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米を喰え!<パックご飯をトレジャーハントする> (16)CGC 『SP国産おいしいごはん』

1.CGC『SP国産おいしいごはん』 のスペック

価格:3パックバンドル200円 @66.7円 (地場大手スーパー)
容量:180g
製造:株式会社フードレック 香川県観音寺市
販売:株式会社シジシージャパン 東京都新宿区
商品特長:国産米使用
加熱時間:レンジの場合、1食分500w・600wで約2分

開発商品を供給して加盟店である全国のローカルスーパーに卸すボランタリーチェーンを形成する大手CGCジャパンが販売者となっている”お買い得商材”のひとつである。

製造は、株式会社フードレック。元々は冷凍食品で有名だった加ト吉の系列会社として、1976年加ト吉創業の地である香川県観音寺市に誕生した。1996年から無菌化包装米、つまりパックごはんを製造開始。現在はテーブルマーク社(以下テブマ社と表記)の完全子会社となっている。

本商品の一括表示を見ると、CGCグループとテブマ社の共同開発商品という添え書きがある。

価格は、今回収集した36銘柄の中でも、下から3番目に安い@66.7だ。最高単価のサトウ食品株式会社『魚沼産コシ』が@166円なので、トップとボトムでは100円の価格差がある。

さて、その差がどう食味に出るのか?

2.見た目はキレイ。立ち上がり香にやや香気あり・・・

レンチン後、蓋をむしってみる。ごはん粒はキレイな形状に見える。
テカリ加減はほのかな感じ。

ただ立ち上がりの上立香にやや気になる香気が感じられる。一括表示を見てみると、「酸味料由来のにおいを感じることがありますが、品質に問題ありません」とある。添加されている酸味料由来の香気のようだ。

試食1回目
試食2回目

テブマ社サイトの「よくあるお問い合わせ」のページを見ると、この酸味料について書かれていた。

Q: パックごはんの原材料の【酸味料】とは何ですか?
A: お米のつやと風味を保つためにトウモロコシを原料とした酸味料(グルコン酸)を使用しています。

使われているのが「グルコン酸」ということが解る。

私はパックごはんの添加物に対してそんなに神経質ではない。が、「グルコン酸」については保存性を高めるためという話もある中で、「お米のつやと風味を保つため」という一文が気になるのだ。

もし入れなかったら、どんな状態なのか。

試食1回目のシャリ切り

シャリ切りをした後に、箸でごはん粒をひっくり返しながらマジマジと眺めると、破断して短くなった米粒が含まれているのが解る。粒ぞろいはあまり良好ではない。

試食2回目のシャリ切り
試食2回目のごはん粒の接写

あくまでも私の邪推だが、原料米の水分量が落ちていることを補いつつ、ごはん表面の艶・潤いを出すという点、またごはん粒の破砕が目立つことから、原料米の等級としては低いものを使用しているようだ。それ故の、価格@66.7円なのだと。

余談だが。以前から気になっていたのが、ジャポニカなのになぜか蒸気炊飯のパックごはんは米の粒が細長く見えるのが不思議だった。これも先のページに答えがあった。

Q: パックごはんのご飯粒が細長く見えますがどうしてですか?
A: 製法上、加圧加熱しているため、通常よりも細長くなることがあります。

3.値段相応の味わいながら、価格志向派にはGood Choice。

mogumoguしてみた。正直に書くと、やや風味に乏しい。お値段相応というべきだろうか。価格志向のユーザーにはお値打ち品といえる。

本品を試食して改めて感じたのだが、価格帯でHigh End〜Upper〜Middle〜Lowerと大きく四つに分けてみるなら、風味の隔たりは下記のような距離感を覚える。

High End>>Upper>>>>Middle>>>>>>>>>>Lower

UpperからMiddleまではなかなか差を感じにくいのだが、MiddleとLowerの隔たりはけっこうリアルな形で露呈してくる。香りや味わいに大きな差が顕れると感じた。

単価×容量の分布と、想定される商品クラス

さて、入手した全36アイテムの単価と容量を分布図に落とすと上記のようになるが、60〜80円台前半くらいまでのLowerのクラスターとMiddleとの間に分水嶺が横たわっているようだ。

グラフでは、MiddleからUpperに掛けての中間価格帯に各社がアイテムを集中させており、そこが生存圏確保の主戦場ということも解る。

ちなみに、値段優先なら@百円を切るラインから下、食味も重視するなら@120円前後から上を狙うというところだろうか。

以上の仮説検証のために、さらにパック飯喰らいの深みに嵌まってみたい。

(了)


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