見出し画像

女の恋は上書き保存、男の恋は名前を付けて保存 41

 歌舞伎観劇の翌週は、理佐にとって少し、忙しい週になった、週の後半に夫の海外出張がきまり、週初はじめに実家の母親が、急遽検査入院することになり、インターンシップの関係で長女が、帰省してきた。
こういう時は、世間慣れしている、由香の方がてきぱきと手伝ってくれるし、なにより頼りになる。長女の方は、おっとりしすぎていて、機転があまり効かない。
 


病院から、由香へ電話すると、大学からの帰りにスーパーへ寄って適当な食材を買ってきてくれる、キッチンで、二人で並んで、食事の準備をすることもあったし、由香が食事を用意しておいてくれた日もあった。
幸い母の病状も大したことはなく、3日ほどで退院した、夫の出張も、理佐がいない間、由香が代わりに、すべて準備してくれた。
週末、紗香が帰っていったあと、理佐は由香へ礼をいうと、
「おねちゃんは、ほんとマイペースだよなぁ・・・・・」と、姉を評してそう言った。理佐は、紗香は就職で今、大変な時なのよ、と少し姉を弁護する。
「そうかなぁ、ママが病院に行って帰りが遅い時、私がひとりで、ごはん作っていても、手伝いもしないし・・・・・」
帰省中、紗香はよほどインターンシップ先で緊張を強いられるのか、少し顔つきが変わっていたように理佐には感じられた。彼女なりに今は、大変な時期なのかもしれないと理佐は、思った。
また普段のような、母娘二人の暮らしが始まる、いろいろなことがあったので、当然例のボランティアも友里恵へ連絡して、少し休むことを告げた。
同じように、両親と同居している彼女も、母の入院は心配してくれて、見舞いの言葉を理佐へとかけてくれる。
「こっちは、お願いしてる方、なんだから、いつ戻ってきてもらってもいいし・・・」
と電話口で、気を使ってくれた。


週末は、由香と二人で、忙しかった週の家内の後片付けにあてた、大方片付いた土曜日の夕方、理佐は由香に、今日は外食にしようと提案した、夫も出張で再来週まで帰ってこなし、理佐も今週は、いろいろなことがあり、少し手抜きをしたくなった。どこがいい?と由香に、聞くと少し考えて、あのラザニアのお店がいいと答えた。
理佐は、いいわよと答えると、さっそく電話して予約をした。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

今宵も、最後までお読みいただきありがとうございました。

主人公理佐の最大の理解者、娘の由香・・・・

姉妹のような関係で、描きたいと思ってます。


物語は、続いていきます・・・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?