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現代角換わりのあらましの流れ

0.初めに

初めに角換わりと関係ないこと書くので興味ない方は飛ばしてくれてかまいません(自分語りマン)。

最近、将棋系Vが数多く出てたり、活動が活発であったりと、個人的にはとても嬉しい状況となってきました。
個性のある人達はもちろん、行動力が皆さんあってリアル大会まで開かれてた時は凄すぎてビックリしました。
自分もV(?)としてやりたいことはあるのですが結局出来ずじまいで、何か界隈に貢献したいなぁ、と思ってこの記事を書こうと思いました。

現代角換わりを勉強したいけど棋書を買うのは憚られるし、そもそもどこから手をつけて良いか分からん!!

と、いう人の為の情報整理に役立てばいいと思ってます。
一応将棋初心者〜級位者くらいに向けての記事なので誰でも見れると思います。
そして、将棋系Vを知らない方が見ていたら是非見てください、独特な雰囲気があるので沼ること間違いなしです!

(なお、筆者は序盤3級くらいなんで棋書や友人の話をもとに色々書いてきます、棋書ちゃんと読んでる人からしたら「知っとるわカス‼︎」と思われるかも知れませんが許して♡)

1.角換わり6ニ金、8一飛の出現

さて、ひと昔まえの角換わりといえば5八金、5ニ金といった形が主流でした。
それが、なぜ今は4八金、2九飛の形なのか?
考えられる理由は当然、そちらの方が優秀だから、ですよね。
ではまずなぜ4八金、2九飛の方が優秀なのか、というとこから見ていきましょう。

まずこれが基本図、先手の5八金に対して後手は6ニ金、8一飛の形を作りました。
ここから☖6五歩☗同歩☖同桂☗6六銀☖6四歩と進みます。

この局面で実は既に後手がまずまずです。
というのも、うかうかしていると先手は☖7五歩とされて、☗同歩は☖8六歩☗同歩☖同飛が銀取りでそれを受ける☗6七金右に☖8七歩くらいでも後手よし。
また☗7五同銀は☖3九角☗3八飛☖5七角成☗同金☖同桂成と強襲されてこれも後手良しです。

先手が何もして来ずに☖7五歩とつかれて☗同歩の変化
先手が何もして来ずに☖7五歩とつかれて☗同銀の変化

というわけで先手は何か後手の7五歩に対して受けなければいけないのですが銀に紐をつける☗6七金右は☖8六歩☗同歩☖5九角と桂に紐をついてないところ狙われて以下☗3八飛に☖8六角成でわかりやすく馬を作られてしまいます。

これは馬作りが受からない

また、それを嫌って桂馬に紐をつける☗4七金は有力ですが以下☖8六歩☗同歩☖同飛☗8七歩☖8一飛の展開は後手が先に一歩手持ちにしていて、☖7五歩からの攻め筋もあり、なおかつ先手の金銀が玉からどんどん離れていっている、といった風に後手にいいとこづくめで、評価値では互角に近くても人間的には後手が勝ちやすいという局面になってしまいます。

先手の玉が薄い上、後手の跳ねた桂が良い所に利いてる。

記述した以外にも有力な変化はあるものの、現状では先手がはっきり満足できる変化が無さそう、ということでプロ間ではほとんど基本図の様な局面は現れなくなりつつあります。
ということで、後手の6ニ金、8一飛が有力なことがお分かりいただけたと思います。
では先手はそれに対してどう対抗するか?
そうして生まれたのが4八金、2九飛の同形というわけです。

親の顔より見たやつ

この局面で後手が何を指すか、それが現代角換わりの1つのテーマと言えるでしょう。

2.4八金、2九飛 対 6五歩

まず見ていくのは☖6五歩。
現代将棋では主導権を握っている(大雑把に言えば攻めている)側が良いことが多いとされるので機会があれば攻めてみたいというもの。
これで良ければ後手としては簡単なわけです。
対して先手は自然に☗同歩☖同桂☗6六銀☖6四歩と対応していきます。

一見さっきと同じでまたまた後手成功かといった感じですが、ここで☗4五歩が先手狙いの手で、例えばここから後手が一手緩めて☖3一玉とすれば☗4六角として後手の6四の歩をただ取りして桂馬を外そうと狙うわけです。
6四の歩を取られてしまうと後手は桂を支える術がないので☖6三金と指すのですが以下☗2四歩☖同銀☗5五銀左とすれば先手満足の局面になります。
途中☗2四歩が味な手でこれを入れてるおかげで☖5五同銀に☗同角が香取りです

