秋競馬も始まったことだし、このあたりでいちど、みんなの設定を振り返っておこう。――長柄高校馬事文化研究部活動記録⑮
「この間たまたま、『ぼくたちのリメイク』ってテレビアニメを見てたんだけどさ。第1話で、主人公が自分の部屋の本棚を見て、あるはずのライトノベルの続巻がなくなってることでタイムスリップに気づく、っていうシーンがあったね。でもあれ、集めてたのが『涼〇ハ〇ヒ』シリーズだったら最悪、いつまで経ってもタイムスリップに気づけない可能性もあるよね……」
「いやいやいや……」
部室のテーブルに突っ伏していた室谷さんが気の抜けた声でなにやら謎のつぶやきを発していた。毎度だけど、どうしたの? 脱線の内容がいよいよ競馬と関係なくなっちゃってるけど。
「放っておきなさい、ハヤタ。その子、進路面談で担任にこってり絞られて魂が抜けてるだけだから」
と、つっけんどんに言い放ったのは阿久津さん。室谷さんの正面に腰かけた彼女は、目の前の暗い物体を意に介さず、競馬週報のページをめくっていた。
「進路の話つながりではあるんだけどね。ただ、2016年から2006年へのタイムスリップなら『分裂』と『驚愕』の未刊で気づける可能性はあるよね」
律儀なファクトチェックを繰り出したのは、室谷さんのとなりに座る渡辺さんだ。いや、室谷さんもそこまで考えて脱線してないと思うよ?
ともあれ、開始早々、室谷さんの気が抜けている理由はわかった。
「そっか、室谷さん、今日が面談だったんだ」
予告どおり、前回の続きである。
二学期の始め、一年生の全員が今後の進路について担任教師と一対一で話し合う進路面談。僕と阿久津さんは一昨日、また渡辺さんは昨日、それぞれ面談を終えていて、部員の中で残すは室谷さん一人だったのだけれど……。
「まあ、この子がいちばんこじれるとは予想してたけど、案の定だったみたいね……」
阿久津さんが憐れむような目を室谷さんに向ける。たしかに不憫ではあるなあ……。
「……ちなみに室谷さん、面談で『卒業後の進路』についてなんて答えたの?」
「それはまあ……『馬券生活者』」
……どうしよう、憐憫の情を持ち続ける自信がなくなってきた。
もちろん室谷さんのその夢については知ってはいたんだけど、「卒業後の進路」としてあらためて聴くとなかなかのパワーワードだよね、「馬券生活者」。
偏見かもしれないけど、真っ当な生活を送ってる姿がいっさい想像できないんだよなあ。
「ていうか、競馬関連の進路って意味じゃみんなだって同じじゃん。なのに私だけガミガミ説教されるとか、納得いかないんだけど!」
ようやくおもてを上げたと思ったら、いきなり噛みついてきた室谷さん。情緒不安定だなあ。
「競馬『関連』どころか、直接的すぎるのよ、あんたのは」
「うーん、前例は極端に少ないだろうし、先生もどう進路指導したらいいか困っちゃうんだろうねえ」
阿久津さんと渡辺さんの反論はまったくの正論で、それは室谷さんもわかっているのか、口をとがらせてだんまりしてしまう。拗ね谷さんモードだ。
「……それじゃあ、みんなはどうやって乗り切ったのさ? あの地獄の進路面談を」
じと目を向けてきた拗ね谷さんに、阿久津さんは苦笑を返す。
「地獄って……まあ私は普通に大学進学について話したわよ。法学部か経済学部が志望って伝えたら、まだ一年生だし大学や学部は絞り込みすぎずにいろいろ調べてみるのもいいぞ、って担任からアドバイスされたくらいよ」
「法学部ぅ? え、なんで? 姫は馬主になりたんだから、高校卒業後すぐに起業して、青〇で一発当てるんじゃないの?」
「なんで王子路線が前提なのよ。だいたい、その道は破滅に通じてるじゃない」
いや、健全な経営を続けてちゃんと税金も納めていれば破滅はしなかったはずだけどね。
