、3キロの斤量差のあった2着馬を問題にしなかったわけだから、まさに力が抜けてたと見て間違いないわよね」
璃子「ここはダートの1200mを狙って新潟へきた感じなのかな。次は中央場所でどれだけやれるか、楽しみだね」
10/9 阪神5R 芝2000m 1着:アートハウス
評価☆6
恵麻「スタートは互いに牽制しあうような出だしになって、アートハウスは内の馬を行かせて2番手から。前半は新馬戦らしいスローな流れになったね。4コーナー手前からレースが動いて瞬発力勝負になってもしっかり対応した。上がり3ハロンもメンバー中最速タイで、危なげない勝ち方だったよね」
ハヤタ「牝馬ながら体つきに華奢なところは全然ない。体型も中距離がぴったりだね。ストライドもよく伸ばせてたし、牝馬同士なら2400mに伸びても何ら問題ないと思う。オークスを目指せる1頭じゃないかな」
恵麻「勝ちパターンに持ち込めた面はあるけど、馬体的な見どころで加点があるって感じだね」
璃子「あと注目は2着のショウナンアデイブか」
姫「セレクトセール5億円超えでかなり話題になってた馬ね。ここは1番人気にも推されてたわけだけど」
ハヤタ「後方からの競馬になって、ちょっと勝ち目がなかったね。ただ、勝負所から積極的に仕掛けていって2着に上がった点は評価していいと思う。首が長く、肩も寝ていて斜尻。中距離で差し脚を生かせる展開ならすぐ勝ち上がれると思うし、時間はかかっても上のクラスまで出世できる器じゃないかな」
璃子「勝ちパターンとは違う流れで上位に来たのは価値あるよね。勝ち切れなかった分のマイナスはあるにしても、評価は勝ち馬とほぼ同等という意味で5.5にしとこう。この1戦も伝説の新馬戦になるといいよね」
10/9 東京5R 芝1800m 1着:モカフラワー
評価☆5.5
璃子「ここも芝の新馬戦らしいスローからの瞬発力勝負になって、上がり3ハロン33秒台を出した2頭での決着になった。上がり時計では2着のインダストリアが0秒1上回ってるんだけど、終始内からロスなく立ち回れたモカフラワーのほうに軍配が上がったね。評価としては2頭とも同等でいいでしょ」
姫「週中の評判はインダストリアが集めてて、私たちもPOG指名に加えたのよね」
ハヤタ「リオンディーズ産駒は曲飛の馬も目立つけど、この馬はあまり曲飛ではないね。骨太で全体的に正方形のシルエット。スピードとパワーを兼備したマイラータイプの馬だね。次走がマイル戦になってもペースには対応できるんじゃないかな」
姫「半兄がケイデンスコールだし、血統的にもイメージに合ってるわね。ちなみに勝ったモカフラワーも指名候補ではあったのよね」
璃子「POG本の立ち写真から目をつけてたんだよね。指名数が少なければ、と思ってたんだけど、半兄のアサマノイタズラの活躍もあったのか、わりと人気になっちゃって」
姫「母父キングヘイローもトレンドだしね」
ハヤタ「わりと腰高の体型で、イメージとしてはもっと短い距離なのかなと思ってたけど、この距離にも対応してきた。後ろ脚の長さを生かして加速できるから、切れ味タイプだよ。距離を問わず、スローペースからの瞬発力勝負に強いタイプじゃないかな」
璃子「馬券的にはそういう流れになりそうなときが狙い目ってことだ」
10/9 阪神6R ダ1800m 1着:ジャスパーグレイト
評価☆5
恵麻「先行争いはそう激しくならず、ジャスパーグレイトは内枠の利も生かして1コーナー過ぎで先手を取りきれた。あとは楽なペースに持ち込んで、直線でもさらに脚を伸ばして後続を寄せつけず。10馬身差の圧勝になったわけだけど」
璃子「かなり展開に恵まれた面もあるから、数字を鵜呑みにはできないかもね」
ハヤタ「ただ、ストライドを伸ばしてスピードを出せてた。小柄なわりにダートをしっかりとらえて走れる繋の作りをしてる。湿ったダートでもいいかもしれない」
姫「アメリカのチャンピオンホース、アロゲートの産駒だからね。血統的には中距離ダートのスピード争いはお手の物かもしれないわね」
10/9 東京6R ダ1400m 1着:レッドゲイル
評価☆5
恵麻「先行有利なダートの短距離戦。前半はスタートを決めた2頭が少しやりあう展開に。レッドゲイルは追いかけずに好位に控えたけど、ペースが緩むと内から一気に前との差を詰め、直線では粘る2頭を外から差し切った。このあたりは鞍上ルメール騎手のペース判断も見事と見ていいかな?」
璃子「そうだね。先週のルメール騎手の手綱さばきは特に光ってたからね」
ハヤタ「首と脚がやや短めでコンパクトにまとまった体型だね。ヘニーヒューズ産駒にしてはめずらしく背中の作りもいい。バテずにスピードを維持できる短距離馬で、ダートの1400mまでならコース問わず走れそうだよ」
