米を喰え!<パックご飯をトレジャーハントする> (9)東福岡米穀株式会社 『夢つくし』
1.東福岡米穀株式会社 『夢つくし』のスペック
福岡県産米「夢つくし」は、「コシヒカリ」と「キヌヒカリ」の交配によって生まれ、1994年に採用された品種で、登場して28年になる。福岡県における生産量は第1位と言われるほど、地元に定着した銘柄だ。
品種についての詳細はこちらをご参照いただくとして、
という言葉が、端的にこの米を表現しているようだ。
製造はパックごはん3強を構成する株式会社ウーケ、販売は東福岡米穀株式会社。販売元の原点は1954年に設立された福岡東食糧販売事業協同組合である。現在は宮若市に本社と精米工場を構えており、お米の仕入、保管、精米、品質管理、販売、配送や食品の加工製造や販売に関わる。(同社公式サイトより)
というわけで、『夢つくし』を喰ってみた。
2.『夢つくし』 vs 『夢つくし』 →『夢つくし』を比較する。
実は、私の家ではごはんを炊く時、JAの直売所で店頭精米した「夢つくし」を買って食べている。そこで本パック商品と家で炊いたものを比べてみた。
試食2回。どちらもごはん粒の輪郭はクッキリして粘つきがほどんど見受けられない。おこわや赤飯の表面みたいだ。蒸気炊飯の特徴としていいのではないかと思う。
シャリ切り後も、質感は変わらず。よく見ると、ごはん粒の形状が文字通り粒ぞろいの印象を受ける。表面では粘つきはほとんど見受けられない。
ただ2回目の試食時に、底からしっかりシャリ切りをやっていなかったためか、食べ終わる頃になると、底に水分が溜まってごはんが柔らかくなっていた。1回目には無かったので、自分のシャリ切りの問題かと思う。
◇ ◇ ◇
さて、家にある「夢つくし」を炊飯器で炊いて比較してみた。
炊飯器は日立の『RZ-V100DM』。圧力とスチームによる「外硬内軟」の炊き具合が自慢の機種である。謳い文句は「粒の輪かくと甘み際立つ」。
釜の目盛には、通常の炊き具合と硬め炊きの2種類の水位が表示されているが、うちは家内も硬派なので、硬め炊きの目盛からさらに、ちょっとだけ低い位置に水を張ってスイッチを入れている。
上記炊飯器で炊いた画像とこれまでのを比べていただくと解るが、表面のテカリと粘り具合に大きな差が出ている。ごはん粒の輪郭は保持されながらも、潤いのある輝きが見て取れる。
さて、食味はどうだろか。
3.ふだんから食べ馴れているということもあるが・・・
蓋をむしり取っての立ち上がり香、含み香も食い気をそそる。
蒸気炊飯の本商品と、うちの炊飯器炊き、見た目の差はあるが、物理的食味としての歯応えやシャッキリ感は共通して保持されている。ハードコア飯好きとしては言うこと無し。おこわか赤飯のようなパック版の表層面の仕上がりもあまり影響はないようで、正味な話、そんなに差は感じなかった。
ふだん食べ慣れているということもあるのだが、mogumoguしてみて「夢つくし」は旨いと改めて思った。「夢つくし」の魅力って、物理的官能評価としてシャキシャキ感なんだと自分では思う。
それと、うちの炊飯器で炊いた飯の場合ではあるが、「夢つくし」は水分が飛んで”老化”した状態である「冷や飯」でもイケル。小さなタッパに入れた残りごはんが冷蔵庫にあったのでそのまま食べてみたが、意外にも美味しかった。αデンプンのβ化という逆行が少ない品種ということか。
さて、福岡県庁のリリースによると、日本穀物検定協会による食味ランキングの2018年産米では、「夢つくし」が「ヒノヒカリ」と共に、最高位の「特A」に格付けされたという。
本品の原料米の収穫年は解らないが、そのQualityは伊達じゃないという印象を受けた。
(了)