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Stock of The Living Dead 第2話
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“あなたの知らない焼酎の世界”
世の中には科学では解明できない、不思議な出来事があります。焼酎の世界も同じ。今日は、日常品から突如切り離された、戦慄と驚愕のディープな焼酎の異次元に、あなたをお招きします。
酒販店の棚や倉庫で埃をかぶりながらも、瓶内熟成で生きながらえていたデッドな焼酎。そんな“生きている死蔵焼酎”とショッキングな遭遇を果たした読者の皆様からの情報をお知らせするコーナー『STOCK OF THE LIVING DEAD』の時間がやってきました。
◇ ◇ ◇
さて、今回は、宮崎県宮崎市で日向焼酎研究に邁進されているあの“けんじ先生”から特別にご寄稿いただいた、ある地元焼酎のデッド・ストックとの遭遇体験談です。昨日電話でその時の状況についてお話を伺いましたので、録音をお聴き下さい。
あのぉ・・・けんじぃ・・・ですけどもぉ・・・実は・・・先日ぅ・・・日南の方までA子様・・・あ、いや、M子様の蔵の近くまで・・・ええ・・・参りましたぁ・・・際に・・・そのぉ・・・詳しい話は・・・・近日公開予定の・・・ボクの・・・ホームページで・・・語りたいと・・・思ってるんですが・・・(途中音声途切れ)・・とにかく・・・あのぉ・・・近くの酒屋で・・・見つけた品でして・・・霧島さんの昔の商品・・・なんですが・・・まぁとにかく・・・“素晴らしい品”・・・なんです・・・では、鑑定のほど・・・よろしくですYO
というわけで、HP公開準備に向けて情報をケチリ気味のけんじ先生ですが(会場:笑い)。先生が日南市でデッドの淵から蘇らせたという霧島さんの商品とは何か? さっそく問題の酎霊写真をご覧いただきましょう・・・。
(客席:うむ・・・(-.-)y-゜゜゜)
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ガラス瓶ということもあって、風化度がわかりにくいからでしょうか? 会場は若い方が多いので、驚きが少ないようですが。・・・いや、私は本当に感動してしまいました!
ここでおなじみの酎霊写真研究家、スピリチュアリストの牛田非道先生に写真の鑑定をお願いいたします。・・・先生、いかがですか、この写真?
牛田:ああ・・・、見えてきました。
常圧粛正の嵐が吹き荒れた、あの“白色テロル”の時代、まさに「ホワイト・リヴォリューション」の1980年代前半の光景が浮かびます。
『純』や『樹氷』などの甲類・ウォッカもどき全盛の時代に、霧島さんが追っかけで出された伝説の商品『キリマンジャロ』が見えます。これがLIVING-DEADの淵から蘇ったとは、本当に驚きです。
いやぁ~、さすがけんじ先生、酎霊が地縛する買奇スポットが直感で解るのでしょう。
酎霊写真に写っているボトルですが、クリア&ピュアという当時の焼酎真言に忠実に従った意匠デザインで、現在とは180度逆転した20年近い前の酎霊世界をひしひしと感応させてくれます。
ボトルの首に下げられていたという八角形の護符から、「PRD550Hg・減圧蒸留」「ピュアな味の本格派」という真言が読みとれます。さらに「原料の良さをさらに高めたのが減圧蒸留方式」という真言にはまさに驚愕です。
この酎霊がいつ生まれいつ亡くなったか、詳しいことはけんじ先生より改めてお話があるでしょう。
私がこの酎霊の生前の姿を知ったのは1985年頃ですが、当時人気だった若手ミュージシャンを使ったCMなど派手な布教活動を行っていた想い出があります。「流行性・キリマンジャロ」「青年団の皆様へ」という経文を唱えながらの踊る酎教というイメージがありました。そういう時代の申し子のひとつだったのです。
さて、この酎霊のLIVING-DEAD年を霊視してみましたが、片方はかたくなに自分の因縁を語りたがらず、不明。片方は1992年で10年物ということが解りました。因縁を語らなかった一本の方は、さらに古い可能性があります。
現在、“トロっと、キリっと、黒霧島”と、黒麹・伝統志向で市場を席巻している霧島さんにもこういう“前世”があったわけで、誠に貴重な一葉と申し上げて過言ではありません。
減圧の壁が崩壊して、甲類的酒会主義が退潮を見せる酒界史的な変動のさなかに、このような旧時代的酎霊が突然甦生するとは、まさに何かの因縁です。私たちも、じっくりと歴史を振り返ってみるいい機会かもしれません。
この商品について、供養の必要はありません。大切に保存してください。
・・・先生ありがとうございました。あの「白色革命」時代の貴重な酎霊をご紹介いただいたけんじ先生にも深く感謝致します。というわけで、来週の『STOCK OF THE LIVING DEAD』をお楽しみにm(_ _)m
(了)
■2022年注記:『キリマンジャロ』、本当に懐かしい一本です。もう40年程前の商品。
私が学生だった頃が白色革命で、デビッド・ボウイやマイルス・デイビスなどが白物系のテレビCMに出演するほどに賑わっていた時代。その路線を追っかけて投入したものだったと記憶しています。
”キリマン”のキャンペーンは日本のロックグループをメインキャラにして各種販促材が造られてましたが、あれ誰だったっけ。東京JAPだったかな。
いまや本格焼酎界でトップランナーとなった霧島さんが残された、”Those were the days”な足跡ということで再録。