“信じぬく勇気”と“温かい涙”があふれ出す最高の物語~映画「えんとつ町のプペル」を観て~
映画『えんとつ町のプペル』を観て魂がゆさぶられ、興奮が全く冷めやらないので、感じたことを書き留めようと思います。この映画の魅力は数えればきりがないのですが、大きくまとめると3つあると考えています。
①“温かみ”と“迫力”を兼ね備えた「映像美」
まず冒頭から引き込まれるのがその圧倒的な映像美!えんとつ町のビジュアルは物語の世界であるにも関わらず、建物や街並みなどその一つ一つが緻密に描かれていて、本当にどこかにこの町は存在しているのではないかと思ってしまうほどです。また、ルビッチやプペルをはじめ、登場人物の一人一人の表情や仕草も細部までこだわっていて、「こういう人いるよね」と思わず思ってしまう場面も多々ありました。さすがはハイクオリティーな映像表現で世界から高い評価を受けているSTUDIO4℃さん。3Dアニメーションを選ぶことで見事にダイナミックかつどこかアットホームな“体温”を感じられるえんとつ町を舞台に展開される物語を表現していました。
②“圧倒的没入体験”へ誘う、胸を打つ「音楽」
映像美に加えて、物語を観ている者の心を動かす音楽も圧倒的です。スリリングなシーンからエモーショナルなシーンまで、その場面場面にあった音楽はもちろんのこと、物語のターニングポイントとなる場面で流れてくる挿入曲ALONEさんの「ドリーマー」、秋山黄色さんの「夢の礫」、粉ミルクさんの「メザメ」はどれも感情の機微に寄り添ってきて、物語への没入感をより増幅させてくれます。そしてなんと言ってもロザリーナさんが歌う主題歌「えんとつ町のプペル」は圧巻です。原作者である西野さんの作詞・作曲による同曲は歌詞のひとつひとつのワードがルビッチの心情はもちろん、西野さん自身のこれまでの歩みや、この物語に込めた魂の叫びが宿っていて胸が熱くなります。ロザリーナさん自身も1年くらい前から音楽人生に悩んでらっしゃったそうで、そんな時にこの歌を歌うことが決まり「この世界にもきれいな星があるんだと、上を見ることを思い出させてくれました」と述べているように、同曲は老若男女問わず、聴く人誰しもの人生に対して、そっと背中を押してくれる応援歌だと感じています。私は映画を観終わったあともこの主題歌をリピートで聴き続けています。
③夢を諦めないすべての人が主人公!“信じる勇気”が湧き出す物語
この映画は「星はある」という父・ブルーノの言葉を信じて生きる少年・ルビッチの物語でありながら、私たち一人ひとり自身の物語であるなと強く感じました。西野さんの盟友である前田裕二さんもおっしゃっているように、「自分のストーリーをいかに重ねて観るか」が本当に重要だなと思います。学生からお年寄りまで、人は誰しも“なりたい自分”だったり、“諦められない夢”があると思います。今まさに夢に向かって突き進んでいる人はもちろん、夢を持っているけれどもなんとなく忙しい日々に流されて気持ちが切れそうになっている人、一度諦めた夢にもう一度挑戦したいと心の中で誓っている人まで、きっとこの映画は今という時代を生きるすべての人がルビッチやプペルたちのようにこの物語の主人公なのであり、そんな一生懸命に上を向き、一歩一歩進んでいこうとしている人への人生の応援歌だなと思います。だからこそ、映画のさまざまな場面が自然と自分に投影され、温かい涙が流れてくるのだと強く感じました。
「ディズニーを倒す」という目標を掲げている西野さんの映画ということで、とてもワクワクして劇場に足を運んだのですが、映画が始まるとその予想をはるかに超えてくるワクワクドキドキの感動の連続に、終始涙を流しっぱなしでした。ディズニーの大ファンである私としては、本当に西野さんは才能の塊であり、こんな物語を生み出すなんてあっぱれだと心から拍手をおくりたいと思います。約5000部でヒット作と言われる絵本業界において、プペルは約60万部ということで、いかに原作から西野さんの魂の物語が人々を惹きつけて離さないのかということを実感するとともに、最初から映画をゴールとして組み立てていたというから驚きです!その壮大すぎる構想に脱帽です。西野さんはキングコングとして芸人さんの人気やキャリアもある中、守りに入らずに絵本作家や映画制作という未知な領域、新たな分野に挑戦して結果を残しているのが本当に尊敬します。このコロナ禍という黒い煙で覆われた日本、世界において、今どの業界ももがきながら光を探しているのだと思います。私自身、仕事でもプライベートでも、常に自分の心のコンパスをしっかりと握って、恐怖で足が震えようが、他人から何と言われようが、「信じぬく勇気」を忘れずに前へ進んでいきたいと思います!
最後に、西野さんのこの言葉が大好きです。「夢を語れば叩かれるこの世界を終わらせに来ました」。まるでスター・ウォーズでシスを倒しにやってきたジェダイの騎士みたいでかっこよすぎます!私もどんな時でも上を向いて、光を探していきたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました!