公開延期のお知らせ――長柄高校馬事文化研究部活動記録⑯

9/18 中京4R ダ1800m 勝ち馬:アスクドゥラメンテ
評価☆6

璃子「えー、皆様。今回の馬事文化研究部の活動ですが、先週の中央競馬が三日間開催となり、加えて我々のPOG指名馬も多数出走し、レース回顧が長くなると予想されることから、予定しておりました脱線を次回以降に延期とさせていただきます。毎度の脱線を楽しみにされていた皆様には、心よりお詫び申し上げます」
姫「いやあんた、誰もいない方向に深々と頭を下げて、いったい誰にお詫びしてるのよ……」
ハヤタ「ていうか、脱線なのに予定があったんだ……」
恵麻「まあ回顧に時間がかかりそうっていうのは本当だから。さっそく最初のレースにいくね。まずは土曜中京4Rの新馬戦。勝ったのは1番人気のアスクドゥラメンテ。好スタートを切って先行集団を行かせて好位追走。直線はバテる馬たちをうまくかわしつつ抜け出して快勝。序盤、中盤、終盤とどこを取ってもセンスの良さが光る競馬だったよね」
ハヤタ「骨格がしっかりとした感じで、全体的な馬体のバランスがいいよ。そのあたりがレースでの操縦性の高さにつながってるのかもしれないね」
姫「母のプラウドスペルは毎年のように勝ち上がる産駒を出す良い繁殖よね。ディープインパクトがつけられたきょうだいは芝での活躍も目立つけど、母系の本質としてはやっぱりダートなのかしら?」
ハヤタ「そうだと思う。ダートをしっかりととらえて走れる馬体なんだよね。ダートでどんどん勝ち上がっていけると思う」
璃子「なるほど、有望株だね。ただ、勝った馬には申し訳ないけれど、このレースはやっぱり、2着馬が気になってしょうがない……」
姫「ナオミニデレデレヤ……。今回の実況で、発音は関西なまりであることが完全に確定されたわね」

9/18 中山4R ダ1800m 勝ち馬:ブラックルパン
評価☆5

恵麻「ブラックルパンは好スタートから気合をつけられつつ道中は3、4番手を追走。仕掛けられてからは4コーナーをスピードに乗って抜けて、直線で逃げた2着馬を危なげなくとらえて新馬勝ち」
ハヤタ「胴と脚が長くてストライドの大きな走りが目立ったよね。良い馬だと思う。仕上がりももう一段階上がありそうだし、昇級しても十分にやれる器じゃないかな」
璃子「人気はあまりなかったんだけどね。むしろ私たちがPOG指名したフレイムジョーカーのほうが2番人気だったわけだけど……」
姫「道中は勝ち馬と並んで追走し、こちらが先に仕掛けて先頭に並びかけたけど、4コーナーで加速のついた勝ち馬に内からかわされて、ちょっと太刀打ちできない感じになっちゃったわね」
恵麻「それでもバテバテにはならずに最後まで走り切れた印象はあるし、そこまで悲観する内容じゃなかったよね?」
ハヤタ「うん。前脚が長め、後ろ脚がちょっと短めの体型で、ダートの中距離は合うと思うし、なかなか繊細さのある皮膚感もロージズインメイ産駒の良い部分が出てると思う。展開次第でチャンスはあると思うけどなあ」
璃子「レース後は一旦外厩で調整されて、10月からの新潟開催を目指すみたいだね。新潟のダート1800mとか合いそうな雰囲気あるし、うまく先行して勝機をつかんでほしいよね!」