「あんたたちも知ってると思うけど、馬主、特に中央競馬の馬主になるには厳しい審査を通過しなきゃいけないのよ。競馬界と縁故があるわけでもない私みたいな小娘がすぐに馬主になれるなんて思ってないし、まずは社会的に一定の成功を収めないと。もちろん起業も考えてるし、お父さんの工場経営を手伝ってもいいと思ってるけど、まずはどこかの企業に入社してビジネススキルを高めたり、人脈を広げたりするのもアリかなって思ってる。そのためにも大学へ行って将来に役立つ法律や経済の勉強もしたいのよ」
「お、おお……。なんだよ、姫。ふだんは『阿久津姫HD設立!』とかぶちあげてるのに、めちゃくちゃ堅実な将来設計考えてるじゃん……」
「べ、別に、このくらいフツーでしょ」
尊敬のまなざしを向ける室谷さんから、照れくさそうに顔をそむける阿久津さん。褒められてまんざらでもないって感じだ。
「私も卒業したらとりあえず大学に行こうかなって思ってるよ。姫ちゃんほど将来のことをきちんと考えてるわけじゃないけどね」
と、つぎは渡辺さんが話しはじめた。
大学進学、と聴いて、室谷さんがまたも意外そうに目を丸くする。
「そうなんだ。恵麻はカメラマン志望だから、てっきりカメラの専門学校とかに行くのかと思ってた」
「もちろん専門学校もアリだと思うんだけど、大学でいろんな勉強したり、サークルとか入っていろんな人と付き合ったりするのもおもしろいかなって思うんだよね。姫ちゃんも言ってたように、大学で人脈ができて将来の仕事につながったりするかもしれないしさ。まあ単純にもうちょっと学生として楽しみたいっていうのもあるしね。学生で時間のあるうちに、競馬場とか北海道の牧場とかたくさん行っておきたいし」
ふふふ、といたずらっぽく笑う渡辺さん。おどけてみせてはいるけど、これはこれで立派な考え方だと思う。フォトグラファーって写真の技術だけじゃなく芸術的な感性も必要だろうし、学生時代にいろんな経験をして見識を広げておくことは、夢の実現に向けて遠回りのようで近道でもあるのだろう。もちろん仕事の面に限らず人間的な成長にもつながるはず。渡辺さんは学業成績も良いみたいだし、どこでも好きな大学に進学できそうだ。
「そっかぁ……。意外と言っちゃ悪いけど、ふたりとも結構いろいろ考えてるんだね……」
阿久津さんと渡辺さんの話を聴き終え、室谷さんは深いため息をついた。わかるよ、気持ちは。身近な友達がこうやって進路についてちゃんと考えてることを知ると、どうしても我が身を振り返って焦っちゃうよね。
「まあさ、室谷さんもとりあえず大学とか専門学校とか考えてみてもいいんじゃない? 大学なら競馬関係のサークルもあるって聞くよ?」
競馬メディアにサークルとして寄稿しているところもあるし、大学の競馬サークル出身を公表してる評論家さんとかもいるよね。
「まあ、ああいうのは超有名大学のサークルばっかだけど……ていうか、ハヤタはどうなの? やっぱり進学希望?」
「ええと、僕は……」
急に水を向けられて、思わず目が泳いだよね。
「……とりあえず2年生からのコース選択は文系にしておこうかな、って……」
「……」
はい、そうですよ。なんとなくお茶を濁してきたけど、将来なにをしたいとかどこの大学や学部へ行きたいとか、具体的にはなにも決まってませんよ。
いや、やめて? みんな。そんな、なにこいつ、みんなの進路について偉そうに批評してたくせに自分はなにも考えてないのかよ、とでも言いたげな、あきれた目で僕を見ないで?
違うんだって……。僕って、将来の夢を抱く女の子たちに囲まれて自分の将来に悩むって設定のキャラなんだって……。あと、帰国子女だから日本の大学とかもまだよくわからなくて……だからやめて? キャラ設定に逃げてるとか言わないで?
