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米を喰え!<パックご飯をトレジャーハントする> (21)テーブルマーク 『プレミアム魚沼産こしひかり』
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1.テーブルマーク 『プレミアム 魚沼産こしひかり』 のスペック
価格:2in1 298円、150gあたり@149円
容量:150g×2
製造:テーブルマーク株式会社新潟魚沼工場
販売:テーブルマーク株式会社
商品特長:魚沼産こしひかり、酸味料、魚沼の水使用、2段階炊飯
加熱時間:レンジの場合、1食分500w・600wで1分30秒
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テーブルマーク株式会社(以下、テブマ社と略)の商品紹介ページでもトップに表示されるフラッグシップ商品。
単品紹介ページには、下記が推しのポイントとして挙げられている。
1)魚沼のおいしい水を使って炊飯
2)トレー炊飯で、炊きムラがなく米粒がつぶれず、艶やかな仕上がり
3)「加圧加熱」→「蒸気炊飯」の2段階炊飯で、外はふっくら中はもっちりとしたご飯に炊き上がる
ということで、テブマ社は2段階の圧力+蒸気炊飯が売りなのだが、外装袋にその表記はない。他の商品には記載されているが、もはや「プレミアム+魚沼産こし」というだけで水戸黄門の印籠、蛇足なのかも知れない。
また一括表示の下部但し書きには「酸味料由来の臭いを感じることがありますが、品質に問題はありません」とある。入手した商品リストを改めて見ると、テブマ社関連の10アイテムにはどれも酸味料、ph調整剤、オリゴ糖などが使用されている。
今朝方散歩に行った際に某イオン24時間店に寄って、ずらりと並ぶイオンPB「TV」ごはんがテブマ社製なので全部一括表示を確認してみた。それらも同様であった。
添加物については、同じく入手した分のサトウ食品株式会社、神明+ウーケの競合2強の商品にはまったく含まれておらず、好対照となっている。
さて、テブマ社のフラッグシップ魚沼こしはどうだろう?
2.臭気感じず。シャリ切りで、美しい潤いと輝きを確認。
蓋をむしり取る。但し書きにあった臭気への言及だが、まったく"臭い"らしき香気は感じなかった。
ごはんの粒も揃っている。表面に少々テカリがあって、コシヒカリという品種はやはり水分量が多いのだろうと思った。
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蓋をむしっただけの時は分かりにくかったが、シャリ切りをしてみると水分の多さがさらに目に見えてきた。ごはん粒にとても潤いがあって、輝きを増している。キレイだと思う。が逆に、歯応えが柔かろうな、という予感。
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ただ、試食の1回目と2回目・・・というか、2in1パックなのでひとつの商品の上半分と下半分なのだけど、なぜか1回目(上半分)の方が表面上柔く見える。保水膜が結構出来てるのか、ごはん粒同士が粘っこい印象なのだ。
3.1回目の方が柔らかい不思議。でもやっぱり魚沼プレミアム。
で、mogumoguしたわけだけど。
1回目はごはんの歯触りが柔らかいと感じてやっぱりコシ系らしいなと思った。ところが、2回目の方はけっこう歯応えがあったんだよねえ、こりゃイイわ、と。自分でも不思議なんだけど、そう感じたことは間違いない。勘違いか?
2回目で喰った歯応えなら、1票。
ま、それにしても、このクラスの原料米になると、味わいに良い意味での透明感というか、透徹さすら覚えてしまう。まったく妙なクセがない、躓く瑕疵が見当たらない。臭いはせず、匂いも押し出さず、口に含んでも咀嚼してもプレーンな味、でもパサパサしてるわけではない。
Invisible ManならぬInvisible Rice、でも実体はある。忍法音なしの構えとでもいうか。
「伊賀流忍者ホームページ万川州海」なるページに、こういう一節がある。
たいてい他の芸では、上達すれば必ずその者の名が外に顕れてくるものである。その名が世に知られているほどの者は必ず一流の者である。 しかしこの術は他の芸とは違い、上手と言われているのは中級の忍者であって、良いものではない。ただ、上手も下手も人に知られることなく、切れ者であるのが上級の忍びとされるのである。古語に、水は浅ければ音を立てるというように、深淵の水には音もないものである。
本品にしろ、フラッグシップ魚沼級選手権大会をやってみて思い出したのは、昔ある清酒蔵で特別にテイスティングさせていただいた国税局鑑評会用の純米大吟醸酒のこと。
驚くくらいにあっさりとしていて、妙な主張をせず、スーーーっと流れるような、でもほんのりと淡い旨味が残る微妙な塩梅、とでも言うか。私の粗末な味蕾だとまるで水のように感じたのだが、音なしの”深淵の水”、”深淵の酒”、その伝でこれは”深淵の米”と言っていいだろうか。
ずっと咀嚼していても飽きのこない風味、おかず要らず。魚沼ハイエンドはどのメーカーでも基本ハズレ無しと思うけど、個人的な嗜好としてはあとは物理的官能の満足度だけですな。福岡もんなので、辛子明太子を載せてガツガツと贅沢に貪りたいアイテム。
(了)