インド日記8「ケイオスシティオールドデリー」
今日は飛行機で首都デリーへ向かう。旅行前は首都だし、神秘的で綺麗な場所なんだろうなぁなんて勝手に思い込んでいたが、実際に何度も行ってる人、料理教室のインド人、空港で仲良くなったインド人、ネット情報など、教えてくれたすべての人が悪い評価を付ける都、それがデリー。
まず、大気が世界一汚染されていて、PM2.5の数値はダントツのワースト世界第一位。街の人も冷たく、詐欺や性犯罪の殆どがデリーで起きている?、、らしい。とにかくインド国内で治安の悪い都市の第一位がデリーなのだ。危険スポットが大大大好きな僕は、ドキドキとわくわくが止まらない。
ムンバイ空港で搭乗する際に、後ろにいたインド人が日本語で話しかけてきた。聞けば、とある日本のメーカーで働いていて、日本での滞在経験もあるとの事。この男、日本語ペラペラでとても良い人。
デリーには何しに行くの?と聞いてみると、デリーに恋人がいて、結婚式をあげに行くとの事。それを喋ってる時の彼は、嬉しそうにニヤケているので、愛い奴やのぉと微笑ましくなった。僕らは12日に日本に帰る事を伝えると、結婚式は14日らしく、滞在が長ければ結婚式に招待したかったと言われ、オープンな彼に感銘を受けた。色々な文化に接している人は価値観のキャパが広いため人間性が高い。
デリーへ着くと、握手をして別れた。結婚式楽しんで!と、上から目線な言葉で見送る。
さぁ、デリー入り。早速ホテル、タージ パレス ニューデリーへ向かう。安倍首相も泊まったホテルだ。ホテルへ着くと、まるで宮殿。こんなにグレードの高いホテルは人生で初めてのこと。
早速、Mさんが絶対に行ったほうが良いと教えてくれたカリームホテルへ向かう。別のホテルに泊まっている、華子&古井という若手女子チームと合流して一緒に行く予定だ。
彼女たちは食事の前にモスクに行きたいとの事で、少し早めに出発して一緒に観光する事にした。しかし、なかなかUberが捕まらず、大幅に遅れてしまったため、僕は「先行ってていいよー」と気軽にメッセした。気軽に先行ってていいよと言える場所ではなかったと、後々知ることとなる。
幸い、華子&古井は、先に発たずにホテルで待機していた。全員タクシーに乗り込み、モスクへGo!
道を進むにつれて、車やリキシャの数がどんどん増えていき、押し競饅頭のような車の渦に飲み込まれていく。あたり一帯、クラクションサウンドの密度は増していくばかり。次第に歩行者の数も劇的に増えていく。建物も人々の目つきも、これまで感じたインドとは異質なものとなっていく。
そうこう感じていると、タクシーが止まる。モスクの前に到着した。
ここまで一言も発っしなかった無口なドライバーが口を開く「ここはとても危険な地域だ。気をつけろ」その言葉に気を引き締める我々4人。
あまりにも人が多い。例えるなら花火大会や大規模なお祭りの中を、野良犬が歩き回り、バイクも車も容赦なく通る、聞こえる音は、人々の叫び声と、クラクションサウンド、そんな感じだ。モスクは諦め、ムスリム料理の名店、カリームホテルへと向かう。
何やらこの地域一体、マーケットのようになっていて、主に服が売っている。時折ブラジャーだけが置いてある店もあり理解に苦しむ。屋台もチラホラと出現、例えるなら、、うーむどこだろう、アメ横?花見時期の代々木公園?あいりん地区?まぁそんな感じ。
人々は基本的に僕らに関心は無いようでそれほど危険ではなさそう。時折「チャイニーズ!コリアン!ジャパニーズ」との声が聞こえてくる。本当は引き返したいのだけど、店にたどり着くためにはここを通らなくてはならない。我々は一列となり、僕、華子、古井、盛田というフォーメーションで、カバンやスマホを強く握りしめながら進む。
暫く歩くと、色々なお店が並んだ道路が見えてくる。肉屋には、山羊の生首や鶏の捌かれた姿が陳列されている。すごい。写真撮り忘れた。
細い道を曲がると、突然、袋小路のようなスペースが現れる。ここがカリームホテルだ。Mさんが教えてくれた通りだった。カリームホテルという店が袋小路を形作るように4、5軒ある。本物は一つではない、全部が本物のカリームホテルなのだ、おそらくキッチンは一つで、店を拡張していく過程でこうなってしまったのだろう。
店の前に少し行列ができていたが、5分くらいするとすんなりと入る事ができた。店内には、欧米人などもチラホラいて、僕たちは安心した。中には、1組だけ小綺麗な韓国人?のカップルがいて「ここまで2人きりで辿り着いたら結婚するよね、するしかないよね!彼らは2人だけでよく頑張ったもん」という話をしながら笑いあった。でも、本心でそう思えるほど過酷なユーザーエクスペリエンス、それがカリームホテルなのだ。
店に入ると、ジャパニーズ!と言われまくる。店員は真顔で取り皿を乱暴に叩きつける。早速、バターチキンカレー、マトンコルマ、パラクパニール、タンドリーチキン、シシカバブ、バターナン、薄いチャパティを注文。アルコールはないため、コカコーラで乾杯。
鶏の姿そのままのタンドリーチキンはやはり激ウマ、だが、、熱々ではない。焼きたてであれば最高に美味しいだろうに。
バターチキンカレーは、そのタンドリーチキンがそのまま入っている、でかっ!思わず大きさが伝わるよう、iPhoneと一緒にパシャり。日本で食べるバターチキンと似ていて普通に美味い、ややトマト強めかな。
マトンコルマは油が凄い。提供時に店員が皿に少し捨てていたので、後で油分調整するのもアリなんだなと学んだ。玉ねぎの旨味と、カルダモンにクローブとわりとオーソドックスだが、肉がおそらく山羊なんだと思う。癖は全くなく、柔らかい骨つき赤み肉。黒いつぶつぶも入ってる、これはニゲラかな?ローズウォーターも入ってるぽかった。「コルマ」と名が付くと、乳製品やナッツ類などを使ったリッチなカレーの事だと思っていたが、それらは全く入っていなかった。強いて言えば、日本のカレー屋さんデリーのコルマカレーに近いニュアンスだった。
パラクパニールは、油MAXで、塩気がなく、何も味を感じなかった、無でした。これは注文しない方が良いです。
とても量が多かったし、油の量が半端ないので、結構残した。束の間の楽しい時間はこれにて終了。これから来た道を戻る。
帰り道は、リキシャのドライバーに半端なく絡まれた。Uberもなかなか来ずに皆で冗談を言い合って、励ましあって待った。無事Uberは到着し、華子&古井のホテルへ送る。折角なのでホテルのバーで打ち上げ。皆で無事だったこと、良い体験ができたことを心から喜んだ。
ホテルへ戻ると、緊張の糸はプツりと切れ、倒れ込むように眠りについた。
ここまで読んでくれて本当にありがとうございます!