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奮闘!衣装提供の舞台裏

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こんばんは、もしくはこんにちは。
オーダーメイドスタイリストの神崎です。

 
スタイリストの仕事のひとつとして、衣装を借りてくるという業務があります。これはメディア向けのスタイリングの時ですね。今日はそのお話。
 

よくテレビを見ていると、エンドロールに「衣装提供」というクレジットがありますよね。あれは基本的にスタイリストが調達してきた衣装たちということになります。
 

ただね、借りるのってすっっっっごく大変なのですよ。

 
まず一番嬉しいのは、クレジット載せればOKなケース。

先述のように、エンドロールにブランドや会社の名前を載せてくれればタダで貸しますよ♪という大変心の広い、素晴らしい神対応のブランドさんです。個人のショップさんや知り合いのブランド、タレントさん本人が親交のある会社さんなども該当します。実績が欲しい、宣伝として使いたいなどの要望を、クレジットに載せることで目に見える形の協力をするわけですね。

 
続いて、買取りやレンタル料が発生するケース。

例えば小物で、ひとつ買う代わりに色違いを貸してもらったり、撮影用のレンタルショップでレンタルするという方法もあります。クリエイター性の高いものやブランドものが使える利点がありますが、これが結構安くないんですよね。じゃあ借りるよりアウトレットで買った方がお得じゃない?みたいな。個人の感想ですけど。

あとレンタルの場合は借りた日数によって金額が変わるので、即日返さないといけない。事前に借りに行って当日返すとなると2日間拘束されるますから、メディア専業じゃないと難しいかなと思いますね。資金が潤沢な番組や、雑誌の撮影などでよく行われるようです。

 
そして、お金じゃなくてイメージなケース。

主に外資系のブランドさんが多いですが、「誰が」「どんな媒体で」というのを本社に上げて裁可をもらいますというパターンです。バラエティはNG!ファッション誌の撮影ならOK!なんて基準が決まってることもあります。

で、残念ながら今回は…とか言われたりして。なんか僕まで否定されたみたいで凹みます。水谷豊と反町隆史が着ますとか言って借りてやろうか。それ絶対バレるな。

 
まぁでも、当然と言えば当然なんです。
僕がブランドの人だったらイメージの合わない人に着てほしくないですもん。ディスプロモーションになっちゃいますからね。もし私物なら止めようがないですけど、それでも◯◯にうちの商品売るな!とか、直接“うちのブランド着ないでもらえます?”なんて言われたりすることもあるんですって奥さん。これ言われたくないなぁ。

 
だから、スタイリストさんの中には自前でアイテムを揃えてしまって、自由に組み合わせたり準備の時間をカットしている人もいます。僕も究極的にはそれがいいと思います。気に入ったら買い取ってもらうことも出来るでしょうしね。

 
そうそう、以前とあるコミュニティで影響力のある女性と知り合いになったんですよ。そしたらいきなり「私が着たら売れるよ〜?」と、暗にショップの服を無料で提供してほしいと言ってきたんです。遠慮もねぇ、リスペクトもねぇ、おらこんな村いやだ。

著名人だって着用するのにそれだけ厳選されてるのに、あなたがなんで簡単に借りれると思うのよ?頼み方や熱意ってもんがあるでしょう。スタイリストなめんなよ。

 
自分が着るなら多少妥協できますが、誰かに着せるものは妥協できません。
 

「衣装提供」というテロップを観ると、やっぱり華やかで余裕のある世界だなぁと思われるかも知れませんが、実はそんな舞台裏があるのでした。

 
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