9/18 中京5R 芝1200m 勝ち馬:ラキエータ
評価☆4

姫「ラキエータは上にマイルGⅠ2勝のインディチャンプ、GⅢ勝ちのアウィルアウェイのきょうだいがいるキンシャサノキセキ産駒。雄大な馬体を誇る上2頭とは対照的に400キロそこそこの小柄な牝馬だけど、ここは血筋の良さを見せつけたというところかしら」
ハヤタ「そうだね。さすがに体の小ささは否めないけど、筋肉の質はなかなか目を引くし、小さいなりに均整が取れてるよね。今回の不良馬場もこなしたし、どういうコースや馬場でも安定して力を出せそうな感じがする。もちろん芝の短いところがベストだけど」
璃子「そして私たちは、このレースに出走したクリノマジンをPOG指名馬に加えたんだよね。こっちはどうなのさ?」
ハヤタ「ビッグアーサー産駒らしく筋肉は繊細さよりも太さが目につくよね。ただ体型ははっきり短距離志向が出ているし、短いところなら芝・ダートの両刀使いも目指せると思う」
恵麻「結果は4着だったけど、直線で内が詰まっちゃって追い出しを待たされる不運もあったよね。そう考えると、順調に使っていければ勝機はそう遠くないんじゃない?」
璃子「『週刊Gallop』の短評でも『次は買い』で取り上げられてるもんね。ある意味急な指名だったけど、間違いじゃなかったはず」
姫「急な、っていうのは、じつをいうと前日の直前まで、このレースに出てた高橋義忠厩舎のもう1頭、フェリシタシオネスを指名する予定だったのよね、私たち。ところが高橋厩舎のHPに載ってる近況を追っていくと、どうもこの馬、喉に不安があるらしいということがわかって、直前で指名をキャンセル。そうしたら同じ高橋厩舎からもう1頭出走馬がいることに気づいて、HPの馬体写真を見てたらハヤタが『あれ? この馬、結構いいよね」って言い出して……」
ハヤタ「そ、そんな。僕が元凶みたいな言い方しないで……」
姫「ああ、違う違う。別にハヤタのせいとか言うつもりはないからね。それに、結果的に期待の持てる馬を拾えたわけだから、感謝こそすれ責めたりはしないわよ」
璃子「まあ指名予定馬のプロフィールを調べていくうちに高橋厩舎のHPにたどりつけたのはラッキーだったよね。所属馬一頭一頭の近況や写真を掲載してて、ファンに向けてかなりしっかり情報提供してくれてる素晴らしい厩舎だよ」
恵麻「特に個人馬主さんの所有馬の情報ってPOG媒体とかにも乗りにくいから、こういう取り組みはPOGファンにとっても本当にありがたいよね」
璃子「POG指名ってかたちではあるけどこうして縁を作らせてもらったことだし、私たち長柄高校馬事文化研究部は、これからも高橋義忠厩舎を応援していきます!」

9/18 中山5R 芝1800m 勝ち馬:ブルーグロット
評価☆4 

姫「ポンとハナを切って道中は1000m66秒4のスローペース。そのまま後続の追撃をしのいで1着。父ゴスホークケンを彷彿とさせる逃げ切り勝ちよね。オーナーゆかりの血統よ」
ハヤタ「結構脚の長い体型。展開に恵まれた面もあるけど、ペースを上げてからの走りはストライドが大きくて良かった」

9/19 中山3R 芝1200m 勝ち馬:アポロルタ
評価☆5

姫「好位追走から直線しぶとく伸びたアポロルタがゴール前で逃げ馬をきっちり差し切ったわ。これもオーナーゆかりの血統よ」
ハヤタ「体格は小さめだけど、筋肉は結構繊細で脚も長め。ストライドもよく伸びて、まさにしぶとい差し脚が身上って感じだよ」
璃子「で、ここはルナエルモッサをPOG指名してたわけだけど……うーん、7着かあ」
恵麻「ちょっと展開が厳しくなった面はあったよね。スタートをポンと出て道中は中団に控えたのはよかったんだけど、4コーナーでかなり外目を通るかたちになっちゃったから、追い込んでもあそこまでが精一杯だったかな」
姫「ジョッキー談話によると、4コーナーで不利もあって大外になったみたいね。そういう意味では力を出し切れなかったと言えるかもだけど……。葵S勝ちのアリンナの下だし、血統的なポテンシャルはあると思うのよね」
ハヤタ「たしかにスタートの速さなんかはオッと思わせるところがあったよね。小柄なほうではあるけど、筋肉の質を見てるとダートでも案外いけそうな感じはあるよ」
璃子「まあなんにせよ、まだまだこれからでしょ。LEX PRO のHP近況によると続戦できるみたいだし、POG戦略的には出走を重ねつつ、未勝利で入着を続けてポイントをコツコツ稼いでくれるのもありだ」

