両親のこと

電車の駅、4つ
自転車でも30分
車なら10分くらい
自分の実家までの距離感。

転勤で移住した先から地元に戻ってきて10年目
近いがゆえ、敢えてはあんまり行かなかった実家
それでも元日だけは一緒に初詣に出かけその後すき焼きを囲む夕飯の時間を過ごしていた
コロナ禍に入り「今年は来なくていいよ」って電話が来た時はちょっとショックだったし腹も立った
両親に、ではなくてそんな世の中にだ

今年のお正月もすき焼きはしないって連絡が来たけど、それだともう孫たちに会う機会もほんとになくなるのでせめて初詣は一緒に行こうと提案してみた
待ち合わせ場所で最初に父を見た時にズキンとなった
半年前に実家近くの歯医者さんに通院した帰りに実家に立ち寄り、アレコレ話した数日があってその時より明らかに父は小さくなってた
まだそんなに経ってないのに…
そうだった、もうそんな、それが当たり前の歳の父なんだ
反省も後悔もした
親孝行、出来てなくてほんとにごめんって思った

「お茶くらいして帰ろね」
ってことでカフェを探して6人で落ち着けるとこを見つけてそれぞれにコーヒーと軽食を、
父と母はハムと野菜のサンドイッチを選んでた
耳が遠くなったので話す声がちょっと大きかったけど孫たち相手に楽しそうに話す父が私は嬉しかった
サンドイッチ、全部ひとりで食べてたし歩いて温まってたのかアイスコーヒー飲んでた、寒い真冬に(笑)
随分とゆっくりになったけど結構な距離歩けてるし、うん、大丈夫大丈夫

コーヒーを飲みながら私は母に考えていたことを話した

「今年はお母さんに着付けを習おうと思うねんけどいい?」

「いいよ〜」

月一くらいのペースやけどね、約束、ちゃんと続けるよ

1月中に1度行く、そう決めてたのになかなか行けない
理由はひとつ、怖かったのだ
もし、父がまた小さくなって元気なく座っていたら…しんどそうに横になっていたりしたら確実に落ち込む
案外私ってこういうとこ弱いんやなあって初めて気付く
あーでも、もう2月になってしまう
母に電話した
「今週金曜日居てる?」
「居てるよ〜」
母の声と口調がいつも通りでホッとする
単純な私

そうしてようやく行けた実家で父はいつもの父だった
よかった

「お父さん元気そうやん?」
「うん、今日は特に元気やわ。hiroが来てくれたからちがうかな」

そうなん?じゃあよかったわ、着付け習うことにして。毎月くるからね

ふぅ。
ひとつクリアできた

最近は気にかかることも何となく見て見ぬふりをしてしまったり、何だかんだ理由をつけて後回しにしがち
それはよくないってわかっているのに
こういうところから今年は変えていきたいと思う

誰にも話せなかった
心配事を口に出すと状況が悪い方向に崩れていくような恐怖感があって私はいつも結果が出るまで人に話せない
歳とると怖いものばっかりになってくるね
ズシンと強くなるか恐ろしいくらい鈍感になるか…そうでもないと生きるの辛いな

これから押し寄せる色んな波に立ち向かう覚悟がそろそろ必要なのだ。
 
#日記


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