まだ高校一年生だし、僕みたいな人も少なくないと思うんだけどなあ。
なさけなくもうろたえる僕を見て、阿久津さんがため息を落とす。
「まあ、とりあえず文理選択だけでも決めてるんだから、璃子よりはマシか……文系なら私と同じ大学を目指してもいいし……」
「え?」
後半の声が小さくて、なにを言ったかよく聞き取れなかったんだけど……。
と思っていたら、なぜか渡辺さんがにんまりと口元をゆがめて僕に体を寄せてきた。
「ハヤタ君、文系かあ。だったら私も文系にしようかな。それで、ふたりで一緒に同じ大学入ったら楽しそうじゃない?」
「なっ!?」
渡辺さんのひとことに、阿久津さんがなぜか驚愕の表情を浮かべる。ええ……僕が渡辺さんと同じ大学に入るのって、そんな意外なことなの? たしかに成績的には結構厳しそうだけど……。
と思っていたら、今度は室谷さんまでもが顔をしかめる。
「ダメダメ。ハヤタは私の馬券のブレーンなんだから。大学は行っていいけど、土日は私に付き合ってもらわないと」
「ななっ!?」
阿久津さん、その驚きはわかる。強制的に土日拘束とかはさすがに横暴では……。いや、それはそれで楽しそうだからいいんだけど。
と思っていたら、つぎは阿久津さんにいきなり胸ぐらをつかまれた。
「ちょっとハヤタ! あんた、将来どうするかちゃんと決めなさい! 責任とりなさいよ!」
「え、ええっ!?」
な、なんでいきなりこんな詰められてるの、僕? 親と先生にもここまで厳しく追及はされてないんだけど……。せ、責任とは?
「決まってないなら、もうハヤタも馬券生活者でいいじゃん。なれるって、私たちならきっと!」
室谷さん、僕の進路を適当な感じに決めないで? ほら、阿久津さんの顔つきがいっそう険しくなっちゃってるし……。
「まあ、誰でも気軽に選んじゃっていいんじゃない? 最近の風潮だと、28歳くらいまでならリメイクとかリライフできるみたいだし。しかも交通事故とかで痛い思いしたり変な薬飲んだりしなくても寝るだけで戻れるんだから、便利になったもんだよね」
それ、最近の青春エンタメの風潮だよね、渡辺さん? 僕、ラノベ主人公じゃないよ?
現実の競馬とリンクした物語をお送りする僕たちには、サ〇エさん時空はあってもそれ以外のSF設定はないことになっている。そういうことで、よろしくお願いします。
このあと、なぜかふくれっ面になった阿久津さんの機嫌が直るまでに若干の時間を要しつつも、いつもどおり先週の2歳戦を回顧する部活が始まったのだった。
9/11 中京4R 芝1600m勝ち馬:ナミュール
評価☆5
姫「……まったく、人をからかうのもいいかげんにしなさいよね」
恵麻「あはは、ごめんって。それでええっと、このレースはマンクスポップ、アドマイヤラヴィといった重賞馬を母に持つ良血馬も出走してきたけど、勝ったのは2番人気のナミュールだったね」
ハヤタ「体格や体型は少しこじんまりとしているけど、筋肉は柔らかくてバネがある良い体質だよ。お父さんのハービンジャーの良さもあるけど、お母さんの血筋もいいんじゃないかな?」
姫「そうね。この馬の母サンブルエミューズは現役時代、2歳時のオープン特別勝ちを含め3勝の活躍。産駒のヴェスターヴァルトも現在オープンクラスで走っているわ。そして三代母は桜花賞馬キョウエイマーチ。母の父はダイワメジャーでもちろんサンデーサイレンスの血も入っているし、先に挙げた2頭にも勝るとも劣らない素晴らしい血統構成と言えるんじゃないかしら」
璃子「スローペースだったとはいえラスト2ハロンは10秒8、10秒7といわゆる『加速ラップ』でまとめてるし、時計的にもキレたって言っていいんじゃないかな。牝馬同士なら重賞で勝ち負けしてもおかしくないと私はにらんでるよ」
9/11 中山4R ダ1200m 勝ち馬:モナルヒ
評価☆5
璃子「内枠からのスタートで出たなりの位置で追走してたけど、4コーナーから大外に持ち出され、最後の差し比べでは勢いで勝ったね」
姫「水準以上の能力を感じさせる勝ちっぷりだったわ。サンデーサイレンス肌の母に、父はヘニーヒューズの血を引くヘニーハウンズ。血統的にもダートの短いところは良さそうね」
