スタイリングの理想と現実
こんばんは、またはこんにちは。
スタイリストの神崎です。
今日は以前ちょっと話した、テレビでよくやってる
「パパママのファッション改造計画」について。
普段もっさりお父さんや家事育児に追われている
お母さんが大変身!子供や家族感動!という企画です。
企画自体はもちろん理想的で素敵なんですよ。
中々全身をプロに仕上げてもらえることなんてないし、素晴らしい体験になることは間違いない。僕も人にやってもらいたいし、やってみたい。
だが、待ってほしい。
あれがスタイリストの日常ではないのですよね。
平たく言うと、テレビというパッケージで、視聴者にビフォアフターを分かりやすく伝えないと成立しないから劇的に変えているだけ、ということです。
要は「料理の鉄人」と一緒ですね。
普段からあんな豪華な食材を使う訳じゃないけど、そういう企画だからその枠に合わせて腕を振るうという。台所の残り物で時短料理を作ってくれという企画だったらそれに合わせるし。僕も変身企画みたいなオファーがあれば、存分に腕を振るいたいと思います。
僕は、ファッションや美容には
「再現性」が大事だと思っていて。
プロの手を離れて自分ひとりでも
同じようにコーディネートできる、仕上げることができるか。
よく美容院とかで、ステキなスタイリングにしてもらったけど一晩たったら1ミリも再現できないとかないですか?あれじゃ意味がないと思うんですよ。
なのでつい、改造計画を見ていると「明日から再現できないだろーな」と思ってしまうんですね。いやオスカルに扮装して写真撮るとかと同じ変身体験として考えればぜんぜんいいんですけど。
個人も担当しているスタイリストの仕事としては、圧倒的に再現性を求められる方が多いのです。だから、再現性を持たせながら変えていく、変えていけるブランドを選ぶというスキルがとても大事になってくる。
だって、あー変身体験面白かった!じゃお洒落になったとは言えないでしょう。何年か後に部屋の整理でその時の写真を見つけて、引っ越しの支度が進まなくなるだけです。
継続的にファッションに興味を持ってもらって、納得しながら変わっていく過程が大事なんです、個人の場合は特に。だから、あんな風に変えてもらえるんでしょ?みたいな期待をされると、ちょっと違うと思う。そして、そういうのをウリにして素人さんを変身させて満足させてるスタイリストはもっと違うと思う。
劇的に変えるというのは、前述したようなメディア向けのやり方。タレントさんを担当する時はそっち系の意識が強いかな。
一番強いのは、その両方が出来る人。
僕はそれを上手くミックスしたやり方が出来ないかを模索している途中です。
それが現実的なスタイリング。
その辺りはまた次にお話したいと思います。
※ちなみに、本稿は改造計画を否定するものではありません。むしろかなり積極的にチャレンジしたいと思っておりますので、ぜひご指名いただければ幸いです。というかよろしくお願いします。
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