10/10 阪神4R 芝1400m 1着:ピンハイ
評価☆5.5
璃子「新馬戦にしてはめずらしく、少し上がりがかかる差し競馬になった。ピンハイは後方のポジションからになって、直線でも外で進路がふさがりかける場面があったけど、最後は内外の馬の間を割って突き抜けた。激戦のダメージは心配されるけど、勝ち方としては評価したいね」
ハヤタ「馬体のイメージとしてはお尻が薄い印象で、平坦コース向きかなとも思えるんだけどね。筋肉が優秀なのかも」
「ミッキーアイル産駒は華奢そうなやつも結構走るし、母父のジャングルポケットにしても体型はさほど見栄えしないタイプだしね。見た目からはわかりづらい力を秘めているのは、血統の特徴かもしれないわね」
10/10 東京4R 芝1600m 1着:ラスール
評価☆6
姫「このラスールは、少し前に話題にした、種牡馬によってさまざまなタイプの産駒を出す母サマーハの仔よ。新種牡馬キタサンブラックが父とあって、血統的にも注目を集めていたわね」
ハヤタ「たしかに首が長いすらっとした体型で、お父さんを彷彿とさせる体型だよ」
璃子「そういう意味では使い出しがマイル戦っていうのはちょっと意外だったかも」
恵麻「でもスピード負けは全然してなかったよ。枠やペースに恵まれた面はあるにしても4番手から先行勢を楽に追走できてたし」
璃子「直線も前が開いて一気に突き抜けて3馬身半差の快勝。ただ2、3着馬はふらついて追いづらくなった面もあるから、着差は少し割り引いて考える必要があるかもしれない。それでも上がり3ハロンの時計は出走馬中際立ってるけど」
ハヤタ「適性は中距離なのにマイル戦で他を圧倒できた点は素直に評価していいんじゃないかな。もちろん距離が伸びても問題ないし、牝馬クラシック戦線で楽しみな1頭だと思う」
10/10 新潟5R 芝1600m 1着:グランデレジーナ評価☆5.5
璃子「グランデレジーナは前半はかかりぎみに2番手。長い直線に入ると逃げ馬を楽にかわして先頭に立ち、そのまま3馬身半差をつけての快勝。純粋な脚の速さが求められるスローペースのマイル戦で、ここは性能の違いを見せつけたってところかな」
ハヤタ「うん。筋肉の収縮力を感じさせるし、背中も短めで瞬発力を出せる体型だよね。早い上がり時計の決着に強いタイプじゃないかな」
姫「兄のグランデマーレもデビュー2連勝を飾った素質馬よ。この母もコンスタントに活躍馬を送り出してきそうだし、今後POGでも人気になってくるんじゃないかしら」
10/10 阪神5R 芝1800m 1着:タガノエスコート
評価☆5
璃子「ここは2着のフォーブスをPOG指名してたんだけど、惜しくも2着。まずは勝ったタガノエスコートからだね」
ハヤタ「体型は背中が短くて斜尻。瞬発力を出せるタイプだよ。やや骨太な面もあるし、坂のあるタフなコースに強いんだろうね」
恵麻「今回は内枠からロスなく立ち回れたもんね。ちょっと行きたがるそぶりも見せてたけど、逃げ馬が引っ張ってくれて助かったんじゃないかな」
璃子「フォーブスは外枠から差す競馬になったし、展開面の有利不利は大きかったかあ」
姫「後ろから行くことじたいは想定の範囲内だった感じだけどね。ジョッキーも割り切った感じのコメントだし、初戦から勝ちに行くというよりは、どのくらいの脚を使えるのか見るレースと考えてたのかも」
ハヤタ「小柄な馬だし、テンから飛ばすよりも後ろから瞬発力を生かす競馬が合っているのはそのとおりだと思う。あと、直線の坂を上ったあとの脚が際立ってたでしょう? 平坦コースのほうがより持ち味が生きるんじゃないかな」
璃子「そう考えると、京都が改修中なのは痛いけど……」
姫「今日の感じだと未勝利レベルならすぐに勝ち上がれそうだけど、差して届かずのパターンが出てくることは覚悟しておいたほうがいいわね」
10/10 東京5R 芝2000m 1着:テラフォーミング
評価☆5
恵麻「好スタートを切ったテラフォーミングは外の馬の動きを見ながら先行を試み、急角度の1コーナーでやや外に膨れる場面がありつつも、2番手を確保。かなりスローで流れたこともあって、直線でも脚色は衰えず、後続の追撃を振り切った」
ハヤタ「マイラーっぽい筋肉の付き方だけど、この流れだとむしろそのスピードが生きた感じかな。ただまだ水っぽさはあるし、もっと引き締まってくればこのくらいの距離も走れてくるかもしれない」
璃子「1番人気のチェルノボーグもよく伸びていたけど、今回はさすがに流れが遅すぎて間に合わなかった感じかな」
ハヤタ「そうだね。パドックの歩きを見ても体の使い方がいいし、普通の流れになればすぐに勝ち上がってくると思う」
10/9 阪神3R 未勝利 芝1800m 1着:ジャスティンロック