ハヤタ「胴が長くてストライドが大きい。こういう馬は道中でうまく脚を溜められると長く良い脚を使うと思うよ。距離もあと1ハロンくらいなら全然こなすだろうし、左回りに問題がなければ、中京や東京の1400m戦でもいい競馬ができるんじゃないかな」
璃子「馬券に役立ちそうな情報ありがとう! 馬券生活者志望として、これはぜひ覚えておかねば……」
ハヤタ「念のため言っておくけど、室谷さんはまだ馬券を買っちゃいけない年齢だからね?」
9/11 中京5R 芝1400m 勝ち馬:ウナギノボリ
評価☆5
璃子「ウナギノボリ!」
姫「たしかに叫びたくなる縁起の良さそうな名前だけど。ユニークな馬名でおなじみの小田切オーナーの所有馬ね」
璃子「序盤中盤はおっつけながらの追走だったけど、最後の直線ではまさにウナギのようにするするっと馬群をさばいて抜けてきて、力強く差し切り勝ち。想像以上の瞬発力で、ビックリシタナモー」
姫「そのネタはすでに騎乗した和田竜二騎手が使用済みよ。いちおう解説しておくと、この馬の半兄はダート戦での豪快な追い込みが印象的なビックリシタナモーなのね」
ハヤタ「ダートが得意な馬も出てる血筋っていうのはわかる気がするなあ。種牡馬ドレフォンの影響ももちろんあるけど、スピードとパワーを兼備した力強い筋肉で、マイラーとしての資質を感じさせる馬だよ」
恵麻「次走はサウジアラビアRCを目指すみたい。2戦目で重賞に出すってことは陣営としてもそれだけ期待が高いってことだし、その名に負けない活躍をしてほしいよね」
9/11 中山5R 芝2000m 勝ち馬:オニャンコポン
評価☆5
璃子「オニャン『ポコ』ン!」
姫「叫びたくなるのはわかるけど、サ〇ャはやめなさい」
恵麻「正しくはオニャン『コポ』ンね。馬名の由来はいちおう西アフリカの民族に伝わるアカン語の天空神の名前から、ってことだけど……やっぱりアレじゃないかと思っちゃうよねえ」
璃子「466キロの馬体重的には『巨人』とまでは言えないけど、レース振りは『進撃』だったよね。スタートが早くてがっちり先行。そのまま勢いは衰えることなく、4角先頭から力強く抜け出して押し切った姿は迫力があった」
ハヤタ「最初から最後までしっかり動けてたって感じだよね。筋肉に柔軟性もあってなかなかの素質を感じさせる馬だよ。まだ少し余裕のある仕上がりにも見えたし、昇級しても通用する器じゃないかな」
恵麻「ユニークな名前で人気も出そうだし、活躍を期待しちゃうよね」
9/12 中京3R ダ1800m 勝ち馬:アイスジャイアント
評価☆5
ハヤタ「ごつい感じの筋肉質な馬体で、いかにもダート馬って体つきだよね。首や胴が長くて距離も1800mくらいがベスト」
璃子「それなら、2歳のうちはともかく、将来的には中央での番組にも困らないだろうし、上のクラスまで出世していきそうな感じがするね」
9/12 中山3R ダ1800m 勝ち馬:コマノカモン
評価☆5
ハヤタ「この馬、パドックでは気づけなかったんだけど、追われてストライドが伸びるところは良いね。ペースがうまくハマったのもあるけど、結構能力がありそう」
璃子「逆に2着のテイエムアジアダンはスローペースにやられた感もあるよね。勝ち馬には突き放されたけどこの馬自身もしっかり走って3着以下を離してるし、次走は即勝ち上がるんじゃないの?」
恵麻「あと、ハヤタくんがパドックで一番手に挙げてたサトミノマロンは他馬や砂を気にする面を見せて後方からの競馬を強いられたみたい。それでも最後は3着まで追い込んでるわけだから、やっぱり力はありそうだよね。これも次走で一変を見せるかも」
璃子「2歳未勝利のダート戦は数が少ないだけに実力差も出やすいんだよね。芝替わりの馬にも注意を払う必要はあるけど、狙いは絞りやすいから馬券的には勝負に行きやすい条件ではある。馬券生活者は要チェックの条件だぞ!」
9/12 中京5R 芝2000m 勝ち馬:ジャスティンパレス
評価☆5
恵麻「このレースは5頭立ての超少頭数。人気も上位3頭に集中する感じで、実際その3頭での決着になった」
姫「1番人気で勝ったジャスティンパレスはセレクトセール2億円超えの高馬ということもあって、週中から注目の存在だったわ」
ハヤタ「パドックを見てても、たしかに筋肉が柔らかくて素質を感じさせた。重賞やG1で勝ち負けできるかはまだわからないけど、仕上がりとしてはもう一、二段階上がありそうにも見えるよ」
