恥ずかしい、情けない、悲しい
面接の結果待ち。
でも不採用と分かっている。
体力の要る作業だからと何度も言われた。
そろそろメールが来ると思う。
もう働きたくないな…
違う
働きに行きたくない。
自分で何かできないのかな…
お金ないと何もできないのかな。
何とかならないものか…
本当に本当に
本当に何とか…
毎日毎日ぐるぐるぐるぐる
娘が体調を崩して食事に気を遣う。
私も口内炎が酷くなってまともに食べられない。
薬を買って来て、
柔らかい食べ物を買って来て
消化の良いご飯を作って
ぐるぐるぐるぐる
昨日の晩ご飯の時
父のお墓参りの帰りに
スーパーでインゲンの胡麻和えを見つけて
娘が食べたいと言ったので買って来たのだけれど
それがえらく美味しかったようで
「これ、半分残して明日食べるよ」
そう言ったので、タッパーに入れようと器を持ち上げたら
手が滑って全部カーペットの上にひっくり返してしまった。
「あーあ」
ちょっとしゅんっとなった娘の前で
しゃがみ込んで散らかったインゲンを集める。
カーペットに汁がしみている。
胡麻もあちこちに飛び散っている。
集めて集めて
集めて集めて
何でこんな風なんだろう…
何で私だけ
集めて集めて
集めて集めて
何をやっても上手く行かないし
仕事だって見つかんないし
集めて集めて
集めて集めて
娘が美味しかったって
明日も食べたいくらい気に入ってたおかずを
こんなことしちゃって
そのうち、何か急にこみあげて来て
「ごめんね」
って言った途端、何かがプツンと切れて
娘の前で大泣きした。
「ママどうしたの⁉」
娘がビックリするぐらい
自分でも信じられないくらい
もしかしたら
多分、大人になって初めてなくらい
思いっ切り泣いた。
涙がいっぱいいっぱい
ボロボロと止まらないくらい零れて
ワンワン泣いた。
娘が笑いながらティッシュを持って来て
ぐちゃぐちゃになった私の目や鼻を拭いた。
繰り返し繰り返し
止まらないから何度も何度も拭いてくれて
それでもずっとワンワン泣き続けた。
仕事が決まらない
お金がなくなる
何かしないといけないけど
「何か」が分からない。
「何でも良いから働きなさい」
母に言われる
「あそこはどう?」
「あの店も募集してるやん」
伯父や叔母に言われる
あの人の息子さんは宅建の資格に受かったらしいよ
あの人の娘さんは仕事で色んな国に行ってるんやって
あそこの家は子どもが二人とも独立して優雅な暮らしやわ
あのこの息子さんは何やら起業してやってるらしいよ
あそこは良いわ、子どもが東京の大学出て良いとこ入ったそうやし
何で私だけ
何で私だけ
私だけなんもできてない
私だけなんも
ホントになんもできてない
なんか
溜まってたんやな…
多分
もう限界やったんや…
ごめんな、ママこんないっぱい泣いて
お母さんやのに
恥ずかしい…
娘は私がひっくり返したインゲンを
拾い集めて捨てるつもりだったのに
背中向けて何してるかと思ったら
モグモグ食べていた。
「何してるの⁉落としたやつなのに」
慌てて止めたけど
「何で?もったいないやん」
って言いながら全部食べてしまった。
悪いことしちゃったな…
気に入ってたおかずやったのに
それに大泣きなんてして
大人のくせに
お母さんのくせに
もう泣かないから。
こんな恥ずかしいこと
こんな情けないこと絶対しない。
娘に心配かけてどうするん?
娘に気ぃ使わせてどうするん?
しっかりせんと!
でも
限界だったから。
泣いたらスッキリした。
また頑張るから。