9/19 中京5R 芝2000m 勝ち馬:トゥデイイズザデイ
評価☆6

璃子「先週の新馬戦で再注目のレースはやっぱりここかな。特にディープインパクト産駒のトゥデイイズザデイが大物と評判でPOGでも大人気。ついに初戦を迎えてどんなレースを見せるのかと思っていたら……まさかの逃げ」
恵麻「7頭立ての少頭数で、押し出されてハナって感じだったけどね。ペースも1000m65秒8の超スロー。こうなるとさすがにあとは普通に走れば後ろから差されることはなかったか」
璃子「うーん、もちろん快勝ではあるんだけど、ちょっと能力判断が難しいレースにはなっちゃったかな」
ハヤタ「そうだねえ……。馬体のバランスはすごく良いし、飛節もよく伸びてとてもエネルギー効率の良い走りができそうだよね。そういう意味では2400mに伸びても確実にやれると思う。ただ、コントレイルみたいに筋肉の質の面で突出した力があるかというと……もう少し様子を見てみたいかな」
姫「なるほどね。ここは今年のAJCC勝ち馬アリストテレスの弟、ソクラテスも注目を集めていたわけだけど、こちらはどう?」
ハヤタ「まだ緩さが目立つけど、胸の深さは目を引くよね。馬体の迫力という点ではトゥデイイズザデイより上と言ってもいいよ。お兄さんよりパワーが勝ってる感じもするし、ひょっとしたらダートの2000mくらいでも活躍できるかも」
璃子「あとはジャスティンロック、ソリダリティといった上位入着馬もそれなりの評価。ここいらの次走以降の活躍如何でトゥデイイズザデイの評価も定まってきそうだね」

9/19 中山5R 芝1600m 勝ち馬:アンクロワ
評価☆5

恵麻「ここは内の好枠を生かして3番手で前に壁をつくって追走したアンクロワが直線で難なく抜け出して後続を突き放したね」
ハヤタ「筋繊維が細やかな感じが目を引いた。モーリス産駒にありがちなモコモコ感がないというか。フットワークもしっかりしてたよね」
璃子「ただ、ジョッキーはレース後、精神面での不安を口にしてるんだよね。気性の難しさがあるのかも。次走以降はパドックや返し馬でテンションがあがりすぎてないか、注意が必要じゃないかな?」

9/20 中京4R ダ1400m 勝ち馬:テーオーシャルマン
評価☆5

恵麻「ラブリーデイ産駒のテーオーシャルマンが好位から反応よく抜け出して快勝。牝馬ながら牡馬の人気馬を見事蹴散らした」
ハヤタ「前脚が短めの体型で、いかにもスピードの乗りが良さそう。フットワークもピッチ走法だよね。ただ距離はマイルまで持つと思うよ」

9/20 中京5R 芝1600m 勝ち馬:レッドラマンシュ
評価☆5

姫「大外枠でもスタートを決めて2番手につけたレッドラマンシュが残り100mで先頭に。追いすがる後続を抑えきって新馬勝ちを決めたわ」
ハヤタ「適度な胴伸びがあって背中も短め。四肢も芝向きのしなやかさがあって、理想的なマイラーの体型だよね。直線の長い中京コースも合いそうだし、この条件で勝利を重ねていけるんじゃないかな」

9/20 中山5R 芝1600m 勝ち馬:ロムネヤ
評価☆5

璃子「好スタートからスッとハナへ。そのまま折り合って進めたこともあって、直線での競り合いもしのぎ切って新馬勝ちだね」
ハヤタ「小柄だけど脚の付く位置が良くてバランスがいい体型だね。ピッチ走法で機動力があるよ。直線の短いコースが合ってるんじゃないかな」

9/20 中山6R 芝2000m 勝ち馬:ファンタジア
評価☆5

恵麻「月曜日3つ目の新馬戦はハービンジャー産駒のファンタジア。終始内目をロスなく回ってきて、直線はスムーズに先行勢の外へ。坂でも止まらずじわじわ伸びて最後は前をとらえきった。切れたというより最後まで止まらなかったって感じかな」
ハヤタ「そうだね。体型的に芝の2000mはぴったり。バランスもよくて器用な立ち回りができるよね。晩性傾向のあるハービンジャー産駒だし、息の長い活躍ができるんじゃないかな」
姫「姉がハープスターってことで注目を集めていたライリッズはどう?」
ハヤタ「筋肉の質、体のハリはさすが血統馬と思わせるものがあったよ。ただ距離はマイルくらいがベストじゃないかな。距離を詰めてくればすぐにチャンスが回ってくると思う」