璃子「2着にアカデミーも注目の1頭だったよね」
ハヤタ「これも悪くないと思う。ジャスティンパレスと見くらべると牝馬らしい線の細さはあるけど、芝のマイル~中距離で切れ味を生かせそう」
姫「牝馬クラシック戦線にぴったりってことね。ダービー3着のアドミラルの近親で、ひとつ上の姉アールドヴィーブルも桜花賞、オークスともに5着と健闘。血統的にも注目できるわ」
恵麻「今回はゲートの音に驚いてちょっと出遅れちゃったみたい。それでも2着に差し込んできたわけだし、精神的な幼さが解消されてくればこの馬もクラシック戦線を賑わせる1頭になるかも」
9/12 中山5R 芝1600m 勝ち馬:オルコス
評価☆5
恵麻「二の脚を利かせて二番手につけると、直線で逃げ馬をかわして前に出て押し切った。ドレフォン産駒だね」
姫「やっぱりドレフォンはコンスタントに走る馬を出すわね」
ハヤタ「そうだね。この馬も筋肉が柔らかくて芝向きの瞬発力があるよ。前脚が短めで重心の低い体型だし、1400~1600mがぴったりだと思う」
璃子「1番人気に推されるも3着だったライラスターはどう? ハープスターの二番仔でこれも注目されてたわけだけど」
ハヤタ「これもお母さんとお父さんのロードカナロアの血を引いた感じのマイラー体型だよね。少し筋肉が硬いかなって印象は受けたけど、体型的に悪いところもないから、勝ち上がるチャンスは十分にあると思うよ」
璃子「こういう馬が意外と未勝利で苦労する場合もあるし、二戦目であっさり勝ち上がるパターンもあるし……馬券的には扱いが難しいかも。人気が落ちたところで単勝とか取れれば最高だけど、そううまくもいかないのが馬券なんだよなあ」
9/11 中京3R 未勝利 芝2000m 勝ち馬:グランディア
修正評価☆6
璃子「先週の未勝利戦で注目はやっぱりこれかな。ディアデラノビアの仔でハービンジャー産駒のグランディア。これは2戦目であっさり勝ち上がったパターンだ」
ハヤタ「筋肉の質は良いし、体型も申し分なくて、やっぱり素質を感じさせる馬だよ。中距離は合うし、重賞、GⅠ戦線で勝ち負けできるレベルの馬だと思う」
姫「兄弟も走った馬がずらりとそろっているものね。二歳戦から走るし、古馬になるまで息の長い活躍も期待できる牝系よ。この馬も重賞レベルにあるとなると、評価はひとつ上げて☆6にしておかないといけないわね」
9/12 中山9R アスター賞 芝1600m 勝ち馬:プルパレイ
恵麻「開催替わりで2歳戦のレギュレーションも秋仕様になって、このレースが今年最初の『2歳1勝クラス』のレースだね。勝ったのはも二戦目で新潟の未勝利戦を勝ち上がってきたプルパレイ。新種牡馬イスラボニータの産駒だよ」
ハヤタ「前脚をすごく伸ばす走り方がお父さんを彷彿とさせるよね。筋肉は少し硬めだけど、ストライドが大きくて良いスピードを持ってる。スローペースに持ち込めたのも勝因とはいえ、こういうタイプはやっぱり、ストライドをロスすることなく走り切れる逃げ戦法で強さを発揮すると思う」
璃子「2着は白毛馬ハイアムズビーチ。最後の直線で勝ち馬との差を縮められなかったのは、前半に頭を上げて引っかかった影響もあるのかなあ?」
姫「スローペースになった影響もあるとはいえ、走りを見てるとやっぱりマイルが上限という気もするわね。今回も3着はちぎっているわけだし、折り合い面で進境を示せればまだまだ見限れないと思うわ」
そんなわけで先週の振り返りは以上。開始前の脱線が長くなったせいでいつもより時間がかかったことは備考として記しておきます……。
さて、今週末の中央競馬は土、日、月曜の三日間開催。もちろん新馬戦も三日分組まれているから、脱線もほどほどにしておかないとホントに回顧が終わらなくなるぞ……。
それと僕たち事で恐縮だけど、今週末出走予定馬のなかに、POG指名候補馬が結構いるんだよね。指名数との兼ね合いもあるから指名するかギリギリまで見極めることになるとは思うけど、無事、持ち駒になった馬はもちろん全力で応援するつもりだ。なんだかんだ言っても、指名した馬がレースで頑張ってくれるのは嬉しいものなのだ。
将来のことはまだわからないけれど、とりあえず毎週末の愉しみに身をゆだねていけばそのうち見えてくるものもあるだろうと、そんなふうにも思ってみる僕なのでした。