後手は銀を交換すると☗7ニ銀と打ち込まれるのが嫌味

この局面になれば気がつけば主導権が先手に移っているのがわかります。
故に後手は緩んでいけないと☗4五歩に☖8六歩☗同歩☖同飛としますがそこで☗9七角が絶好の切り返しです。

以下☖8一飛☗6四角☖6三金☗4六角☖6四歩☗8七歩と進めば、先手は☗4五歩の効果で悠々角を生還させて、一歩得、さらには☗5五銀左の権利も持っていて、これは☖3一玉の変化よりも先手が良くしています

後手は持ち歩がないため既に自分から手を作れない

ゆえに☖6五歩☗同歩☖同桂の攻めは後手が上手くいきませんでした。
ここで桂がダメなら銀で行けばいいじゃないと思ったマリー・アントワネットな方々もいると思います。

実際☖6五歩☗同歩☖同銀に☗同銀☖同桂☗6六銀☖4七銀とされると先手が苦しくなっています。
☗4七同金は☖3八角と打ち込まれます。

親の顔より見た手筋の銀

一見これで良さそうなんですが、実はこれに対しては☖6五歩☗同歩☖同銀の瞬間に☗5八玉が好手です。

異筋に見える手ですがこれが良い手で以下☖5六銀☗同歩となると玉寄りの効果で☖4七銀を☗同玉と取れるようになっています。

また、この局面は後手の狙いを消しただけでなく、いつでも☗6九飛とまわれば金取りに出来るというメリットがあります。
更に後手視点からすれば、5四の銀は桂が跳ねた時に紐をつけているなど、働きの良かった駒なので駒台に乗ったことがどれくらい嬉しいかわかりません。
実際上の図の局面で☖5四銀と打った例があるくらいなので、仕掛けたは良いものの、あまり嬉しい局面とは言えないかもしれません。
当然他にも変化はありますが、今の結論としては後手が中々うまくいかないという感じで、先程と同様プロ間ではほとんど指されていない局面となっています。

3.4八金、2九飛 対 3一玉

攻めがないなら自玉の整備をしよう、というのが☖3一玉の思想。
理にかなっている手ではあるのですが、実はこの手にも先手は用意があるのです。
それがいきなりの☗3五歩です。

なんと既に先手の攻めが中々続く形

驚きですがこの軽そうな先手の攻めが実はかなりうるさいのです。
以下☖同歩☗4五桂☖4四銀☗2四歩☖同歩☗同飛☖2三歩☗2九飛と進んで次に7五歩と桂頭を攻められると嫌なので☖6三銀と受けます

これでひとまず局面はゆったりと…なりません。
☗1五歩☖同歩に☗3四角!!

意表の角打ちがきます。
☖2ニ玉と受けて数は足りてるはずですが、構わず☗2三角成☖同金☗2四歩☖1三金☗1五香と進みます。

☗3四角のところは繋がるの?と思っていた攻めがここまでくると若干見えてきたのではないでしょうか。
以下☖1四歩☗同香☖同金☗2三歩成☖3一玉☗3三歩☖4ニ玉☗3ニと☖5ニ玉☗2ニ飛成と進みます。

先手は角と香を捨ててはいますが、龍も有ればと金もあって後手はとても受けきれず、角と香だけでは先手の形に手をつけるのも中々難しいということで現状は先手優勢です。
以上は変化の一例ですが、他のいずれの変化に対しても攻めを続ける手段が確立されていて、この☖3一玉も指され無くなった形なのです。
では、後手はどうしたら良いのか。
攻めてもダメ、自玉の整備もダメ、先後同型の形はダメなのだろうか?
というかそもそも☖3一玉って本当に堅くなってるの?
むしろ☖4ニ玉の方が仕掛けられにくくていい形なんじゃね?
せや!☖5ニ玉〜☖4ニ玉とかして手待ちしたろ!後手やし千日手なら全然いいやん!!
と、いう思想から生まれてきたのが皆さんのよく知る玉の移動による手待ち、☖5ニ玉〜☖4ニ玉ですが、その紹介はまた次の機会に。

4.おわりに

今回の内容は有段者の方達にとっては常識だったかも知れませんが、
角換わりってなんで5八金無くなったの?
なんで玉横に移動させたりして手待ちするの?
といった疑問を持っていた人達にとっては良いものかなと思って書きました。
プロ間で指される角換わりの形がなぜこんな風になったか、という理解の一助になれば幸いです。
次回は☖5ニ玉〜☖4ニ玉などを見ていきたいと思いますがそもそもあるかは分かりません(責任放棄)
最後に、将棋系Vを見てください、是非見てください(ダイマ)

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