9/20 中山4R未勝利 芝1800m 勝ち馬:アスクビクターモア

璃子「先週の未勝利戦からは、やっぱりこのレースに注目したいんだよね。なんたって『代理戦争』だからね」
恵麻「どういう意味?」
璃子「このレースの上位人気馬の馬柱をよく見て。1、2番人気のアサヒとアスクビクターモアが出走した前走の勝ち馬が、ジオグリフ。そして3番人気のメンアットワークの前走で勝ったのがイクイノックス。どちらもこの世代のクラシック戦線を引っ張っていくであろう期待馬だよね。その2頭と対戦した馬たちの激突となれば、これはどっちの新馬戦のほうがレベルが高かったんだ⁉ ってなるでしょ」
恵麻「なるほど、それで『代理戦争』か」
/璃子「しかもアサヒとアスクビクターモアがジオグリフの2着と3着、メンアットワークがイクイノックスの2着だから、レースレベルを推しはかるにはまさにおあつらえむきのメンバーだったんだよね。それで、結果は……」
恵麻「1着アスクビクターモア、2着アサヒ、3着メンアットワークだったね。2着と3着は5馬身差がついたし、展開もあるにせよ、この結果からはジオグリフ組が上ってことになっちゃうのかな?」
璃子「ただ、ジオグリフは前走でアサヒとアスクビクターモアにそれぞれ0秒2、0秒3差。対してイクイノックスはメンアットワークに1秒差をつけて勝っているわけだから、このレースでの着差をそのままジオグリフとイクイノックスの差と取ることはできない、という見方もできるんじゃないかな」
恵麻「いずれにせよ、これでますますジオグリフとイクイノックスの激突が楽しみになってきたよね。もちろんこのレースで勝ったアスクビクターモアの瞬発力も目を見張るものがあったし、今年の牡馬クラシック戦線は粒ぞろいだよね」

9/20 中京1R 未勝利 ダ1200m 6着バーニングアイズ

姫「次はPOG関連よ。指名馬のバーニングアイズが2戦目でダートに挑戦したわけだけど……結果は6着」
ハヤタ「減量騎手起用で50キロの軽斤量、注文通り逃げを打って進められたのはよかったんだけど、ちょっと踏ん張り切れなかったかあ。ダートもこなしてくれたとはいえ、この馬の適性はやっぱり芝かな……」
姫「今回のダート挑戦については、同きゅう舎で芝1200mに出る未勝利馬がいて、バッティングを避けるためだったみたい。このあたりは大人の事情ってやつだったのかしら……」
ハヤタ「まあクラブのHPでいきさつが公表されてるわけだから、やましいことはないんじゃないかな。今回は惜しくもポイントは取れなかったけど、芝でもダートでもスピードや先行力があるところは見せてくれたし、そのうちチャンスはくるよ、きっと。あとは怪我とか体調に気をつけてほしいね」

9/20 中京9R ヤマボウシ賞 ダ1400m 勝ち馬:コンバスチョン

璃子「さて、先週の振り返りもこれで最後だね。1勝クラスのヤマボウシ賞。意外にもこの3日間開催で、新馬、未勝利以外の2歳戦はこのひと鞍だけだったんだね」
恵麻「それに、ダートの1400m戦ってこともあるのか、出走頭数も8頭とおちついた。とはいえ、ダートの短距離を勝ち上がってきた精鋭が顔をそろえた感じだよね」
姫「その中で勝利をおさめたのは1番人気に推されたコンバスチョン。序盤は後方寄りのポジショニングだったけど、ペースのゆるみに合わせてじわじわ追い上げて、直線に入って2着馬と並んで先頭へ。そこからはマッチレースになったけど、力強い脚取りで競り合いを制して、見事デビュー2連勝を飾ったわ」
ハヤタ「体高もそれなりにあって正方形のバランスがいいシルエットで、やっぱり良い馬だよね。ダートの1400mがぴったりって感じだし、古馬になっても上級クラスで活躍できそう。じっくり力をつけていければいいよね」

璃子「いやー、ようやく終わったね。3日間開催は嬉しいけど、やっぱり大変だわ。じつは時空の歪みが生じて、タイトルどおり公開延期になっちゃったしね。そういう意図でつけたタイトルじゃなかったのに」
姫「そのあたりは3日間開催ってことで多少はお目こぼししてもらいたいものよね」
恵麻「ちなみになんだけど、今回予定してた脱線って、どんな内容だったの?」
璃子「ああ、それはね、『よりリアルになった馬主SIM・ウ〇ポ17で起こりがちなこと』ってやつだよ」
ハヤタ「そのIP〇ONグランプリみたいな脱線、まさか来週ホントにやらないよね……?」
璃子「To be continued……?」

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