服装のその先に、見えているもの。
ゴールデンウィークも終わり日常が戻ってまいりました。といっても僕はひたすらパソコンで資料作成などしていたので実感はゼロです。本当に10連休したら100%日常復帰できない自信があります。そんな自信いらん。
「ジャケットを着ていると、成約率が違うんですよね」
先日お客さまがそんな話をしてくださいました。
その方はフリーのデザイナーさんなのですが、自分も楽だからとニットでクロージングするよりしっかりジャケットを着て臨んだ方が、確実に成約率が高いのだそうです。
僕からしたら「そりゃ当然でしょ」と思うんですけども。だって自分がお客さんだったら”ちゃんとしてそうな人”にお願いしたいと思いますもん。よほど親しいとかじゃない限り中身や実力なんて本当のところは分からないし、見た目で判断することは正しい、というか当たり前だと思います。もちろんその方は実力があっての見た目なので、より増幅されたのですけども。
特殊詐欺の受け子がビシッとスーツを着込んでくるのもそういう理由でしょうが、中には「スーツが似合ってない」という理由で見破られるケースもあるそうです。どんな着方してんだよ。
でも、それって単なる笑い話ではなくって。
相手はちゃんと「服装の先」を見ているということなんですよ。
形だけビシッと整えていたとしても、表面的なものだと気付かれたら違和感が出てくる。この人良いこと言ってるけど何か惹かれない、とかどうも深みがなくて心から納得できない、とかありますよね。そんなやつが多いこんなの世の中じゃ。ポイズン。この場合、服装を整えている分余計にギャップが生まれたり胡散くさく感じられたりするのかも知れません。
例えば、タレントさんを見ていても普段からお洒落な人とそうでない人では違いが出てくる。普段からお洒落な人は衣装も着こなしでさらに素敵にするけど、そうでない人は衣装が素敵だったとしてもそれ以上のものまでは感じない。ここだけの話ですけどもって書いちゃってるけど、実際テレビを見てそう感じている方もいるんじゃないかな。
世間的には、手っ取り早く似合うものを揃えてそれっぽいくなりましょう!という手法が人気です。さらにプチプラだけで揃えようという意味不明の縛りプレイを加えたりしてさらにカオスになってたりもする。罰ゲームかよ。それでも着る人がそれなりのスタイルで着せる人に平均的な技量があれば、それなりに良く見せることは出来ます。
見せることはできるけど、じゃあ「その先」が見えるかというとどうでしょう。
人はあなたの装いを見て、仕事に対する本気度とか、経験や実力とか、センスや思考とか、服の奥にある”あなたのリアル”を見ています。
見た目だけそれっぽくしてみても底が浅かったらすぐに見抜かれるし、チープなアイテムでは安っぽく映ったり、中身とのギャップがあったらインチキくさく見えてしまうこともある。だからコンセプトに合った外見を都度揃えていくというのが、先を考えたら正しい。
例えば、一杯1000円のコーヒーを出すカフェなら最初からそれに見合った高級そうな調度品とか店構えが必要です。でも一杯250円のカフェなら必ずしもそうである必要はないわけで。もし価格帯を上げるというなら見合った店構えが必要になるでしょうが、そういうのを全部ごっちゃにして「それっぽくキレイに整えたら売れるよ」と言ってる人が多いのが個人向けスタイリスト界の現状です。”モテ服”なんてないのと同じ様に、”売れる服”なんてものもないのです。
ただ同時に、個人も会社も実力やコンセプトに見合った装いが出来ていないというケースも多いのも事実。会ってみたら、話してみたらそれが分かったというのでは勿体無いんですよ、現代では。今はSNSとか接点が色々あるので。だから中身やコンセプトがしっかりしている方には積極的に装いのレベルアップをオススメします。中身がしっかりしていてこそ、シナジーが生まれる。
結局、変に下駄を履かせたらバレるし、履かなかったら目立たないのがファッション。みんな意外と冷静に「服装の奥のその人」を見ているんじゃないかな。今履いている下駄は合っているのかなと。
一度無理に下駄を履いたら、いつの間にか花魁の高下駄のようになってしまう。ちゃんと研鑽を積んで技量を上げて、相応しくなってから高下駄履きましょう。
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