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米を喰え!<パックご飯をトレジャーハントする> (13)JA全農ふくれん 『めし丸元気つくし』
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1.JA全農ふくれん 『めし丸元気つくし』のスペック
価格:単品@148円、3パックバンドル368円 @122.7円
容量:200g
製造:株式会社ウーケ 富山県下新川郡入善町
販売:全国農業協同組合連合会 福岡県本部(JA全農ふくれん) 福岡市
商品特長:福岡県産米「元気つくし」使用
加熱時間:レンジの場合、1食分500w・600wで約2分
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農研機構サイトに拠れば、「元気つくし」は「ちくし46号(後のつくしろまん)」を母とし、「つくし早生」を父として人工交配を行った組合せによって、2008年にデビューした品種とある。”つくし”と名がつくとおり、福岡県産のお米として、今年で14年を迎える。
特徴としては、「高温登熟性が'強'で、登熟温度27~28°C前後の高温登熟条件下でも玄米の白未熟粒の発生が少なく、外観品質が優れる。食味は『ヒノヒカリ』より優れ、冷飯および古米でも同程度に優れる。'早生'で、収量性は『ヒノヒカリ』と同程度である」と上記サイトに記載されている。
開発の経緯として、地球温暖化によって水稲の登熟(穂に栄養を送り込んでデンプンを蓄積し米を形成する)期間における気温が高くなったため、それまでの主力品種であった「ヒノヒカリ」を中心に、白未熟粒が多発して玄米の外観品質(検査等級)や収量の低下し、大問題となったことが発端らしい。
その対策として高温登熟性に長けた品種「元気つくし」が開発投入されたのだった。逆に考えてみると、気温や水温が低くなる北国の米が一般に良質とされるのは、この登熟性のことを指しているのだろうね。
◇ ◇ ◇
「元気つくし」の販売元は「全国農業協同組合連合会 福岡県本部(JA全農ふくれん)」。地元では「ふくれん、ふくれんさん」と呼び習わす。
製造は、パックごはん3強の一翼「株式会社ウーケ」で、本品は蒸気炊飯だ。また同社を系列に置く日本最大の米穀卸企業「神明」では本品の白米も販売している。
価格だが、某全国チェーン大手スーパーでの一例として、200gで単品148円。3パックバンドルだと368円で1個当り122.7円、単品との価格差は@25.3円。3個だと75.9円も違う。量目と価格を考えれば、本品は3パックバンドルを買った方が@はダンゼンお得だ。(もちろん量販店によって値付けの状況は変わる)
さて、パックごはん版『めし丸元気つくし』はどうか?
2.高圧サウナ炊飯らしい”ととのい”加減。粒ぞろいの惹句に納得。
レンチン後だが、高圧蒸気炊飯、まるでサウナでととのうごはん粒という風情か、ややマットな仕上がりでキレイなお肌という感じ。
パッケージにある「粒ぞろいできれいなお米」という惹句に偽りなし。ごはん粒の形も崩れがなく良い。輝きや潤いは少し弱いながらも、問題なし。
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シャリ切り後も、やや粘りある感じながら、前回喰った『青天の霹靂』ほどの粘りはない。硬さもほどほどで、センターゾーンを狙った感じだろうか。炊き上がりの香りにも気になる点はない。
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さて、同じ原料米を使いながらも、悪い例が下記。某全国大手スーパーのデリカで売っている「めし丸元気つくし」使用の弁当なのだが、これがスコブル酷かった。炊き具合がベチャベチャな上に、ごはん粒の形状も不揃い。
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「めし丸元気つくし」を使用しており、包装フィルムにはロゴマークも明記。
売り文句の「粒ぞろいできれいなお米」とはまったく極北に在る状態なのだ。ま、スーパーの安い弁当なんだから、贅沢を言っちゃいかんか。戦中派で南瓜と薩摩芋で餓えを凌いだ母がいたら、メシが喰えるだけありがたいと思えと叱られるだろね。
とはいえ、弁当画像と見比べていただくと、パック版『めし丸元気つくし』のQualityの高さはご理解いただけるものと思う。
3.で、問題の味なのだが・・・・
実は10年程前(だったと思う)に、「めし丸元気つくし」のサンプリングで白米2合入りの袋を貰う機会があって、家内と喰ったことがある。
しかしそれ以降、うちでは「めし丸元気つくし」の白米を一度も購入することはなかった。
正直なところ、白米の試供品は私も家内も口に合わなかった。冷えても美味しいという売りなので、水分が飛んでαデンプンがβデンプンに戻っての老化状態→冷や飯でも試してみたが、これもあまりお宜しくなく。家内からも「また買いたい」とは聞かないまま、10年近くが過ぎた。
今回のパックごはん版では、口に含んで何かしらクセがあるとかそんなことは全くないのだが、かつて白米の時に抱いた印象と大きくは変わらなかった。表現が難しいが、私にとっては、なにかもの足りないんだよね。
これは原料米に対する嗜好の問題なので致し方ない。やっぱり福岡県産米を買うとしたら、白米でもパックでも、私の場合は『夢つくし』の方を選びますな。
「めし丸元気つくし」の白米については、ネット上にあるレビューを見てみると好意的な意見が多い銘柄である。白米にしろパックにしろ、ぜひご自身で食してご確認いただきたい。
◇ ◇ ◇
■2022年6月28日追記:昼食時に、家内が『めし丸元気つくし』をレンチンして食べた。感想を訊くと、「硬いし、おいしいよ、これ」と。以前、試供品の白米で食べたときは否定的な意見だったが、このパック版についての評価はとても高いようである。
「この元気つくしパック、富山で作ってるんだ?!」と驚いていた。てっきり九州内と思っていた私も驚いたもんね。
(了)