恵麻「さて、ここからは注目の未勝利戦を取り上げるよ。まずは土曜阪神3Rを勝ったジャスティンロック。初戦は注目を集めたトゥデイイズザデイの2着だったけど、2戦目できっちり勝ち上がったね」
璃子「スタートはやや出負けして後方からになったものの、800m過ぎから押し上げて4コーナーで先行集団に並びかけた。この機動力は評価していいでしょう。ただ直線は突き抜けるってほどではなかったし、モタれて追いづらくなってた2着サトノアヴァロンとの接戦だから、最終的な評価は保留にしたほうがいいかもね」
10/10 東京3R 未勝利 芝2000m 1着:レッドランメルト
璃子「ここはPOG関連。指名馬のレッドランメルトが2戦目で勝ち上がり。未勝利をこじらせずに済み、イケてなかった馬列伝入りを回避してくれました!」
ハヤタ「ものすごく切れるタイプじゃないけど、跳びは大きいし、初戦の札幌よりも直線の長いゆったりとした東京コースのほうがこの馬にとっては力を発揮しやすかったんじゃないかな」
姫「たしかに。今回の走りを見ると、今後も東京の芝2000mあたりで勝ち星を重ねていくイメージがわいてくるわ」
10/9 阪神9R りんどう賞 芝1400 1着:ダークペイジ
恵麻「次は特別戦だね。りんどう賞は牝馬限定の芝1400mの一戦。ここはダークページが2番手追走から直線抜け出す王道の競馬でデビュー2連勝を飾ったよ」
姫「芝の短距離戦でのお手本のような勝ち方よね。センスがあるってことだわ。あとは多頭数で揉まれた際の対応ね。今回は2番手でほとんどプレッシャーを受けずに回ってこれたけど、この路線で上級クラスに行こうと思うと、タフなレースも多くなってくるからね。今後、馬群の中でも我慢できる経験値を積んでいってほしいところだわ」
10/9 東京11R サウジアラビアRC 芝1600m 1着:コマンドライン
恵麻「さあ最後はお待ちかね、先週の2歳戦のメイン、GⅢサウジアラビアロイヤルカップだよ! 7頭立ての少頭数とはなったけど、私たちのPOG指名馬コマンドラインが人気を分け合ったステルナティーアとの争いも制して見事重賞初制覇してくれました!」
姫「前半3ハロンが37秒7の超スローペースになって、スタート直後は抑えて後ろから行ったコマンドラインが向こう正面で押し上げて2番手まで上がったのよね。ウナギノボリの出遅れはあったものの、全馬ほとんど一団で直線を迎え、瞬発力勝負に。上がり時計だけ見れば、わずか0秒1~0秒3とはいえ、2~4着馬のほうがコマンドラインより早いのよね。そう思うとなおさら、向こう正面で押し上げたルメール騎手の判断が勝負を分けたともいえるわ。ダービーのレイデオロじゃないけど、ルメール騎手の『神騎乗』のひとつに数えられる1戦になったと思うわ」
璃子「えー、でもそれじゃあ、今回のコマンドラインの勝利はルメールの手腕に負うところが大きかったってこと?」
ハヤタ「いや、そうとも言い切れないと思うよ。やっぱりこの馬の馬体の迫力は今回のメンバーでも際立ってたし、ここまでジオグリフをはじめ何頭も良い馬を見てきたけど、やっぱりコマンドラインも世代屈指の好馬体の持ち主だなって思った。能力の高さが勝利に結びついたのは間違いないと思う」
姫「瞬発力の面では上と言われていたステルナティーアをスローの上がり勝負で破ったわけだしね。その意味では適性とは少しズレるレースを勝ち切ったともいえるわけで、むしろ強い内容ともとれるんじゃないの」
恵麻「ただそうなってくると、この馬の適性はどこにあるんだろうってことだよね。デビューから2連勝はともに東京芝マイルになったわけだけど、コースが替わってどうなの? とか、距離が延びてどうなの? って」
ハヤタ「そこは……なかなか難しいところなんだよね。まず骨格がしっかりしたタイプだから坂はまったく問題と思う。後ろから切れる脚を使うというより、先行して抜け出す競馬を得意とするタイプだよね。距離は2000mくらいは問題なくこなすと思うけど……もしかするとマイラーとしての資質も高いかもしれないね。馬体が良いし、連勝してることもあって、まだ弱点らしい弱点が見えてこないんだ、正直……」
璃子「お、おお、それはまあ、嬉しい悲鳴ってことでいいんじゃないの。話を聴いてると、サリオスとかリアルスティールとかがイメージに近いのかな? いずれにしても大物感のある馬だってことだ」
姫「このあとは朝日杯FSに向かうのかホープフルSに向かうのかまだわからないけど、どっちでも好勝負はできそうね。炎の十番勝負的には朝日杯FSで勝ってほしいところだけど、さて……」
恵麻「というわけで、12月の楽しみが増す週末になったよね。今週末は2歳重賞はないけど、オープンや1勝クラス、未勝利戦にもクラシックを狙う逸材が隠れてる可能性は十分にあるし、見逃せないよ。じゃあ、またね」